【日本文化とインテリア】:アール・ヌーヴォーが日本美術を取り入れたトレンド『ジャポニスム』の解説です。

画像引用元:パブリックドメインQ様より

【アール・ヌーヴォーの特徴】:日本趣味ジャポニスムとは?

   

ガウディの
\ 『アール・ヌーヴォー』 /

   

ミュシャの
\ 『アール・ヌーヴォー』 /

画像引用元:Art Renewal Center Museum様より

    

昔の文化って、

あんまり理解できないことも多いけど、

ガウディとか、

ミュシャとか、

アール・ヌーヴォー全般については、

……少しとっつきやすい感じがしますな。

実はね。

歴代のクラシックスタイルたちとは違って、

アール・ヌーヴォー様式には、

日本文化のエッセンスが多く含まれてるんですよね。

そうなの!?

    

『日本文化』が
\ 大ブーム /

画像引用元:Wikipedia様『ジャポニスム』より

    

ときは19世紀末!!

アール・ヌーヴォーの時代!!

ヨーロッパでは、

日本文化が大ブームになりました!!

そんなことある!?

日本美術が、

ヨーロッパのデザイン全般に与えた影響のことを、

日本趣味ジャポニスムと呼びますよ。

     

『日本文化』が
\ 大ブーム /

画像引用元:パブリックドメインQ様より

     

実はこれ、

インテリアの歴史の中でも超重要でして!!

「へ~流行ったんだ~」

だけでは済ませられないテーマだったりします!!

そこまで関係ないと思うんだけどな~!!

ジャポニスムって何なの!?

なんで日本文化が流行ったの!?

このあたり、

くわしく知っておきましょう!!

     

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【歴史解説】:アール・ヌーヴォー様式

     

【ジャポニスムの理由】:文化交流が盛んな時代背景

   

『日本文化』が
\ 大ブーム /

画像引用元:パブリックドメインQ様より

     

ジャポニスムを理解するのに、

いちばん大切なキーワードは!!!

西暦1853年、

黒船に乗ったペリー来航です。

あまりにもつまらない。

歴史の教科書すぎる。

重要だから教科書に載ってるんだよ!!

    

1853年
▼『ペリー来航』▼

画像引用元:伊豆クルーズ様より

     

ペリーさんが来日したあと、

日本はいろいろあって、

長く続いていた鎖国が終わりました。

なんかこう、

海外と貿易できるようになったんですよね。

そうなんだけど。

これって日本人の視点では、

ついに西洋との交易がはじまったイベントなわけだけど、

ヨーロッパ人の視点では、

ついに日本との交易が始まったイベントでもあるわけです。

   

『相互に』
▼貿易スタート▼

画像引用元:Wikipedia様『黒船来航』より
画像引用元:Wikipedia様『黒船来航』より

     

文化ってのは、

一方向にだけ伝わるんじゃなくて、

相互に影響を与え合うものなのよ。

なるほど?

アール・ヌーヴォーは、

万博で世界に広がったという側面があるんだけど、

その万博には、

鎖国を終えた日本も出展していたんです。

   

1867年
▼『パリ万博』▼

   

1867年パリ万博
▼『会場の様子』▼

   

画家エドゥアール・マネ
▼『万博会場の絵画』▼

    

たとえば、

1867年のパリ万博には、

『江戸幕府パビリオン』

『薩摩藩パビリオン』

『佐賀藩パビリオン』

……が出展して日本文化を広めましたよ。

その3つに分かれてたの!?

パビリオンでは、

日本風の茶屋の中で、

本物の芸者さんたちが、

日本文化を紹介するような、

趣向を凝らしたパフォーマンスが色々あったのですが、

これがもう大評判になって、

いま世界に広がってる『ゲイシャ概念』の原点の一つになったとも言われております。

    

日本&中国
▼合同パビリオン▼

   

▼薩摩藩パビリオン▼

   

パビリオン内での
▼『パフォーマンス』▼

     

そんな万博が!!

魅惑の文化交流イベントが!!

アール・ヌーヴォーという、

新時代のデザインを模索していた運動に影響を与えないわけがない!!

ああ、なるほど!!

アール・ヌーヴォー側にも、

新しい刺激が欲しいという需要があったわけね!!

   

万博って
\ 刺激的だわ~ /

     

西洋人にとって、

ほとんど初めて見るような日本美術には!!

権威性がなくて民主的である、

自然モチーフ&一般人モチーフが多用されておりました。

まさに!!

アール・ヌーヴォーが求めていたものじゃん!!

ヨーロッパの人々は、

ジャポニスムが流行った当時……、

『日本の美術品』を購入して、

そのまま飾って楽しむことも多かったんだけど!!

