【モダンって何？】：YouTuberは教えてくれない『モダニズム入門』｜初心者向け【インテリアの基礎知識】

『ダサい家具はダメですよ～』

『モダンな家具を選びましょう～』

……モダンって何？

実際あなたにとって、

『モダンなインテリア』ってどんなイメージでしょうか？

オブラートに包め。

え～～よく誤解されるんですが、

あれは下品ではなく『上品の究極系』です。

自分とは趣味の合わない

東京のモンスターが住んでるお部屋のことでは決してなく、

どんな部屋作りにも関わってくる、

めちゃくちゃ重要な『家具の基本形』がモダンなんですよ。

本当は『インテリアの大原則』なのに！！

びっくりするくらい誰も教えてくれないアレのやつ！！

モダンとは何なのか？

誰でも説明できるように言語化して参りましょう！！

世間一般では《モダン》と言いますと、

『今風の』とか

『現代的な』とか

『モードな』みたいな、

最先端でトレンディーなニュアンスを形容する言葉ですよね。

ですがインテリアの世界では、

『モダニズム』のことを指してモダンと言います。

実は『インテリアのジャンル分け』って、

一番大きく分けると2種類しかありません。

《①クラシック》

《②モダン》

……この2種類ですね。

この①②のうちの、

《②モダン》の方ですよ

ということを伝えるのが、

『インテリア業界』のモダンという言葉なんです。

人類は『紀元前』から

ウン千年の長い間ず～～～～っと、

『職人が作る』『格調高い』『伝統的な』

インテリアを楽しんで暮らしてきました。

それそれ。

『歴史の教科書』に載ってるような、そういうやつね。

そんな時代に『新しい建物』を建てたいときって、

『教会を建てよう！』『じゃあゴシック建築だな！』

『市庁舎を建てよう！』『じゃあ新古典主義様式だな！』

……みたいに、歴史の中から選んでスタイルを決めていたんです。

これが《①クラシック》。

長いインテリア史の『ほとんど全部の期間』がコレね。

んで『西暦1800年代』くらいまでは

ず～～っとクラシックの世界だったんだけど、

そこで《産業革命》が起こりました。

産業革命で『大量生産』ができるようになって、

人々の暮らしは豊かになった面もあるのですが……、

人類はここで初めて、

量産による『チープな商品』『チープなデザイン』を目の当たりにしたんです。

産業革命のおかげで、

『鉄・ガラス・コンクリート』が大量に使えるようになって！！

『鉄筋コンクリート造』も発明されて、

家具も建築も自由なデザインが作れるようになったのに！！

――なのに！！

建築は『過去の様式』をマネするばかり！！！

世にあふれる商品は『チープな粗悪品』ばかり！！

ここで「ちょっと待てよ」という活動が

世界中で同時多発的に沸き上がったんです。

今こそ『デザインというもの』を、

ゼロから考え直してみるべきではないか？

過去のことはいったん全部忘れましょう。

『産業革命の技術がある前提で』

『この文明にふさわしい新様式を』

『ゼロから考えなおしてみましょう』

これがモダニズム運動。

この思想で生まれた家具が《②モダン》の家具ね。

……という経緯により、

『家具・インテリア』を大きく分けると2種類になるんです。

『モダニズム以前』のものがクラシック家具、

『モダニズム以降』のものがモダン家具ね。

モダニズムのデザイン、

一番大きな特徴は『伝統的な装飾』の否定です。

クラシックの時代って、

『装飾こそが美しさ』という考え方だったんです。

食器は『金銀細工で飾りましょう』

家具は『柄物ファブリックで覆いましょう』

壁や天井は『彫刻でデコボコにしましょう』

『素材そのまま』の状態が一番ダサい。

『装飾の追加』をすればするほど美しい。

……そういう価値観が当たり前だったわけね。

そこへ流星のごとく現れたモダニズム。

『形態は機能に従う』……機能主義を提唱しました。

デザインは『機能のため』にあってこそ美しく、

意味のない装飾は不要だと考えたわけですね。

ビックリしちゃうでしょ。

実は『機能美』って、

最初からみんなが持っていた感性ではないんですよ。

クラシックの時代だって、

『装飾ハデハデ』なクラシックが流行したり、

『装飾控えめ』なクラシックが人気になったり、

……ハレ感を求めるトレンドの変遷はあったんだけど、

ここまで極端に

『機能のない装飾が否定された』のは人類史初なんです。

かくして！！

過去の『インテリアの歴史』を全部ひっくり返した、

モダンの新世界が生まれたのでした。

家具や調度品は、

『機能に従って』『余計な加飾はナシ』！！

建築もシンプルに、

鉄・ガラス・コンクリートで作った『四角い箱』に住みましょう！！

《①クラシック》は装飾を尊重する価値観

《②モダン》は装飾を否定する価値観

……これが一番大きな違いですので覚えておきましょうね。

食器に『絵柄』が描いてあるのが当然だった時代、

柳宗理が問屋さんに『無地の陶器』を持ち込んだら、

「絵付けはこれからするのか？」

という質問をされてしまった、なんてエピソードまでありますよ。

というわけで！！

『家具・インテリア』は大きく分けて2種類！！

よく言われるモダンという言葉は、

このカテゴリー分けの《②モダン》を指しています！！

『なんか都会的な雰囲気』

……という意味ではないから勘違いしないように！！

『加飾こそ美しさ』がクラシックの価値観！！

『機能美こそ本質』がモダンの価値観！！

とかくミニマリズムがもてはやされる昨今ですが、

『足し算』の美学も、

『引き算』の美学も、

人類史にはどっちもあるんだよ！！

せっかくだから『カーテンは柄物』！！

せっかくだから『ボディバッグはツートンカラー』！！

せっかくだから『ガンプラは両手に武器』！！

オシャレしたくて足し算しちゃうのは、

わりと『人類普遍の感覚』です！！

装飾を『足す方が豊かなのか』

装飾を『引く方が豊かなのか』

……これはインテリアの歴史で数々の偉人たちが議論してきた難題であり、

そう簡単に『どちらが正解』と割り切れる話ではありません。

少なくともその辺にいる

マッシュルーム頭の大学生が、

『レスイズモア（少ない方が豊か）』

などと軽々しく断言できるものではありません！！

でも、だからこそ、

『クラシック』と『モダン』のどちらの価値観で今は話をしているのか、

……という意図を伝えるために、

モダンという言葉が役に立つわけですね。

そゆことでございます！！

それでは最後に！！

モダンを見分けられるかクイズをして終わりましょう！！

↑こちらのお部屋はどうでしょう！！

OKオーケー、ばっちりです！！

↑では、こちらは如何でしょう！！

良い調子です、大正解！！！

それでは『ラスト』参りましょう！！

↑こちらのお宅はどうでしょう！！！

パーフェクト！！！

素敵な『モダンインテリア』生活をお過ごしください！！