【ネット情報に騙されるな!】:インダストリアルデザインという大嘘がめっちゃ広まってる話。|【スタイル解説】

画像引用元:アクタス様より

【インテリア大嘘】:インダストリアル・デザイン

   

おしゃれな
\ 『インダストリアル』 /

画像引用元:HomeAdore様より
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インダストリアル!!

インテリアの作り方を解説してあげましょう!!

インダストリアル・デザインの家具を使うから!!

インダストリアル・インテリアなのであ~る!!

ああ、

そういうネット情報あるよね。

どこの解説を見ても、

『インダストリアル・デザイン』が重要ですって言ってるのに、

ウチでは一度も、

この言葉を使ってないですよね?

   

インダストリアル
\ 『デザイン』 /

     

なになに知らなかったの~?

オ・ヤ・オ・ヤ!!

みんな知ってるのに恥ずかしいですなあ〜!!

いやそれね、

わざと使ってないんですよその表現。

だって間違ってるから。

   

『インダストリアル・デザイン』
\ じゃないの? /

画像引用元:HomeAdore様より
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本日のテーマは!!

インダストリアル・デザインです!!

よく聞くけれど、だいたい間違ってる!!

……その本当の意味に迫りましょう!!

負け惜しみ?

負け惜しみではない。

       

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【歴史解説】:インダストリアルインテリア

    

【用語解説】:インダストリアル・デザインの歴史

   

おしゃれな
\ 『インダストリアル』 /

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かつて18世紀のヨーロッパでは、

『産業革命』で大量生産がブームになり……、

粗悪な商品が世にあふれてしまいました。

ういうい、

インテリアの歴史ですな。

だからこそ、

アーツ・アンド・クラフツ(手仕事を見直そう)とか、

モダニズム(工業時代の良いデザインを作ろう)とか、

そういった、

新時代のデザイン運動が生まれたわけね。

    

ウィリアム・モリス
▼『アーツ・アンド・クラフツ運動』▼

画像引用元:MORRISWORLD様より

     

バウハウス
▼『モダニズム』▼

      

ところが一方!!

アメリカではそれよりもっと後……、

1920年代くらいまでずっと、

大量生産による粗悪な商品が世にあふれておりました。

いかにもアメリカって感じですな。

だけどビジネスとしては失敗です。

モノばかり作りすぎて、

低品質な商品はもう売れなくなってしまったんです。

    

      

だからアメリカでは、

『工場・倉庫』が廃業して余ってしまい、

それを住宅に転用したことで、

『インダストリアル・インテリア』が生まれたのでしたね。

それがつまり、

インダストリアル・デザインってことじゃないの?

これは全然、

インダストリアル・デザインとは別の概念です。

ネットではみんなそう言ってるのに!!

    

工場・倉庫を
▼『住居に転用』▼

画像引用元:フライミー公式様より

      

『粗悪な商品』たちによって、

『ビジネス的な失敗』をして、

『工場・倉庫』が余りまくって、

『インダストリアル・インテリア』が生まれてしまった、

……その影響で、

とうとうアメリカが、

粗製乱造ムーブを反省しまして。

おおん?

『モダニズム』を参考にしながら、

『工業生産で美しい商品』を作ろうとしたのを、

工業のデザイン、

インダストリアル・デザインと呼ぶんですよ。

    

これが
▼『インダストリアル・デザイン』▼

画像引用元:株式会社トリイデザイン研究所様より
Norman Bel Geddes
(HistoryofID • Matthew Bird)
画像引用元:株式会社トリイデザイン研究所様より
Norman Bel Geddes
(HistoryofID • Matthew Bird)
画像引用元:株式会社トリイデザイン研究所様より
Norman Bel Geddes
(HistoryofID • Matthew Bird)

      

「粗悪なアイテムは売れなくなった!!」

「じゃあ次はモダンを参考にして!!」

「おしゃれなアイテムを売りまくろう!!」

「目新しいアイテムほどよく売れるぞ!!」

「ジャンジャン新製品をデザインしよう!!」

「デザインの力をビジネスに使うんだ!!」

具体的に言うと流線形にしますね

……これがインダストリアル・デザインだよ。

思ってた概念と、

ぜんぜん違うやんけ!?

    

ノーマン・ベル・ゲデス
▼『流線形デザイン』▼

画像引用元:株式会社トリイデザイン研究所様より
Geddes designing the Macy’s Christmas Parade Punch and Judy float (1926)
NORMAN BEL GEDDES DESIGNS AMERCA 2012
画像引用元:株式会社トリイデザイン研究所様より
Norman Bel Geddes
(HistoryofID • Matthew Bird)

      

ちょっと細かいことを言いますと、

インダストリアル・デザインという言葉は、

もっと広義に捉えることもできます。

そうだよね!?

いくらなんでも流線形だけじゃないよね!?

モダンのスタート地点はバウハウス。

だけどルーツを遡ってみると、

『アーツ・アンド・クラフツ運動』から始まったとも考えられたじゃないですか。

    

レイモンド・ローウィ事務所
▼『流線形デザイン』▼

画像引用元:エムベース様より
画像引用元:エムベース様より

    

それと同様に、

インダストリアル・デザインも

狭義で考えると『流線形』なんだけど。

ふむふむ?

