(画像引用元:TVアニメ『SPY×FAMILY』公式様より)
【スパイファミリー】:ミッドセンチュリーの時代と名作家具を解説



家具のブログとか読んでると
《ミッドセンチュリー》って言葉がよく出てくるんですけど、

けっきょく何のことなんですかね?

みんな分かってるふりして格好つけてるのに!!
恐ろしい子……!!!
《ミッドセンチュリー》の
▼漠然としたイメージです▼



カラフルポップ&レトロフューチャー!!!

マニア向けに見えるかもしれませんが、
インテリアの基礎に関わる重要なキーワードですよ!!

大事っぽいことだけは分かります!!!

本日は、
《ミッドセンチュリー》及び《ミッドセンチュリー家具》につきまして!!



かりそめだらけのホームコメディー!!
『SPY×FAMILY(スパイファミリー)』で理解を深めましょう!!!

うおおおおおビッグタイトル!!!!!
いいですね早速始めましょう!!!!

待て!!!

な、何か見落としが……?



まずは原作に敬礼だ!!

フォージャァァァァァァ――――ッッッッ!!!!!!
エレガンヌャス!!!!!!!!!!!!

【まとめ】
よく耳にする《ミッドセンチュリー》という言葉は、
マニア用語ではなく『インテリアの歴史そのもの』です。
アニメで学んで理解を深めましょう!
【ミッドセンチュリーの特徴】:『新技術・新素材』を応用した家具
『ミッドセンチュリー』という言葉の
▼意味は分かりますか?▼



まず大前提!!!

ミッドセンチュリーというのは、
ミッドの(中間の)
センチュリー(世紀)
……のことでございます!!!

ホウ!!!!

1900年と2000年の『中間』を指す言葉であり、
具体的に言うと……

西暦1950年くらいのことをミッドセンチュリーと呼びますよ。
ミッドセンチュリーとは
▼『どんな時代』でしょう?▼



さて、では1950年ってどんな時代だったと思います?

べんきょーやぁ~~~~!!!!!

当ブログではアーニャのモノマネ禁止です。

なんで?



世界史で大きな出来事があったでしょう。
1945年に『第二次世界大戦』が終戦したんです。

そうだったかもしれません!!!

1950年といったら、そのすぐ後です。

ミッドセンチュリー期のインテリアってのは、
平たく言うと『戦後の時代』のインテリアのことなんですよ。
大きな歴史的な出来事は
▼『終戦』です▼



ではその戦争が、
インテリアの世界に『どんな影響』を与えたのか?

まず一つ。
『戦争で生まれた技術革新』を家具にも応用できるようになったんです。

色んな業界でそういうのあったっぽいですね。

具体的な例を挙げると、
特に大きいのが『3次元曲面成形合板』技術ですね。
合板を『プレスして』
▼立体的なカタチに加工する技術です▼




↑《レッグスプリント》と言って、
コレ負傷者の足にあてる添え木なんですけれど。

はいはい、骨折したときに患部を固定するやつね。

脚のカタチに合わせた『3D曲面デザイン』になってるでしょ?
こいつの開発で培われた技術のおかげで……、

これまで作りにくかった立体的な曲面デザインの家具が
《ミッドセンチュリー期》にたくさん生まれたという逸話がありますよ。

そんなに具体的な元ネタがあるんや!!!
戦前の家具は
▼シャープな『直線デザイン』▼


戦後の家具は
▼やわらかい『曲線デザイン』▼


すべての家具に使われているわけではないですが、
3D曲面デザインに『ミッドセンチュリーらしさ』を感じる方も多いでしょう。

イメージありますねえ!!!

他にも『強化プラスチック』や『アルミ』などなど、

素材面でも、
『戦争で生まれた技術』が積極的に採用されていますよ。

『デザイン』も『材料』も新しい要素ばっかり!!
プラスチックやアルミなどの『新素材』も
▼活用されましたよ▼



ということで、
ミッドセンチュリー家具の特徴……1つ目は《新技術の採用》です。

もともとは『戦争の技術だった』という正体を隠して、
今も上手に日常生活に溶け込んでいるわけですね。

ちちうそつき。

モノマネ禁止だっつってんだろ!!