    

当時のアーティストも
▼『日本美術』大好き▼

画像引用元:Wikipedia様『ジャポニスム』より
画像引用元:Wikipedia様『ジャポニスム』より
画像引用元:Wikipedia様『ジャポニスム』より

    

もともと民主的モチーフに興味があった

アール・ヌーヴォーの関係者たちは、

そんな日本趣味(ジャポニスム)を、

自身の作品作りのためにも大いに参考にしたんですよ。

パリ万博は、

アール・ヌーヴォーを世界に広める効果もあったけど、

ヨーロッパ人が、

日本文化を吸収する効果も同時にあったわけね。

   

▼参考文献▼

きものとジャポニスム

【おすみさん、おさとさん、おかねさん】

”なかでも大成功を収めたのは、会場内庭園の日本セクションにパビリオンとしてしつらえられた檜造りの農家風日本家屋の演出だった。”

”それは、きもの姿の三人の日本女性たちが、見物客にお茶を出す接待にあたったり、キセルで煙草を吸って見せたりするというものである。”

”彼女たちは、日本からこのために派遣された江戸柳橋松葉屋の芸者すみ、さと、かねである。”

※※※
引用元
【きものとジャポニスム】
第2章 ジャポニスム、欧米に沸き起こった日本趣味
p46より

          

【ジャポニスムの理由】:行動力のある日本オタクがいた。

   

いかにも
\ 『アール・ヌーヴォー』 /

   

アール・ヌーヴォーを語るうえで!!

避けては通れない重要人物がいます!!

どうせまた、

『歴史の教科書』の登場人物でしょ?

アール・ヌーヴォーに、

ジャポニスムを混ぜた原因の一人……。

フランスの美術商サミュエル・ビング!!

誰やねん。

    

フランスの美術商
▼『サミュエル・ビング』▼

画像引用元:Wikipedia様『Siegfried Bing』より

   

もともとアールヌーヴォーは、

新時代の、

『名もなきデザイン運動』として始まったんだけど。

アーツ・アンド・クラフツ運動から、

徐々に変化していった感じよね。

でもそれが命名されたのは、

『アール・ヌーヴォー作品』を販売するために、

『サミュエル・ビング氏』が運営していた、

アール・ヌーヴォーという店名の美術品屋さん、

……が直接の由来なんですよ。

そうなの!?

    

ビングのお店
▼『Maison de l’Art Nouveau』▼

画像引用元:Wikipedia様『Siegfried Bing』より
画像引用元:Wikipedia様『Siegfried Bing』より

    

このビング氏は、

アール・ヌーヴォー屋さんでありながら、

めっちゃジャポニスム推しの人でね。

アール・ヌーヴォーの由来になったお店の

店主さんが日本推しやったんや……。

主な商品はアール・ヌーヴォーだけど、

『日本美術の商品販売』もしていたし、

『日本美術を広める本』も自費出版していたし、

ジャポニスムの影響を受けたアール・ヌーヴォー作家の作品を、

自分の店で売ってあげたりしていたんです。

    

ビングが出版していた
▼『日本美術を布教する本』▼

画像引用元:Wikipedia様『Siegfried Bing』より

     

そんなビング氏は、

アール・ヌーヴォー運動を布教するために、

1900年のパリ万博では、

『ビングのアール・ヌーヴォー館』なんてパビリオンまで運営しておりました。

ビング氏は、

アール・ヌーヴォーの伝道者であり、

ジャポニスムの伝道者でもあったんですな。

なのでビング氏の活動のことだけを

アール・ヌーヴォーと呼ぶわけではないんだけど、

大きく国際的に起こった、

アール・ヌーヴォー運動の中に、

ビングの活動も含まれているし、

その中にジャポニスムも含まれている。

……というのは否定できない事実なんです。

  

アール・ヌーヴォーに
▼『溶け込んだ』ジャポニスム▼

画像引用元:SUMAU様より
(写真:杉浦岳史様)
画像引用元:SUMAU様より
(写真:杉浦岳史様)

    

いろんなアーティストたちが、

アール・ヌーヴォー活動をしていた中で!!

『ビングの啓蒙で』

ジャポニスムを参考にした人もいるだろうし!!

ういうい!!

『ピングとは関係なく』

ヨーロッパで流行っていたジャポニスムを参考にした人もいるだろうし!!

『ジャポニスムは参考にせず』

自分なりにアール・ヌーヴォーしてた人もいるでしょうが!!

    

アール・ヌーヴォーに
▼『溶け込んだ』ジャポニスム▼

画像引用元:SUMAU様より
(写真:杉浦岳史様)
画像引用元:SUMAU様より
(写真:杉浦岳史様)

    

当時のヨーロッパでの、

ジャポニスムの流行はすごい熱量だったので!!

