【歴史解説】:無印良品って実際どうなの?
とってもおしゃれな
\ 『無印良品』 /




質問質問ッ!!

ワイけっこう、
『無印良品の雑貨』とか好きなんですけど!!

良いですよね~!!

無印良品って、
『無思考っぽくてダサい』とか、
『格好つけすぎてダサい』とか、
……そういうリスクありませんか?

全てのものに不安を抱えて生きてるな。
無印良品って
\ 『実際どうなの』 /




結論から言いますと、
ぜ~~んぜん大丈夫です。

無印良品に詳しい人ほど、
『よく考えられたプロダクト』なのだと、
『格好つけてないショップ様』なのだと、
……ちゃんと分かっているはずですよ。

ホンマかいな。

無印良品ってそもそも何なのか?

せっかく日本に住んでいるなら、
ちゃんとした出自を知っておきましょう!!!
【歴史解説】:無印良品はキレている。
無印良品の歴史
▼『いちばん最初』▼


時は1980年。

世のスーパーマーケットたちは、
『自社のプライベートブランド』を作るのに躍起になっていました。

『メーカー品の』
カルビーのポテチだけを売るんじゃなくて、

『自社ブランドの』
イオントップバリュのポテチも開発するみたいなやつね。
\ ジャコス行くの /



だけど当時、
スーパーマーケットの自社ブランドというのは、

メーカーと『取引条件を交渉』するために、
激安なものをクソショボい品質で作ることが多かったんです。

はいはい、
「ウチには安い自社製品があるよ?」
「メーカー品も安く仕入れさせてよね?」
……みたいな感じかな。

これスーパーマーケット側は良くても、
お客さんとしては嬉しくない案件でしてな。

そういう自社商品は、
『安かろう悪かろう』のイメージで嫌われておりました。
\ ぜんぶゴミ /



ちなみに、
高級ハイブランドも調子に乗っていた時代でして、

『ハデな装飾しとけば売れる』
『ブランドロゴつけときゃ売れる』
みたいな安直な商品がのさばっていたそうですよ。

地獄やないか。

誤解を恐れずに言いますと、

『高級でカスなブランド品』
『激安でカスなノーブランド品』
……この二極化が進んでしまっていた時代ですね。
\ ギラギラしてる /



これにキレたのが、
スーパーマーケットの『西友』です。

腹も立ちますわな。

西友は世にあふれるカス商品たちを
悪い例……『反面教師である』と位置づけて、

これまでのブランド品ともノーブランド品とも違う、
生活にしっかり根ざした自社製品を開発することに決めました。
立ち上がったのは
▼『スーパーマーケット西友』▼



ノーブランドを漢字にすれば無印です。

『ノーブランドだけど』『品質の良いものを』
……という意味を込めて無印良品を作りましたよ。

最初っから、
コンセプトと名前が決まっていた企画なんですなあ。

だから無印良品の根っこは、
『アンチ消費社会』『アンチブランド商品』なんですよ。

おっとりしているイメージは誤解で、
その本性はキレ芸のアベンジャーです。
無印良品は
▼『怒り』から始まってます▼





そんな無印良品の、
らしさを集約したのが「わけあって、安い。」という名コピー。

やみくもに激安なのではなくて、
ちゃんと理由があって安いのだぞという圧が込められてます。

経緯を知ってから聞くと、
キレてる感じがよく出てて良いですな。

そんな理念だからこそ、
初期プロダクトとして『われ椎茸』が有名だったりするんですよ。

形がそろってない椎茸でも、
腹に入れば一緒だからこれを食え……というワケあり商品ですね。
無印良品の特徴
▼『わけあって安い』▼



「原料に再生紙を使用しています。」
というワケがあって安いクラフト紙のメモパッド。

「加工度を下げて無着色・無塗装にしました。」
というワケがあって安いパイン材ユニットシェルフ。

いかにも無印らしい商品たち!!

これらは決して、
『おしゃれな自然素材』でブランディングしてるんじゃなくて、

意味のない装飾をはぶいたら、
結果的に自然素材になっただけという経緯なんですよ。
無印良品の特徴
▼『結果的にナチュラル』▼



この理念が共感を生んで、
ただの1プライベートブランドだった無印良品は人気になり、

最初は『西友の売り場』でコソッと売っていたのに、
1983年には東京・青山に専門店を作りました。

うおおおお、シンデレラストーリー!!!