だからなんで!?


【まとめ】
■ミッドセンチュリーとは
『1950年ごろ』『戦後』のこと。
■戦争の技術を平和転用して、
『3D曲面デザイン』
『新素材(FRPやアルミ等)』
……の家具がたくさん生まれた時代。
【ミッドセンチュリーの特徴】:庶民のため『格安・量産』の家具
《ミッドセンチュリー》の特徴
▼2つ目です!▼


《ミッドセンチュリー家具》の特徴、2つ目!!

生活が苦しい中、
かわいい弟になんとか普通の暮らしをさせてあげるための家具です!!

ほほーっ!!!!!
家族が普通に暮らせるのは
▼大切です▼



もともと『昔ながらのちゃんとした家具』ってのは、

貴族や王族が使う
『家具職人のハンドメイド製』みたいなのが多くて非常~~に高額だったんですよ。

威厳を見せびらかすために『玉座』に座ったりするアレですね。
伝統的な『チッペンデール様式』の
▼アンティークチェア▼


チッペンデールを現代風に『リ・デザイン』した
▼レッドチェア▼


戦後のミッドセンチュリー期には
復興のためにたくさんの家財が必要だったため、

『原材料とデザインの見直し』や『製造方法の省力化』など、
様々な形でコストカットが検討されました。

ふむりふむり、道理ですわな。

その中でも特に象徴的だったのが、
《ノックダウン方式》と呼ばれる家具の製造方法です。
今までになかった
▼『新しい提案』が生まれました▼



職人さんが一つ一つの家具を
かかりっきりで作るんじゃなくて、

みんなで分担してパーツを作って、
最後に合体させて家具を完成させることを《ノックダウン方式》といいます。

あぁ~~『組み立て家具』ってこと!?
まさに量産って感じですね!!!
家族の生活のためには
▼バラバラにすることも必要でした▼



これなら作業員を増やせるから製造スピードを上げられるし、
輸送費も安くすることができます。

え、なんで輸送費が安くなるの?

現代の配送サービスとかの
『送料』をイメージしてみて下さい。
パーツを『自宅』に送って
▼お客さんが組み立てるのもノックダウン▼



工場で《椅子》を完成させて
『大型運賃』でショップに発送するよりも、

工場では《パーツ》だけ作って
『普通便』でショップに送って店舗で組み立てる方が送料安いんよ。

そりゃそうか!!!
『脚だけ』共通パーツ
『座面』は新デザイン
▼みたいな工夫も組み立て式ならでは▼


※本体と脚との『接続部』が
規格化されています。

そんなこんなで、伝統派の反対も押し切りつつ
『ノックダウン方式』を積極的に取り入れたミッドセンチュリー家具は、

『貴族の持ち物』だった家具を
『庶民の生活』に普及させるための、
安価で量産しやすい性質を持っていたわけですね。

ほーんほーんほーん!!!
一般的な仕事をしている
▼『普通の人妻』でも手が届くようになりました▼



でもミッドセンチュリーの名作椅子とかさ、
普通に一脚100,000円とかするし別に安くなくない?

お殿様が座ってる椅子、
農民が半年ごとにボーナスで買って座ってたら打ち首モンだぞ。

元から考えたら安いのかコレ!?


【まとめ②】
■ミッドセンチュリー家具は
組み立て式の『ノックダウン方式』を採用した。
■安価で生産しやすいことで、
『庶民』の間にも普及することができた。
【ミッドセンチュリーの特徴】:未来のため『明るく・楽しい』家具
《ミッドセンチュリー》の特徴
▼ラストです!▼



ラスト3つ目です!!
《ミッドセンチュリー家具》の特徴とは!!

未来のための家具ということです!!