そんなにすごかったんや。

順当に考える限り、

多かれ少なかれ、

意識的にせよ無意識的にせよ、

何らかの形でジャポニスムの影響を受けた、

アール・ヌーヴォー作品は多かったのだろうと言われてますよ。

   

▼参考文献▼

花の様式: ジャポニスムからアール・ヌーヴォーヘ

【サミュエル・ビングの万博パビリオン】

”万国博会場におけるこの「アール・ヌーヴォー」館がアール・ヌーヴォー様式の推進に、重要な役割を果たしたのはいうまでもない。”

”この「アール・ヌーヴォー」館に、ビングは六つのモデル・ルームを作って、それによって、建築、家具、陶磁器、ガラス器、テキスタイル、壁面装飾、照明、ステンド・グラス、カーペット等の作品を室内の機能に即応したかたちで展示した。”

※※※
【花の様式 ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ】
栄光のパリ万国博 1900年
p113より

    

【アール・ヌーヴォーの特徴】:日本趣味ジャポニスムでした!

   

アール・ヌーヴォーに
▼『溶け込んだ』ジャポニスム▼

画像引用元:SUMAU様より
(写真:杉浦岳史様)
画像引用元:SUMAU様より
(写真:杉浦岳史様)

   

というわけで!!

日本を参考にするために、

アール・ヌーヴォーが生まれたわけじゃないんだけど!!

そうだよね!!

だけど、

鎖国の終了

万博の開催

ビングの活動などなど!!

アール・ヌーヴォーを試行錯誤するときに、

ちょうどジャポニスムが参考にされやすい時代背景だったのと!!

   

『ジャポニスム』が
▼アール・ヌーヴォーのヒントに▼

画像引用元:パブリックドメインQ様より
画像引用元:パブリックドメインQ様より

    

アール・ヌーヴォーが求めていたデザインと、

『日本美術のデザイン』との

相性がすごく良かったので!!

それもあるよねえ~!!

色んな人がアール・ヌーヴォーを模索するなかで、

日本がとても良いヒントになったのでした。

新しいデザインを試行錯誤しようってときに、

海外にインスピレーションを求めるのも

……自然な成り行きですしねえ。

    

『ジャポニスム』が
▼アール・ヌーヴォーのヒントに▼

画像引用元:パブリックドメインQ様より
画像引用元:パブリックドメインQ様より

    

なのでジャポニスムは、

アール・ヌーヴォーの、

『必須条件』ではなくて、

『一要素』ではあるんだけれど!!

そうなりますな。

かと言って無視することもできない、

……大きめの影響があったのでした。

だからこそ、

アール・ヌーヴォー様式って、

我々日本人にとって、

親しみやすい魅力があるのかもしれませんな。

  

アール・ヌーヴォーに
▼『溶け込んだ』ジャポニスム▼

画像引用元:SUMAU様より
(写真:杉浦岳史様)
画像引用元:SUMAU様より
(写真:杉浦岳史様)

    

実際のアール・ヌーヴォー作品では、

ジャポニスムの影響はもう、

溶け込んじゃってることも多いけど!!

日本の影響っていっても、

見分けがつかないよね!!

だけど、

そんなことがあったという歴史だけは、

よかったら頭の片隅に置いて頂けましたら幸いです。

   

アール・ヌーヴォーに
▼『溶け込んだ』ジャポニスム▼

画像引用元:Art Renewal Center Museum様より
画像引用元:Art Renewal Center Museum様より

     

ちなみに、

ムーミンの作者『トーベ・ヤンソン氏』も、

浮世絵を参考にしたことがある、

……みたいな噂があるよ。

どこまで信用できるんやそれ。

   

\ 真似したの? /

画像引用元:パブリックドメインQ様より

     

画像引用元:『トーベとムーミン展』様より

   

▼参考文献▼

ジャポニスム入門

        

知られざる北斎

    

かわいいジャポニスム

   

ジャポニスム 流行としての「日本」

   

きものとジャポニスム

   

学習漫画 日本の歴史14

   

幕末維新 解剖図鑑

  

一冊でわかる幕末

  

明治まるごと歴史図鑑 3

     

もっと知りたいアール・ヌーヴォー

  

すぐわかる 作家別アール・ヌーヴォーの美術

  

花の様式: ジャポニスムからアール・ヌーヴォーヘ

  

もっと知りたい ミュシャ

  

マッキントッシュの世界

   

アール・ヌーヴォー: 世紀末に生まれた空前の美術状況

   

▼参考note▼

note記事
太田記念美術館様
『浮世絵が陶磁器の包み紙として海を渡ったのは本当?という話。』

   

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