【カスの美術史】:現代アートって何やねん?
『現代アート』って
\ なんなの /




『モダンアート』と、
『クラシックアート』との、
……2種類しかないって言ってたじゃん。

言うたで。

じゃあさ。
【現代アート】って何?

……ギクリ!!
『現代アート』って
\ なんなの /




ええとですね。
実はアートは『クラシック』『モダン』ときて、

その後に、
【現代アート】というラストステージに進んだんです。

嘘つきじゃん!!

いや、あのね!!
現代アートはね!!

もはや、
インテリアじゃない世界なんですよね……。
『現代アート』って
\ なんなの /




というわけで!!
本日のお題は【現代アート】です!!

どこまでもカスな美術史!!!

インテリアとの関係は薄いけど!!
知らないのも気持ち悪いと思うので!!

軽~く触れておきましょうね。
【現代アートの歴史】:アートを全否定するダダイズム
モダンの学校
\ 『バウハウス』 /




インテリアの世界では!!

世界大戦があった後に、
「モダニズムって便利やな~」となりました。

前にも聞きましたな、

もともと人気のなかったモダニズムが、
戦後の復興でやっと定着したみたいな。

ですです。

『暮らし・住まい』の領域では、
それがそのまま現代につながってるんですけど。
とっても
\ 『モダニズム』 /





だけどアートの世界では、

世界大戦が起こった結果、
『さらに次の段階』に美術運動が進んだんです。

まだ先があったんや!?

モダニズム・抽象絵画は生まれたけれど、
いざ戦争を目の当たりにしてしまった人々は、

『アートって、このままでええんか?』
……と考え込んじゃったんですよ。
アートは
▼『次のステージへ』▼




ステキな未来を目指して、
がんばって文明を発展させてきたのに!!

その結果として、
サイアクの世界大戦が起こったんですけど~?

ああ、それは病んじゃうかもね。

そうして生まれた、
新しい思想が【ダダイズム】です。

ダダイズムは簡単に言うと、
『アンチ戦争』
『アンチ芸術』
……みたいな運動ですよ。
新しい潮流
▼『ダダイズム』▼



人間には、
理性があるから戦争が起きたんや!!

理性なんて破壊するべき!!
理性なしで芸術を作るべき!!
……というのがダダイズムね。

過激派ですな。

そもそも、
ダダイズムという名前からして、

「理性で名付けてはいかん!!」
「辞書をテキトーにめくろう!!」
「あ、DADA(木馬)って書いてある!!」
「ダダイズムだぜ~ッ!!」
……みたいな流れで命名されましたよ。
理性を破壊する
▼『ダダイズム』▼



そんなダダイストが好んだのが、
『コラージュ』という技法です。

新聞とか写真とかを、
切り抜いて貼りなおすやつね。

『雑コラ』の、
『コラ』の部分がコラージュですな。

コラージュは、
『もともとの作品をいったん破壊して』
『作者の意図とは違った作品として作り直す』

……というニュアンスで
理性の破壊をしているわけですよ。

ホウホウ!!
理性を破壊する
▼『ダダイズム』▼



そんな考え方のダダイストにとっては、

過去の名作アートなんて、
理性で作られてるから『ぜんぶ雑魚』でした。

本当に過激派ですな!!

ダダイストは、
これまでのアートを全否定するからこそ、

「じゃあアートって、」
「そもそも何やねん?」
という哲学にも積極的に攻め込んでいくことになります。
伝説の作品
▼『トイレの便器』▼



いちばんヤベエのが、
マルセル・デュシャンの『泉』という作品。

トイレの小便器をポンと置いて、
「アートです」って言ったやつ。

うおおおおおおおお!!!
試されてる感じがすごい!!

これは遠回しに、
「アートって既製品でも良くね?」
「アートって美しくなくても良くね?」
という異論を訴えてるようなもんでして、

ようするに、
『理性で成立していた』
『アートの定義そのもの』
……を破壊しようとするような野心作だったんですよ。
じゃあもう
\ なんでもアリだ /




この便器のせいで、
アートの世界は大きく変化しまして、

良く言えば『自由度』が高まったし、
悪く言えば『無法地帯』になっていったんですよね。

すごく個人的な感想だけど、

『きれいなヒマワリ』みたいな、
昔ながらのアートの方がワイは好きですわ!!
▼参考文献▼

【過去から脱却するダダ】
“芸術の手法や理念といったものは過去における実践・経験の積み重ねによって形成されてきたものである。だから習慣化された方法による創造はなんらかのかたちで過去の思想が染み込んだものになる。これは言葉の本来の意味において創造とは言えないであろう。”
“真に新しい,過去の手垢のついていない作品をつくるには,一切の伝統的要素を排除しなければならないということになる。この場合,人間の理性すら用いるべきではないのである。”
“というのも理性でさえ,その内容は,すでに過去の文化を養分として育てられてきたものだからである。”
※※※
引用元
《ダダ・シュルレアリスムを学ぶ人のために》
第1部『ダダ・シュルレアリスムの運動』
p21より
【現代アートの歴史】:無意識のシュルレアリスム
これが
\ 『ダダイズム』 /



そんなダダイズムですが、
あんまり長続きしませんでした。

そうなの?