だけどオシャレ家財が強化されたのは、
この後に続く『無印良品 第二期』でして。

初期MUJIは今と比べて、
もっと端的でコンセプト剝き出しの商品が多かったんですよ。
無印良品
▼『最初のラインナップ』です▼


【無印良品は乾物屋】
初期MUJIは、上層部メンバーが『乾物屋のような』と表現するラインナップだったのですが、だからこそ青山店はあえてアパレルショップ風の店舗を作ったそうです。
青山にあるアパレルショップのようなお店に入ってみたら、売っているのは服ではなく『われ椎茸』『サケの缶詰』『トイレットペーパー』。これが衝撃的に格好良くて、たいへん好評だったそうですよ。
【歴史解説】:無印良品とおしゃれな雑貨。
初のオンリーショップ
▼『無印良品青山』▼


最初のうちは、
『わけあって安ければ』それでよかったんだけど。

青山に出店したことで、
ファッショナブルなイメージがつき始めたんですよね。

『あの青山に出店してる』
『無印良品とかいうおしゃれブランド』
……みたいな感覚ですな。

西友のすみっこではなく、
『丸ごと無印良品』の店舗を作って、
『青山のシティガールたち』に世界観を知ってもらうのは、

その後の無印良品としても、
すごく意義があることだったのですけれど。
無印良品
▼『第一期のイメージ』▼



だけどそのときの副作用で、

『もともとあった理念』だけでなく、
『都会的なおしゃれさ』も期待されるようになっていったんですよね。

人間はなんて身勝手なのでしょう。

当時のMUJIのラインナップで、
その期待を満たせていたのは婦人服くらい。

他はちょっと……、
おぼこかったのでブラッシュアップが必要でした。
無印良品
▼『第一期のイメージ』▼



西暦2000年そこそこ!!

経営的にもちょ~っとマズくなってきており、
MUJIが色々ピンチだったそのとき!!

ムムム!!

満を持して!!!
ついにあの人物が無印良品に降臨したのです!!

ハァラケーーン!!!!
アートディレクター《原研哉(はらけんや)》さん!!!

誰やねん。
デザイン界のシロクマ
▼《原研哉さん》▼




まあこれ別に、
『デザイン刷新のため』の人事ではなくて、

ちょうど世代交代の時期だった、
……という事情もあったんですけどね。

ハァラケーーンって効果音なに?

ちなみにハラケンさんをお誘いしたら、
「この人もぜひ一緒に」と深澤直人さんを紹介されたため、

MUJIにはいきなり、
ハラケンさんと深澤直人さんというスーパーデザイナー様たちが参戦することになりましたよ。
よくぞMUJIに来てくれた
▼《深澤直人さん》▼




ピンとこないかもだけど、
めちゃすごい人たちと思えば今はOK。

このめちゃすごいお二人は、
アドバイザリーボードという『無印良品のお目付け役』に加わることになりました。

そんな役職があるんや!!

そのため新生MUJIでは、
いつもハラケンさんと深澤直人さんの目が光っているという、

もしも自分がMUJIのデザイナーだったら
胃が壊れそうなほどすてきな開発環境になりました。
無印良品
▼『第二期のイメージ』▼



ここから少しずつ、
色んな商品をブラッシュアップしていって、

シリコン調理スプーンを作ってみたり、
ラタンの収納バスケットを作ってみたり、
おしゃれなホワイト家電を作ってみたりしたんです。

MUJIのお店で見たことあるやつ!!

1980年~2000年ごろを『MUJI 第一期』、
2000年~2020年以降を『MUJI 第二期』、
……と仮称した場合、

今みんながイメージしている『無印良品らしさ』は、
第二期らしさだったりすることも多いですよ。
無印良品
▼『第二期のイメージ』▼



ただし、
『おしゃれを期待される』からといって、
『おしゃれなだけ』の商品を作るのは理念に反します。

アドバイザリーボードのメンバー陣は、
無印良品の本質にとても誠実に向き合ってくれました。

ありがたい話やで。

「”白くて” “シンプルで“という定義は、」
「無印良品のイメージを固定化しかねない。」
……そう深澤直人さんも証言しております。

意図なくシンプルにするのではなく、
オシャレなだけのデザインをするのでもなく、
最適なデザインを突き詰めた結果としての、
究極の商品にたどり着く、
……そんな目標にチャレンジし続けましたよ。

かっこええ~!!!!
無印良品
▼『第二期のイメージ』▼



そんなこんなで、
わりと大ピンチに陥っていた無印良品は、

ちょっと人には言えない、
『暗黒時代』を乗り越えることができましたとさ。

『暗黒時代』気になるんだけど。

ちなみにこれ。
イメージしやすいようにハラケンさんと深澤直人さんのお名前を出したけど、

すごいメンバーたちの活躍が他にもあるので、
……実際はそんな『単純な構図じゃない』ので信じすぎないでね。
無印良品
▼『第二期のイメージ』▼




なんにせよ!!

