【天穂のサクナヒメで覚えるアニミズム】:インテリアの歴史と、原始的な宗教観のお話。|【ジャポニスム】

画像引用元:TVアニメ『天穂のサクナヒメ』公式様より

【天穂のサクナヒメ】:原初の世界観『アニミズム』

    

日本文化
\ ヤバーイ /

画像引用元:フライミー様より

    

西洋諸国は、

ペリー来航で日本文化を知ることになったのである!!

そして日本特有の、

自然をモチーフにする価値観に出会ったのである!!

よいですね、

19世紀末に流行ったジャポニスムのおさらいですね。

なんで日本は、

西洋と違う価値観を持ってたの?

日本人って……変人なの?

   

\ 変人なの? /

画像引用元:フライミー様より

    

日本人には変人もいるかもしれませんが!!

自然モチーフを大切にするのは、

けっして特別変わったことではありません。

そうだよね!!

べつに普通の感覚だよね!!

大自然に敬意を払い、

そのへんの木も石も川もみな浮世絵のモチーフとして大切に扱う、

そんな発想の根底には、

アニミズムという価値観が流れています!!

    

本日は
▼『アニメで学ぶインテリア』▼

  

本日は!!

アニメで学ぶインテリア!!

天穂のサクナヒメでアニミズムを覚えましょう!!

日本の価値観とサクナヒメ、

めっちゃ関係してそう!!

ちなみにこれ、

ただの雑学じゃなくて『インテリアの歴史』としてけっこう重要よ。

     

〈関連記事》

【歴史解説】:日本趣味『ジャポニスム』

    

【インテリアの歴史】:狩猟採集とアニミズム

   

まずは
▼『狩猟採集』の時代から▼

      

まだ人類が、

ウホウホしていた時代には!!

『狩りの獲物』も、

『狩りをする大地』も、

『そのへんに生えている草木』も、

『自分たち人間』も、

……みんな分け隔てなく魂があると考えられていました。

ああ、はいはい。

なんとなくはイメージできますよ。

世界のあらゆるものには

『身体とは別に魂があるよ』と考える、

すなわち、

万物に魂が宿っているという思想をアニミズムといいます。

    

万物に魂が宿っている
▼『アニミズム』▼

    

聖書とかで後天的に勉強しなくても、

みんなが当たり前のように、

自然とイメージしていた原初的な宗教観ですね。

言われてみれば、

布教されたわけじゃないのに『魂』はちょっと信じてるかも。

ラテン語では、

魂のことをアニマと呼びます。

魂があるからアニマル

魂を吹き込むからアニメーション

魂を信じてるからアニミズム

……これらはぜんぶ『アニマが語源』ですよ。

    

万物に魂が宿っている
▼『アニミズム』▼

   

すべての存在に魂があり、

魂があるものは人間と同じように心を持っている。

『星魂剣(ほしだまのつるぎ)』がタマ爺になったり、

『助けられた鶴』が恩返しをしたり、

『かいまる』が動物と心を通わせたり、

『アシグモ』みたいな獣神がいたり、

『一粒のお米』にも神様がいたりする、

……こういうのがまさにアニミズムですよ。

『身体とは別に魂があるよ』って考えてるから、

つくも神とか精霊みたいな存在も信じやすいのかもですな。

ですです。

身体性と関係ないから何にでも魂を想像できるわけです。

日本の神道のような、

八百万の神様はまさにアニミズム的な発想がベースですね。

   

『アニミズムらしい』
▼サクナヒメの世界観▼

    

この世の万物に魂があるから、

神様だけを、

特別扱いしすぎないのもアニミズムの特徴です。

ホウ、そんな視点が。

だからサクナヒメみたいな

普通の人間っぽいぐうたらな神様は、

いかにも日本人らしい、

いかにもアニミズムらしい表現でもありますよ。

唯一の絶対神がいて、

人間とハッキリ区別する宗教とはだいぶ違いますな。

    

アニミズムらしい
▼『人間っぽい神様』▼

    

神様を特別扱いしない。

そんな感覚だからこそ、

『人間の世界』と『神の世界』との境界もあいまいです。

ホウ!?

ゆるやかに連続した、

『頂の世』『麓の世』を行き来するような、

境界を超えたやりとりができる、

往還(おうかん)があるのもアニミズムの特徴です。

        

境界を超える
▼『往還が可能』▼

    

たとえば他にも例を挙げると、

死者の怨念が現世にあらわれるような、

『あの世』と『この世』とのやりとりも往還ですね。

めっちゃ当たり前の感覚で見てたけど、

あれってアニミズム的なんや!!