ダダイズムの基本は『理性の破壊』だけど、

理性を破壊するアートって、
思い付かなくてすぐネタ切れしたらしいです。
ダダの次は
▼『シュルレアリスム』▼



そんなダダの次に生まれたのが、
シュールの語源『シュルレアリスム』です。

ダダの親戚というか、
ダダからのルート分岐というか、
とにかくダダと関連の深い美術ジャンルでしてな。

ホウホウ?

戦争なんて起きてしまったから、
「現実はカスである!」というのを前提にしつつ、

ダダイズムは『現実の否定』をしたんだけど、
シュルレアリスムは『現実の模索』をしたんですよ。
\ どういう絵? /




今見ている現実は、
『真の現実』ではない!!

理性なんてものをなくしてしまえば、
『真の現実』にたどり着けるはずだ!!

シュルレアリスム、
まあまあヤバい思想ですな。

じゃあどうやったら、
『真の現実』にたどり着けるのか?

シュルレアリスムは、
理性を介さない『無意識』にこそ真の現実があると考えました。
\ どういう絵? /




ではどんな手法で、
『無意識』を引き出しましょうか?

たとえば『デカルコマニー』です。

あれ、聞いたことあるかも?
デカルコマニーってなんだっけ?

画用紙に絵の具をたらして、
二つ折りにしてから開いたら、

なんかヘンな模様が出来上がるよ~ってやつ。

小学校の図工でやったことある!!
あれはたしかに『無意識』が作り出すアート!!
無意識のアート
▼『デカルコマニー』▼


プラモデルの
▼『デカール』の語源です▼




そしてたとえば『オートマティスム』。

理性を介する暇もないくらい、
『超スピード』で文章を書いたり、
『超スピード』で絵画を描いたりすれば、
……無意識を表現できるのではないかという発想ね。

「くぁwせdrftgyふじこlp」ってこと?

まあ違うけど、それでいいです。

よくねえよ。
無意識のアート
▼『オートマティスム』▼


あと僕が好きなのが、
『デペイズマン』という手法です。

対象のモチーフを、
異なった文脈で見せるやり方ね。

ぜんぜんイメージが湧かんよ。

たとえば、
『テーブルの上』にある、
『フルーツかご』の中に、
『赤いリンゴ』が入っていたら、
それはリンゴの絵だとすぐ理解できるけど、

それって理性を通して、
文脈を予想しちゃってるんですよ。
無意識のアート
▼『デペイズマン』▼


でもそうじゃなくて、

『部屋全体』を覆うような、
『常識はずれな』大きさの、
『緑色のリンゴ』があったら、
……一瞬意味が分からないですよね。

ちょっと見れば、
「ああリンゴか~」って分かるけどね。

そのちょっとの間!!
「ああリンゴか~」って分かるまでの一瞬のあいだ!!

そのときだけは、
先入観のない視点のまま、
理性のフィルターを通さずに、
無意識でリンゴを見れてるでしょ、
……という主張をしたのがシュルレアリスムなんですよ。
\ 飴谷甘太朗? /



なんだこれ~って、

『思ってる一瞬』こそが、
この芸術のメインディッシュってこと?

ですです!!
その瞬間だけが……、

理性のフィルターを通してない、
『真の現実』を味わえてるってことですよ!!

ダダもヤバかったけど、
シュルレアリスムもだいぶ攻めてますな!!
▼参考文献▼

【シュルレアリスムの定義】
“シュルレアリスムとは「心の純粋な自動現象であり,それを通じて口頭,記述,その他あらゆる方法を用いて,思考の真の働きを表現することを目標とする。理性によって行使されるどんな統制も働かない,美学上,道徳上の一切の懸念からも解放された,思考の書き取り」である。”
※※※
引用元
《ダダ・シュルレアリスムを学ぶ人のために》
序論『ダダ・シュルレアリスムと20世紀という時代』
p6より
【現代アートの歴史】:アートを再定義
\ 飴谷甘太朗? /



さて歴史を思い返してみると、

そんなダダ&シュルレアリスムこそが、
【現代アート】の始まりでした。

たしかになんか、
これまでの絵画とは毛色が違うよね!!

さっきもちょっと触れたけど、

こいつらがアート界に、
『どんな新発想』を与えたかといいますと……。
『新時代の』
▼アートたち▼



まず一つ、

芸術作品って、
『手作りじゃなくていい』ということです。

デカい一石を投じましたな!!