無印良品のアイテムたちは、
『結果的には格好いい』かもしれないけれど!!

ういうい!!

あくまで『コンセプトありき』で企画を作るよう、
無印良品らしいモノ作りをずっと意識されてるし!!

『ただ見た目が良いだけ』のものを作らないように、
すごく気を遣って商品開発されているんですよ。
無印良品
▼『第二期のイメージ』▼



無印良品は、
けっして無思考じゃないし、
けっして格好つけてるワケでもない、

……そう思っていいの?

ルーツ的にもポリシー的にも、
まったく大丈夫ですまったく問題ありません。

そんなズレた勘違い、
神は許してもハラケンさんが許さないでしょう。

その人よく知らないけど、
面白キャラみたいに扱っていい人物じゃないでしょ。
『原研哉さん就任時』の
▼無印良品メッセージ▼

【2002 無印良品の未来】
「当初はノーデザインを目指しましたが、創造性の省略は優れた製品につながらないことを学びました。」
「最適な素材と製法、そして形を模索しながら、無印良品は「素」を旨とする究極のデザインを目指します。」
※※※
引用元
無印良品公式様
無印良品のメッセージ『2002 無印良品の未来』より
【無印良品】:安心して買い物してね。
信じてよかった
\ 無印良品 /



というわけで無印良品!!!

なんかおしゃれな、
雰囲気だけのナチュラルショップではなくて!!

おしゃれはおしゃれだけどね!!

カスみたいな消費社会への
『アンチテーゼ』として生まれた、

やや気難しい感じの、
西友のプライベートブランドが出自です。
『初期MUJI』も
\ 味があります /




むしろ他のメーカーよりも!!

『格好つけること』に関しては、
ずっと慎重でナイーヴだし!!

そこ目的にしちゃうと、理念がズレちゃいますもんね!!

世のムジラーたちも、
無思考でMUJIの商品ばかり買っているのではなく!!

『無印良品の理念』に共感したうえで、
深い深い思慮のもとMUJIの商品を買っているのでした。

それは嘘。
\ キミにきめた /




ちなみにですが。

インテリア企業に関する資料を
そこそこ読み散らかしてきた肌感としては。

なになに?

『IKEA』とかはけっこう、
ビジネスで美談を作ってるにおいもするけど、

『無印良品』はけっこう、
本当に天然ロマンチストなにおいがしますね。
ほかのインテリア企業より
▼『かなり独特』です▼



企業がよい行いをすることで、
社会をもっと素敵にできるはず!!

というストーリーを、
本気で目指してそうなんですよね無印良品。

『アンチ権力で』
『格好つけるのが嫌いで』
『世の中の悪いところに目ざとくて』
『なのに夢見がちで甘ちゃん』

これって先生と似てませんかね。
……悪い意味で。

悪い意味で無印良品と似てることある?
\ じゃあの /


【What is MUJI?】
「無印良品の店舗は現在、全世界で1000を超え、商品アイテムも、衣服や生活雑貨、食品、そして家まで、7000アイテムを超えました。」
「しかしその思想の根幹は誕生当時と変わらず、北をさす方位磁石のように、生活の「基本」と「普遍」を指し続けています。」
※※※
引用元
無印良品公式様
『What is MUJI?』より
▼参考文献▼
『ハァラケーーン』
▼元ネタ▼




































セゾン文化を支えた田中一光先生!
無印にはいくつか唯一無二の商品がありますが、ぼくが好きなのは冷蔵庫!これ以上シンプルにしようがない直線オンリーのカクカクデザインにシルバーの丸棒ハンドルが究極のモダンという感じ。
気難しくてクソ真面目~!
好きになっちゃう。もう好き。
ミニマリストインテリアの無印良品感って、根本的な理念が似てるからなんですかねえ。
歴史やデザイナーさんなど製品のバックグラウンドにあるものを知ると今まで気づかなかった魅力を発見できることがだんだんわかってきました
挙げていただいた参考文献を探しに、まずは図書館に行ってみようと思います