    

『死者の怨念』も
▼往還ですよ▼

    

▼参考文献▼

入門講義 アニミズム

【往還(おうかん)】

“アニミズムには、いったい、どんな「動」があるのでしょうか?”

“そこには、人間と非人間、生者と死者、自己と他者、あるいは人間の世界と神の世界などを軽々と越境し、それぞれの二者間の間にある、あいまいな境界線を行き来する「往還」があるとみることができます。”

※※※
《入門広義アニミズム》
第2章 アニミズムで常識をひっくり返す
p34より

          

【インテリアの歴史】:太陽信仰とアニミズム

   

そして
▼『農業・稲作』へ▼

    

人々はそうやって、

ずっとアニミズムの世界観で暮らしていたんだけど、

やがて農業や稲作が生まれました。

天穂(あまほほ)!!

天穂のサクナヒメ、

原作ゲームを遊んだときのことを思い出してください。

どうすれば収穫が増えるのか分からなくて、

……めっちゃ手探りだったでしょ?

     

原作ゲーム
▼『天穂のサクナヒメ』▼

     

稲作を成功させるのって、

正解は全く分からないけど、

『タイミングが大事だろうな』ってことだけ分かったでしょ?

田起こし

田植え、

水やり、

肥料、

収穫、

とにかく、

「いつやればええねん」って思いましたな!!

稲作で生きるために、

必死で試行錯誤していた人類はついに気づきました。

時計もカレンダーもない時代に、

農業のタイミングをはかるためには、

……太陽がめっちゃ大事じゃね?

   

『太陽と暦』の関係に
▼やがて気付きます▼

     

万物に魂があると考えていた、

アニミズムはのちに太陽に興味を持ちました。

後期アニミズムは、

だいたい太陽信仰になるんですよ。

なるほど、順当ですな。

日本神話の最高神、

天照大神も『太陽神』です。

日本の天皇家は、

この太陽神の子孫とされていますね。

   

太陽神さま
▼(※代理です)▼

    

太陽は天高くにあるので、

お願いをするなりお供えをするなり……、

太陽神と往還したいときには、

『それなりの施設』が必要になってきます。

遠い空の上だもんね。

そのため、

世界中で見られる原始的な宗教施設として、

空に向けて石を立てる、

スタンディング・ストーンが生まれましたよ。

    

太陽に向かって
▼『石を立てる』▼

画像引用元:Wikipedia様『立石 (考古学)』より

      

はいはい、

ストーンサークルみたいなやつ!!

住まいの歴史には諸説あるのですが、

建築史家の『藤森照信』先生の説によると、

スタンディング・ストーンのような、

宗教施設こそが建築の起源とされています。

おお、それはすごい!!

何をもって、

『建築の起源』とするかは決めにくいんだけど……、

   

何をもって
▼『建築の起源』とするか▼

     

雨風をしのぐ実用性だけでなく、

『外観の表現』と、

『内部のしつらい』とを、

……どちらも併せ持った建物を建築と呼ぶならば!!

うむりうむり!!

神の住居こそが建築の起源であり、

そんな神の住居が生まれたのは、

アニミズム由来の『原始的な神殿』と、

後期アニミズムの『スタンディングストーン』が、

……発端だったのではないかという説ですね。

     

『建築の起源』
▼かもしれません▼

     

『人の世界』から『神の世界』に、

ゆるやかにアクセスしようとしたのが、

……建築の起源だったんですなあ。

だから建築って、

発祥の頃からハレとケの概念があるんですよね。

そっかそっか!!

神様のための特別感『ハレ』と、

人間らしい日常感『ケ』っていう、

……区別があるからこそ特別な建物を作ったんや!!

    

太古からあった
▼『ハレとケ』▼

【カジマグ理論】

【インテリアの基礎ルール】


お部屋の要素は、
『リラックスとプレッシャーの割合を2:1にする』


そのプレッシャー1は、
『個性』と『ハレ』で表現する。

           

そんなアニミズムも、

そこから発展した『太陽信仰』も、

このあたりまでは、

全世界ほとんど共通の流れになるらしいです。

わざわざ宗教を教わらなくても、

人間はだいたいこんな発想になるんや。

そこから後天的に、

土地ごとの色んな宗教が生まれていくのですが。

   

地域によって
▼『宗教が分化』していく▼

     

仏教は『お釈迦様』を信仰するし、

キリスト教は『絶対神』を信仰するし、

宗教が分化するほど、

自然信仰は否定されていく……という見方もあるんだけど。

ハ~、最近の若いもんは。

だけど実際のところ、

アニミズムはいろんな宗教のベースとして、

いろんな教えの、

前提のような世界観として定着しています。

  

アニミズムが
▼『無くなる』わけではない▼

画像引用元:TVアニメ『天穂のサクナヒメ』公式様より

    

キリスト教も、

身体とは別に魂があると考えてるから『死後裁きがある』わけだし、

仏教だって、

身体とは別に魂があると考えてるから『輪廻転生がある』わけよ。

ああ~~!! そうかそうか!!