既製品の便器だったり、
写真を切り貼りしたり、
偶然できちゃった模様だったり、
……そういう『モノ』を芸術として発表したことで、

アーティストの手作りじゃなくても、
「アートって成立するよね」という視点が生まれたんです。
『新時代の』
▼アートたち▼



そしてさらに、

芸術作品は、
『美しくなくていい』という考えも生まれました。

さっきちょっと言ってましたな。

もちろん小便器なんて、
世間では美しいとされてない製品だったし、

デカいリンゴは、
『絵画そのもの』の美しさではなく、
『二度見する体験』のほうがメインディッシュですからね。
\ どういう絵? /




『手作りじゃなくていい』
『美しくなくていい』
……ならアートって一体何なのか?

そんな悩みの果てに、
アートの定義は『新しい思考を創造するもの』ということになりました。

新しい思考の創造!!

絵画や彫刻である必要すらありません。

「戦争ってダメだよなあ」
「便器がアリなら芸術って何だろう」
「無意識の世界ってどんな感じなんだ」
そんな新しい思考を、たくさん創造できるほど良いアートなのである。
『新時代の』
▼アートたち▼



これが【現代アート】の価値観であり、

だからこそ、
『クラシックアート』とも、
『モダンアート』とも違う、
まったく新しい芸術の世界が広がっていったんです。

ほえ~!!!

アンディ・ウォーホルが、
『既製品のスープ缶』をモチーフに使うとか、
チームラボが、
『インスタレーション』を開催するとか、
前衛的な芸術家の、
『壁に貼ったバナナ』が620万ドルで落札されたとか、

こういうのが全部、
新しい思考を創造する現代アートね。
アンディ・ウォーホル
▼『キャンベルのスープ缶』▼

チームラボ
▼『インスタレーション』▼

マウリツィオ・カテラン
▼『壁に貼ったバナナ』▼


現代アートって意味不明!!
どうしてこんなに評価されてるの!!
……って思っちゃうこともあるでしょうが、

『良い感じの絵』は、
『良い感じだね』で終わってしまうんですよね。

思考を創造できてないんや!!

結論が出しにくい作品のほうが、
たくさんの新しい思考を創造できるから、

現代アートはどんどん、
『よくわかんないほど偉い』世界になっていったのですよ。
▼参考文献▼

【現代アートとは何か?】
“――ムット氏が『泉』を自分で作ったかどうかは、さして問題ではない。重要なのは、彼がそれを”選んだ”ことである。”
“彼は、日常生活のありふれたものを選び、新しい名前と視点によって、その実用的な意味を消し去ったのだ。つまり、彼は、あの物体に対する新しい思考を創り出したのである――”
※※※
引用元
《図説 名画の歴史》
PART2 解説『現代美術早わかり』
p69より
【カスの美術史】:現代アートの歴史でした。
これが
\ 『新しい思考』 /




というわけで!!
そんなこんなの【現代アート】!!

芸術としては面白いんだけど、
インテリアの範疇からは外れちゃっているのでした。

インテリアは、
『絵画や彫刻』を飾って楽しむし、
『美しいこと』を基準にしますものね。

ここで大切なのは、
現代アートが偉い、
モダンアートが偉い、
クラシックアートが偉い、
……ということではなくて、

それぞれの作品が、
それぞれの価値観で、
作られて愛されているのだということです。
これが
\ 『新しい思考』 /




お部屋にアートを飾ってると、
ケチつけてくるネットの人いるでしょ?

「アートは深く考えるためにあるのだ」
「美しさのために飾ってはいけない」
「楽しさのために飾ってはいけない」
……みたいな。

ウチにもそんなコメントきたことある!!

それね~、
言いたいことは分かるんだけど、

『現代アートっぽい価値観』なんだよね。
深く考えるのは
▼『現代アート』▼



ダダイズム以降の作品に、
『美しい必要がなくなった』ということは、

それまではずっと、
『美しい必要があった』ということでもあります。

美術品っていうくらいですからな。

モダンアートも、
クラシックアートも、
長~い美術史のほとんどは、

絵画って、
『良い感じに飾るため』の物だったんですよ。

現代アートが生まれたのって、
ここ100年とかそれくらいですもんね。
『生まれたばかりの』
▼価値観です▼



自分自身が、
自分なりの哲学で、
アートを楽しむのは結構だけど、

自分とは違う価値観で楽しんでる人に向かって、
「飾ってはいけない」みたいな水を差さないようにね。

アイヨ!! 気を付けま~す!!

ではでは本日はこんなところで!!
素敵なアート生活をお過ごしください!!

バイバーイ!!
シュルレアリスム
▼『インテリア』▼



▼参考文献▼




















▼参考コラム▼

イロハニアート様
【西洋美術史を流れで学ぶ】シリーズ
ライター:ジュウ・ショ様
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アートを大きく分けると、