ルーツを遡ってみると、

それより前の『工業的な粗悪品』たちから、

インダストリアル・デザインの歴史は始まっていた

……と考えることもできるわけです。

    

『これも歴史の一部』
▼という考え方▼

       

そしてこれらは、

多かれ少なかれ『その後の工業デザイン』にも影響を与えたので、

ここから派生したもの全部が、

インダストリアル・デザインの系譜だという見方もできるので。

クソデカ広義ですな。

なのでいちばん広く定義すれば、

『口紅から機関車まで』

『工業的に作る大量生産品ぜんぶ』

……がインダストリアル・デザインなのだという括り方は実際にあります。

ただしこのカテゴライズには、

工業的に作るイームズみたいなモダン家具も含むんですよ。

     

『インダストリアル』
▼デザインです▼

画像引用元:Herman Miller Japan様より
画像引用元:Herman Miller Japan様より

      

広義で考えると、

『モダン含めた工業製品ぜんぶ』を指していて、

狭義で考えると、

『アメリカン流線形デザイン』を指しているのですが。

ふーむ。

重要なのはココ、

どちらにせよインダストリアル・デザインという言葉に、

『工場・倉庫で使い込まれて、』

『経年変化でラスティックになっている。』

……というニュアンスは1ミリも含まれてないんですよ。

     

『インダストリアル』
▼デザインです▼

画像引用元:アクタス様より
画像引用元:アクタス様より

      

だからネット情報の言う通りに、

『インダストリアル・デザイン』でお部屋作りをすると……。

え、どうなるのそれ?

『とくに注釈しない限りは』

『経年変化などしていない』

『工業製品全般を使って』

……お部屋のコーディネートをすることになるので、

それだと、

インダストリアル・インテリアではなくて、

モダンスタイルっぽい部屋ができあがるよ。

なんじゃそりゃッ!?

      

▼参考▼

インダストリアルデザイナーになるには

【インダストリアルデザイナーの発祥】

『今日的なインダストリアルデザイナーという名前の職業は、1920年代の終わりから30年代にかけてアメリカで始まりました。』

『そのころのアメリカでつくっていた生活用の工業製品は「安かろう悪かろう」の製品が多く、品質やデザインの粗悪なものが多かったのです。そのため消費者には評判が悪くて売れにくく、高級品といえば、ほとんどがヨーロッパからの輸入製品でした。』

『そこで、ノーマン・ベル・ゲデスやレイモンド・ローウィたちは、ドイツの近代デザイン運動であった機能主義を土台とし、さらにアメリカにあった近代工業技術を重ねて、新しい工業製品の造形的様式をつくりだしたのです。』

『それが、流線形、光った金属の装飾、車のフィン(しっぽ)などです。』

※※※
引用元
『インダストリアルデザイナーになるには』
2章 インダストリアルデザイナーの世界
p60.61より

   

▼参考▼

インダストリアル・デザインの歴史

【アイコンとしての流線形】

『流線形は幻のデザイナー、ノーマン・ベル・ゲデスによって広められて大変ポピュラーになり、一九三〇年代と一九四〇年代の米国のインダストリアル・デザインの同義語となったほどである。』

※※※
引用元
『インダストリアルデザインの歴史』
第七章 流線形の導入
p157より

     

《関連記事》

【アニメで学ぶ】:モダンの学校バウハウス

      

【用語解説】:インダストリアル・インテリアの定義

     

インダストリアル
▼『インテリア』▼

画像引用元:HomeAdore様より
画像引用元:HomeAdore様より

    

そもそも、

インダストリアル・インテリアって何だったのか?

要素を分解していくと、

工場・倉庫というラスティック物件に

経年でラスティック化した工業製品を使う

……という組み合わせがインダストリアル・インテリアなんですよ。

だからこそ、

ビンテージ家具がアイコンになるわけですな。

『デザインそのもの』は工業製品で、

『表面のテクスチャ』はラスティック

インダストリアル・インテリアを、

インダストリアル・インテリアたらしめているのは、

……実はこの後者のほうなんですよね。

    

ラスティックな
▼『素材感』▼

画像引用元:HomeAdore様より
画像引用元:HomeAdore様より
画像引用元:HomeAdore様より

         

工業的に作られたデザイン、

……を使うことが『唯一無二の特徴』なのではなくて。

ふむりふむり。

住み替えだからラスティック建築だとか、

住み替えだから家具がビンテージ化してるとか、

実はこっちのほうが、

スタイルをスタイルたらしめるコアになってるわけね。

   

『住み替え』
▼であるのが重要▼

画像引用元:HomeAdore様より
画像引用元:HomeAdore様より
画像引用元:HomeAdore様より

       

インダストリアル・インテリアは、

カンブリア時代のイレギュラースタイル!!

モダン扱いする人もいるけど、

クラシック扱いした方が便利だよ~僕が提唱しているのは!!

言ってましたなあ!!

