【ネコ脚インテリアの秘密】:なぜクラシック家具の脚はネコチャンになったのか?|【ロココ様式】

【ネコチャンみたいな脚】:猫脚のクラシック家具

   

\ ネチコヤン /

画像引用元:interiorstellar様より
画像引用元:interiorstellar様より

     

うおー!!

ネコチャン可愛いねえ!!

足がクルンとしてて可愛いねえ!!

然り然り!!

インテリアの世界にも、

猫脚の家具ってあるじゃん?

あれって本物の猫は関係ある?

唐突。

   

ネコチャンみたいな
\ 『猫脚』の家具 /

画像引用元:YUMEORI様より
画像引用元:YUMEORI様より

     

たしかに存在します!!

クラシックスタイルで大人気の猫脚家具!!

アンティーク家具のイメージあるよね!!

あれって結局なんなのか!?

どんな由来であんな形なのか!?

ミステリアスおキャット家具!!

本日はその正体を覚えましょう!!

    

【家具の歴史】:猫脚はどこから始まったの?

  

\ エジプト~ /

    

家具の歴史って、

古代エジプトからスタートしております。

西洋の歴史家は

『ギリシャから始まったこと』にしたがるけど、

実はエジプトのほうが早い、

……ってやつですな。

それそれ。

    

\ エジプト~ /

画像引用元:ナショナルジオグラフィック様より
画像引用元:ナショナルジオグラフィック様より

   

エジプトの王様ファラオは、

権力を誇示するために、

でかくて格好エエ椅子を作ったんだけど。

ツタンカーメンみたいなアレですな。

どうやって『自分の偉大さ』を

アッピールするかと考えたときに、

百獣の王ライオンを、

脚部に彫った椅子を作ったんですよね。

    

写真は
▼『レプリカ』です▼

画像引用元:SODデザイン高橋様より
画像引用元:SODデザイン高橋様より

    

インテリアの歴史の中でも、

いろんな紆余曲折があったんだろうな~と想像してたんだけど、

思ったより最初っから、

もうだいぶ猫脚ですな

ですです。

こんなエジプト家具を参考にして、

ゆくゆくは、

ヨーロッパも色んな家具を作っていったので……、

  

ヨーロッパの
\ 『クラシック家具』 /

画像引用元:YUMEORI様より
画像引用元:YUMEORI様より

    

ヨーロッパのクラシック時代には、

獅子脚を元ネタにした

カブリオレ脚の家具がちょくちょくデザインされました。

カブリオレ脚っていうんや!!!

ヤギを意味する『cabra』が語源ですね。

元ネタはライオンなんだけど、

徐々にバリエーションが増えて『ヤギみたいなヒヅメ』がある家具もあったんですよ。

   

画像引用元:アンティーク家具ラフジュ工房様より
画像引用元:アンティーク家具ラフジュ工房様より

      

そんなカブリオレ脚は、

特にロココ時代に大人気になって、

当時の家具はカブリオレ脚だらけになりました。

流行った時代があったんや!!

今みんながイメージしている猫脚は、

ロココ時代のものが多いんじゃないかな。

    

ロココ様式の
▼『カブリオレ脚』▼

画像引用元:アンティーク家具Handle様より
画像引用元:アンティーク家具Handle様より

    

『ロココ』って言葉、

ときどき聞く気がしますな。

ロココっていうのは、

どちらかというと新しめのクラシックスタイルね。

厳密に言うとややこしい概念なんだけど、

とりあえず今はフーンと思ってて。

了解!!!

今回の主題に集中します!!!

     

ロココ様式の
▼『カブリオレ脚』▼

画像引用元:アンティーク家具Handle様より
画像引用元:アンティーク家具Handle様より

    

なんにせよ、

西洋クラシックにおける猫脚は、

古代エジプトのファラオが使った、

権力誇示のためのライオン椅子が大きなルーツなんですよ。

イメージは分かるんだけどさ、

『ライオン』とか『ヤギ』とか言ってて、

『猫』ってキーワードは

最後まで出てこなかったですな?

   

ロココ様式の
▼『カブリオレ脚』▼

画像引用元:アンティーク家具Handle様より
画像引用元:アンティーク家具Handle様より

      

実はスタート地点であるエジプトから

『比較的近かった』ギリシャ・ローマを経て、

ヨーロッパ全土には、

わりと自然に獅子脚が広がっていったんだけど。

ふむふむ?

日本などの東洋エリアには、

はるばるシルクロードを通って伝わったから、

ライオンなんて見たことない!」

……という国を経由したんだよね。

         

これが本当の
▼『猫脚』だ!▼

画像引用元:木下家具様より

     

「ライオンって何?」

「知らねえ」

「猫で良いんじゃね?」

「そうだな!!」

かくして、

日本の座卓はニャーンな猫脚デザインになりました。

嘘でしょ!?

日本人が、

西洋のカブリオレ脚のことまで猫脚と呼んじゃうのは、

ひょっとしたら、

これが原因なのかもしれません……。

    

▼参考▼

椅子の物語 名作を考える

【猫脚のネコチャン化】

『ちなみに、この椅子の脚に獅子を表わすスタイルは、中近東からシルクロードを通って東洋にも伝えられたが、伝播の間に実際の獅子を知る人も少なくなり、その表現はやわらかいものとなって、とうとう、今日日本の座卓にも見られるような、内側に屈曲した猫脚になってしまった。』

※※※
引用元
『椅子の物語 名作を考える』
p65~66より

         

【家具の歴史】:猫脚はどうやって作るの?

