【初心者向け解説】：『どんなデザイン』がモダンなの？｜モダンインテリアの基礎知識【幾何学デザイン・抽象化】

そうそう、復習ばっちりですよ！！

おお！！　良いところに目を付けましたね！！

素晴らしい質問です！！

『素朴な疑問が浮かぶ』というのは、インテリア界では超絶レアスキルですよ！！

ゼロから様式を作るといっても、

伝統の否定だけでは『引き算』のみ！！

何かしらのデザインを『足し算』しなければ、

いつまでたってもゼロのままのはずですね！！

本日は！！！

モダニズムの『家具・雑貨』が持っている！！

デザインの特徴について覚えましょう！！

まず大前提。

『伝統的な装飾の否定』と聞いて、

ぜったい頭に浮かんだ感想がありますよね？

ですよねッ！！！

実はモダニズム、

過去の様式にとらわれた『伝統的な装飾』は否定したけれど、

色柄を楽しむ気持ち自体は否定しておりません。

まぁ『禁欲的すぎると息苦しい』というのは

ちゃんと当初から課題視されておりましたし、

そもそも『世界中で』起こったデザイン運動なので、

その主張も一枚岩じゃなかったんですよね。

基本線としては『機能美が大事』とした上で、

装飾を『犯罪のように否定』した人もいるし、

装飾も『ちょっとならセーフ』とした人もいるし、

口では『装飾はダメ』と言っておきながら、

実際にデザインした建築は装飾バリバリだった人もいます。

ただ一貫して共通しているのは、

色柄を『楽しんではいけない』ということではなくて、

色柄についても、

伝統をマネするのではなくゼロから考え直せってことなんですよ。

「色柄って究極的には何だろう？」

「どんな構成要素が最小単位なんだろう？」

マジの本気で

色柄という概念を『ゼロから』考え直した結果、

モダニズム学校バウハウスは、

『四角形・三角形・円形』と『赤・青・黄』こそが色柄の根源要素ではないかと考えました。

ちなみに『一枚岩ではない』世界には、

もっと堅苦しい連中もいましたよ。

↑オランダのモダニズム集団《デ・ステイル》は、

カラーの根源要素は『赤・青・黄』の三原色、

デザインの根源要素は『垂直線・水平線』と定めたのですが。

いくらか拡張性を高めようと

1924年に『対角線（ナナメ線）』も追加しようとしたら、

構成員のモンドリアンがブチ切れて、

《デ・ステイル》を離脱しちゃったなんてエピソードもあります。

この《デ・ステイル》の流れをくんでいる有名人が、

オランダのデザイナー『ディック・ブルーナ』です。

ミッフィーちゃんを作った人ね。

『ミッフィーちゃんの世界観』を思い出してみて下さい。

『最低限の線』と『原色に近い色使い』、

限りなくモダニズムな要素でキャラデザされてますよ。

おしゃれな人って、

ファンシーグッズの中ではミッフィーちゃん派が多い印象なんですけれど、

これは先天的なセンスでミッフィーちゃんから

『モダニズムの遺伝子』を感じ取っているのかもしれませんね。

という流れがありますからして！！

単に『絵画』って言われると、

風景画とか人物画とかがイメージしやすいと思うんだけど。

ですがモダンのデザインっていうのは、

布教目的で豪華になっていった『宗教画』のような方向性ではなく、

モダニズムの方針に則って、

色柄という物を『ゼロから見直した』結果として生まれた……、

デザインの根源要素としての

『線』とか『シンプルな色』とかで構成される幾何学デザインが基本です。

必ずしも、

《バウハウス》や《デ・ステイル》が考えたような……、

『タテ線・ヨコ線だけ』とか、

『赤色・青色・黄色だけ』とか、

律儀に全てのルールを守る必要はありませんが！！

モダニズムのデザインは、

技巧を凝らした『写実的な画風』や、

神技の筆捌きで描かれる『複雑な表現スタイル』などではなく、

純粋な『形そのもの』の面白さとか、

純粋な『色そのもの』の味わいを楽しむような、

デザインの初心に立ち返る性質を持っていることは、ふんわり覚えて頂けましたら幸いです。

そんな『根源的なデザイン』で、

いったい何ができるのか？

色々できるんですけれど、

代表例として『抽象化（ちゅうしょうか）』があります。

抽象化っていうのは、まあ、

オタク用語で言うところの『概念』みたいなものですよ。

↑こういうイメージね。

ツインターボ『本人』と、

ツインターボ『概念』の具体例です。

本人を100％ぜんぶ表現するんじゃなくて、

本人を表しているコアの要素を抽出して、

そのコア要素だけを、

『幾何学デザイン』や『対応した色』を使って再表現してるわけ。

クラシック時代は建物の壁に、

ものものしい『神様の彫刻』とか彫られていたんだけど、

モダニズムの過渡期には、

抽象化された『図形柄』を彫るように変化したりしていますよ。

こういった抽象化は、

アートや建築だけでなく『家具・雑貨』にも影響が及んでおります。

そうそう、そういうこと！！

↑例えばこういう照明、キライでしょ？

ですがこれは決して、

無から生まれたオシャレの暴走などではなくてですね。

↑……とまあこんな感じに、

クラシック時代の『伝統的なシャンデリア』を、

モダニズムの文脈で抽象化して、

『現代に合わせた』技術と素材で再構築してるわけですよ。

分かればええんやで。

というわけで！！

いわゆる《モダンなデザイン》というのは！！

モダニズムの精神に従って！！

色柄の『根源要素』や『抽象化』でデザインを再構築した事情から！！

線やカラーで『すごいもの』を描くんじゃなくて、

線やカラー『そのもの』の魅力を楽しむような、

意匠の原点に立ち返る感じのデザイン群を指しております！！

アートにつけ建築につけ、

モノ作りってのは作者さんごとの考えがあるから！！

本当は『一括り』には決めつけられないんだけれど！！

『インテリアの』世界で、

『消費者側の』我々が、

『モダンなアートだね』という言葉を使う場合は！！

『伝統の様式を否定した』

『根源デザインのアート』

『抽象化デザインのアート』

……というニュアンスでほぼ間違いありません！！

根源デザインだけが『正義ではない』ですが！！

根源デザインであるほど『モダン度が高い』傾向はありますので！！

色んな家具や雑貨、はたまたアートなんかの

『モダン度を見極める』判断基準に使って頂けましたら幸いです。

まずは悪ふざけからでも良いから！！

日常の中で小さなモダンを見つけてみてね！！

『理想のお部屋』を分析したいとき！！

『自分のお部屋』にモダン要素を足したいとき！！

よかったらこんなデザインの見分け方も

うまく活用して下さいませ～～。

それでは本日も！！

『モダンか』『モダンじゃないか』クイズで終わりましょう！！

↑まずはこちらから！！

こんなアートは『モダン』でしょうか！！

正解正解！！！

ちゃんと理解できていますね！！

↑お次はこちら！！

こんなアートは『モダン』でしょうか！！

その判断でオーケーです！！！

賢すぎて固定資産税がかかりそうですよ！！

↑ではラスト！！！

こちらは『モダンなアート』でしょうか！！

大正解ッ！！

素敵な《モダンインテリア》生活をお過ごしください！！