どゆこと?
『未来のため』の
▼家具なのです!▼



インテリアの発祥は『描けば出る』。
人は自宅の内装に願いを込めるものでございます。

原始人が壁画に『狩りのエモノ』を描くのも、
メソポタニア人が絨毯に『水や草』を織り込むのも、
コロナ禍で『アウトドアインテリア』が流行るのも、全部同じです。

はいはい。
そういった『世相が』ミッドセンチュリーのインテリアにも反映されてるってことですね。
『戦後の世相』なんて
▼これ以上ないくらい暗い時代です▼



時は戦後復興のど真ん中。
『帰還兵』であふれた町は、未来を感じさせるような先鋭的で楽しいデザインを求めました。

インテリアのトレンドって、
不景気な時ほど明るく元気になれるような要素が好まれるんですよ。

ミッドセンチュリーの家具に
カラフル&ポップな色使いが多いのってそういう事情もあるんですね。

しかもカラフル&ポップは、
前述の『新素材』『3D曲面デザイン』との相性も最高ですからね。
『カラフル&ポップ』と
▼新技術は相性抜群▼


狭い住居で暮らすため
▼『デザインの軽さ』も喜ばれました▼



あ~~それこそまさに、
『時代が求めていた』アイテム達だったんでしょうねえ~~。

『戦争の技術』もこっそり活用してるけど!!!
伝統派に文句言われながら『大幅なコストカット』もしたけれど!!!

どれもこれもすべては
子供が泣かない世界のためなんですよ!!!

ドキンコメーターMAXですね!!!!!
どれも『新しい時代』に
▼ふさわしいデザインでした▼


かくして、
『①新技術が使えて』
『②安価に作れて』
『③デザインも今っぽい』
……という条件が重なったことにより!!

歴史と『暮らしの必然』というバックボーンですな!!

1950年前後の時代には、
ミックスナッツのようにバラエティ豊かな『名作家具』が次々と生まれ!!

のちにそれらは、
《ミッドセンチュリー家具》と総称されるようになったとさ。




エレガント……ベリーエレガント……。

エレガンスが伝統を作るのです……。

ヘンダーソン先生のモノマネはいいのかよ。


【まとめ③】
■インテリアの流行は
『世相』を反映している!
■戦後のミッドセンチュリー期には、
『明るくポップ』な家具がたくさん生まれたよ。
【ミッドセンチュリー期の名作家具に】:興味を持ってみて下さいね。


というわけで!!!
《ミッドセンチュリー》というのは!!!

赤とかオレンジとかの
『なんかレトロで派手な家具のこと』……ではなく!!!

あいあい!!!
『間違ってる』わけじゃ
▼ないですよ!▼





戦争という大事件の影響で、
家具にまったく新しい『仕様や発想』が生まれたインテリアの歴史の転換点であり、

かつその変化をデザインに盛り込んだ、
象徴的な意匠の『名作家具』がたくさん生まれた時代のことなのでしたーッ!!

物事にはちゃんと理由やルーツがあるんですなあ!!!
またひとつ
▼かしこくなりましたね!▼


そんな歴史を持った《ミッドセンチュリーの家具》たちは、
今も変わらず販売されています!!!

IKEAとかニトリみたいな廉価品もいいんだけど、
当時の最低限のクオリティとは根本的に別物なので、機会があったら名作家具にも興味を持ってくださいませ~~。

庭から石油が湧いたら考えます~~。
上手に作戦を立てて
▼無理のないインテリア計画を!▼



以上!!!
興味の入り口として、《ミッドセンチュリー》という言葉に少しでも親しみを感じて頂けましたら幸いです!!!

皆様、どうぞ平和を大切に!!!!

それな。
スパイファミリー公式
▼アーニャのうた▼
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望まれない方はサイト外でお買い物を楽しんで下さいませ~。
関係ありそうな
記事
またまた業界の誰も説明しない切り口からありがとうございます。
とってもためになりました!
正確な知識を増やしていくことも自分の「好き」を絞り込んでいく上で大切ですね。
さすがです!
つきみチコさんいつもありがとうございます~~!!!!
ですです!!!
インテリアには色んなジャンルがありますが、『どんなジャンルが』『どんな意味なのか』を知らないのに『好きなテイスト』なんて選べません……
必ずしも型にはまる必要はないですが、少しでもご自身の好みを理解するきっかけになれましたら嬉しいです!!