     

インテリア有名人
▼『ミヒャエル・トーネット』▼

画像引用元:ヤマギワ オンラインストア様より
画像引用元:ヤマギワ オンラインストア様より

       

インテリア界では有名な!!

ミヒャエル・トーネットという人物がいます!!

曲木のチェアを発明して、

……家具の革命を起こした偉人ね。

クラシックとモダンの境目、

『インテリアのカンブリア紀』に活躍した人物ですな。

よく覚えてますね、素晴らしい!!

   

インテリアの
▼『カンブリア紀』▼

        

ですが逆に考えると、

人類が木を曲げられるようになったのは、

『インテリアのカンブリア紀』からの話なのでございます。

あれ?

でもそれっておかしくない?

トーネットが曲木を発明するまで、

木は曲げられない前提でした。

ならばクラシック時代、

曲木をせずに猫脚を作っていたことになります。

   

トーネットの曲木は
▼『もっと後』の時代▼

画像引用元:TSUKU-HAE様より
画像引用元:TSUKU-HAE様より
画像引用元:TSUKU-HAE様より
画像引用元:TSUKU-HAE様より

           

じゃあ猫足みたいな

曲線デザインってどうなってるのか?

実はあれ、

もっとでかい木から削り出して作ってるんですよ。

力技すぎる。

木のカタマリを彫りこんでいって、

おおまかに猫脚の形を作ってから、

表面にこまかく彫刻して完成させるんですよね。

    

現代でも作るの
▼超タイヘン▼

画像引用元:Classic to Modern様より
画像引用元:Classic to Modern様より
画像引用元:Classic to Modern様より

      

北欧の名匠『フィン・ユール』も、

もともとは彫刻家に憧れていた家具デザイナーだし、

TECTAの立役者『ブロッホイザー氏』も、

もともとは彫刻家に憧れていた家具デザイナーです。

そんな経緯が。

『彫刻家の志望者』が家具デザイナーになるなんて、

今の感覚では意味不明かもだけど、

昔の家具ってマジで彫刻と近い関係にあったのよ。

   

家具の彫刻家
▼『フィン・ユール』▼

画像引用元:PR TIMES様より
画像引用元:CONNECT様より

      

TECTA立役者
▼『アクセル・ブロッホイザー氏』▼

画像引用元:HILLS LIFE様より
画像引用元:アクタス様より

        

「クラシック時代よりも」

「モダン時代のほうが」

「家具を安く作れるようになりました」

……なんて言いつつ、

「名作家具が一脚10万円!!」

「どうなっとるんじゃい!!」

……というご感想がよくありますが。

我も思いますよ?

     

『モダン時代』の家具も
▼10万円とかします▼

画像引用元:Herman Miller Japan様より
画像引用元:Carl Hansen & Søn様より
画像引用元:The Conran Shop様より

      

気持ちはすごく分かるんだけど、

でもクラシック時代の家具って、

彫刻作品くらい高級品なんですよ。

ふむ。

『一点一点手作りした』

『人が座れるサイズの彫刻作品』

……と比べたら、

モダン家具ってだいぶ安くなってるんですよね。

猫脚は金持ちの家具!!

まさに『クラシックらしい』インテリアなんですな!!

  

▼参考▼

名作椅子の由来図典

【家具作りの一例】

『ビーダーマイヤー様式の家具には、ゆるやかな曲線が多用されていた。』

『木を曲線に仕上げる方法としては、安い木材を削り出してカーブを付け、それを一枚一枚貼り合わせた後にマホガニーなどの高級材を貼って仕上げるというのが一般的だった。』

『これでは、手間と時間がかかって仕方ないと考えたミヒャエルは、効率化をはかるために曲げ合板(現在の成型合板の原型)の製法を編み出した。』

※※※
引用元
『名作椅子の由来図典』
p100より

      

【家具の豆知識】:クラシック時代の猫脚でした。

   

おしゃれな
\ 『猫脚家具』 /

画像引用元:YUMEORI様より
画像引用元:YUMEORI様より

       

というわけで!!

初手エジプトからヨーロッパ全土に広がり、

ロココ時代に

最盛期を迎えたカブリオレ脚!!

カブリオレって言葉自体、

今日初めて知りましたわ!!

    

おしゃれな
\ 『猫脚家具』 /

画像引用元:YUMEORI様より
画像引用元:YUMEORI様より

    

実は作るのが、

すご~く大変なデザインだったんだけど!!

特注の彫刻アートみたいなもんですな!!

だけどだからこそ、

庶民にはとても手が出ない、

とても貴族らしい家具だったんだよ、

……というお話でしたー!!!

    

おしゃれな
\ 『猫脚家具』 /

画像引用元:YUMEORI様より
画像引用元:YUMEORI様より

     

あと『猫脚』という言葉そのものね!!

まさかあんな由来があったなんて!!

カルチャーショックでしょうとも!!

日本人のインテリア知識って、

『ほんま適当やなあ~』という気持ちと、

ヨーロッパからクソ遠いから、

『仕方ないのかもな~』という気持ちと心が二つありますわ。

わかる。

     

▼参考文献▼

名作椅子の由来図典

    

世界が見えてくる身近なもののはじまり

             

椅子の物語 名作を考える

        

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