アニミズムは原初の宗教というよりも、

人類普遍の世界観と思った方が実情に近くて、

みんなアニミズムを前提としつつ、

『その上から宗教が』

『追加でかぶさってる』

……ような状態のことが多いんです。

     

『アニミズムを前提にして』
▼宗教観が作られてる▼

    

だけど、

『八百万の神様』に馴染んでいた日本人は、

よその宗教が伝来したときに、

『仏教のお釈迦様』も、

『キリスト教の絶対神』も、

追加の神様として普通に組み込んじゃったんだよね。

わかる。

だから海外はだいたい、

『宗教がかぶさってる』

『見えにくいアニミズム』になっていたけど、

日本はあんまり、

宗教がかぶさってない

初期アニミズムに近いかたちで現代に至ったわけ。

    

敵も味方も
▼『みんな魂』『みんな神様』▼

    

ジャポニスムのタイミングで、

「西洋が日本文化を発見したよ~」というのは、

日本にしかない、

『唯一無二の価値観』に初めて出会ったわけではなくて。

ふむふむ。

みんな昔はアニミズムだったけど、

日本は例外的にずっと昔のままだったから、

西洋はそれを再発見しただけ、

……くらいの見方が自然なんじゃないかな。

   

▼参考文献▼

人類と建築の歴史

【建築の起源】

“神殿は、ふつうの人用ではなく王のために作られたにちがいないが、王の魂を太陽に届ける発射台として、巨石を積み上げ、立てた。建物の大きさ、立石の高さは、王の魂の発射台として必要だった。”

(中略)

“地母神が人をやさしく包む母のような内部を、太陽神が人の眼前にそびえる父のような外観をもたらし、ここに内外二つそろって、ついに人類は〈建築〉を手に入れた。”

※※※
《人類と建築の歴史》
第二章 神の家――建築の誕生
p62~p63より

   

【天穂のサクナヒメ】:アニミズムを覚えてね。

   

インテリアの歴史と
▼『アニミズム』でした▼

    

というわけで!!

アニミズムは!!

「日本らしい価値観なのだ」、

……と言いつつわりと世界共通の感覚であり!!

ういうい!!

アニミズムという、

基本的な考え方を元にして!!

世界は少しずつ変化を繰り返しながら、

だんだんと今の形になっているのでした。

    

▼米は力ですね▼

    

アニミズムスタイル、

みたいなインテリア類型があるわけじゃないけど!!

建築の発祥だったり、

宗教との関連だったり、

日本クラシックだったり、

ジャポニスムだったり、

……いろんなところで住まいの歴史に関わっている概念なので!!

それはめっちゃ思った。

細かいことまで覚えなくていいから、

「なんかそんな概念があるんだ~」

くらいになんとなく覚えておいて頂けましたら幸いです。

    

テクノロジーの場合は
▼『テクノ・アニミズム』▼

     

ちなみに自然物だけでなく、

人工的なテクノロジーで作ったものにも

魂を想像することをテクノ・アニミズムといいますよ。

フェティッシュですな。

ルンバにありがとうと言う、

愛車に人間の名前をつける、

人工知能に恋をする、

ファミレスの配膳ロボットをネコ型にする、

ココロワヒメが警護ロボットを人型デザインにする、

……こういうのが『テクノ・アニミズム』ね。

新しい技術の中にもアニマを連想する、

一歩進んだアニミズムですよ。

ひょっとして日本人は、

かなりアニミズム上級者やな?

   

\ じゃあの /

   

天穂のサクナヒメ
【アニメ公式PV】

     

天穂のサクナヒメ
【原作ゲーム】

天穂のサクナヒメ

      

天穂のサクナヒメ
【アニメ版】

天穂のサクナヒメ

       

▼参考文献▼

人類と建築の歴史

   

入門講義 アニミズム

    

面白くて眠れなくなる宗教学

    

世界とつながるみんなの宗教ずかん

         

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