『工業製品』を使うことよりも、

『それがラスティック化している』ことのほうが、

インダストリアル・インテリアだけの、

固有の特徴だと考えているからなのですよ。

    

インダストリアルは
▼『イレギュラースタイル』▼

画像引用元:フライミー公式様より

        

だからインダストリアル・インテリアって、

海外では、

ウェアハウススタイルとか、

ロフトアパートメントスタイルという呼び名があるんです。

初めて聞きました!!!

『工業施設・倉庫』を意味するwarehouse

『それを転用した住宅』を意味するloft apartment

どちらにせよ、

工場・倉庫から住み替えたスタイルなのだというニュアンスですよ。

英語だと呼び名自体が、

『住み替えスタイル』なんや!!

     

工場・倉庫から
▼『住み替えたスタイル』▼

画像引用元:ディグ・イット様より
画像引用元:ディグ・イット様より
画像引用元:ディグ・イット様より

    

で、前述の通り、

インダストリアル・デザインって言葉は、

定義の仕方にもよるけれど……。

ふむふむ?

少なくとも、

『産業革命時代に』

『工場・倉庫から転用されて』

『経年でラスティック化している』

『建築および家財』

……という限定的な領域を指す言葉ではまったくありません。

   

工場・倉庫から
▼『住み替えたスタイル』▼

画像引用元:ディグ・イット様より
画像引用元:ディグ・イット様より
画像引用元:ディグ・イット様より

     

インダストリアル・デザインを広義に定義すれば、

……そのどこかには、

こういったモノたちを含まなくはないんだけど。

まあ、それはそう。

だけど産業革命時代を象徴する、

無骨なビンテージの工業製品ってのは、

インダストリアル・デザインという

超巨大概念のなかのすごく狭い一部分だけ。

     

工場・倉庫から
▼『住み替えたスタイル』▼

画像引用元:ディグ・イット様より
画像引用元:ディグ・イット様より
画像引用元:ディグ・イット様より

     

『ナチュラル』というだけでは

『北欧と確定しない』のと同じで、

インダストリアル・デザインだけでは、

インダストリアル・インテリアとは全く確定しないのよ。

はえ~~。

ぜんぶ理解できてるか自信ないけど、

少なくとも、

ネット情報が怪しいのはホントっぽい気がしますな。

    

工場・倉庫から
▼『住み替えたスタイル』▼

画像引用元:ディグ・イット様より
画像引用元:ディグ・イット様より
画像引用元:ディグ・イット様より

   

あくまでワイの想像ですが、

『インダストリアル・インテリア』と、

『インダストリアル・デザイン』という、

似たような言葉を誰かがどこかで見かけて……。

うん?

どっちにも、

『インダストリアル』って付いてるぞ!!

『たぶん同じ意味』なんだろうな!!

……と勘違いしたまま、

確認せずに解説しちゃった人が最初にいて、

   

工場・倉庫から
▼『住み替えたスタイル』▼

画像引用元:ディグ・イット様より
画像引用元:ディグ・イット様より
画像引用元:ディグ・イット様より

   

さらにそれを見て、

確認せずにコピペしちゃった人たちが大量にいて、

今のネット情報では、

「インダストリアル・デザインを使えば」

「インダストリアル・スタイルが作れるぞ」

……ってことになってるんでしょうな。

今回に限らず、

インテリア情報はだいたいそれですよ。

だいたいそれでたまるかい。

      

▼参考▼

プロダクトデザイン[改訂版]

【インダストリアルデザインとは?】

『20世紀に入り急速に発展したアメリカの産業は、1920年代、ヨーロッパのモダンデザインの影響や経済恐慌により生産第一から市場重視への転換を図った。この時代の要請に応えて生まれたデザインの概念。』

※※※
引用元
『プロダクトデザイン』
第1章 プロダクトデザインの背景
p011より

   

▼参考▼

インダストリアル・デザインの歴史

【モダニズムの遺伝子】

『ここでは、バウハウスに関する二つの面について考察することが必要である。』

『第一点は、バウハウスで展開された教育方法が、インダストリアル・デザインにとって唯一適切なものであったという主張。』

『そして、第二点は、バウハウスを現代インダストリアル・デザインの源泉とみなすべきであるという主張である。』

※※※
引用元
『インダストリアルデザインの歴史』
第五章 二十世紀初頭における芸術と工業
p132より

      

《関連記事》

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【謎用語】:インダストリアル・デザインでした。

   

『インダストリアル』
\ インテリア /

画像引用元:ディグ・イット様より
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というわけで!!

インダストリアル・デザインという言葉!!

ういうい!!

ネットでは散々使われてるけど!!

ウチではあえて使っていません!!

   

『インダストリアル』
\ インテリア /

画像引用元:ディグ・イット様より
画像引用元:ディグ・イット様より

    

これは決して、

僕がおかしいのではなくて!!

僕だけが正しくて

世の中の方が間違っているのでした。

社会不適合者がよく言うやつ。

    

『インダストリアル』
\ インテリア /

画像引用元:ディグ・イット様より
画像引用元:ディグ・イット様より
画像引用元:ディグ・イット様より

    

なんにせよ、

『ネットでは当然のように』

『みんなが同じことを言っている』

……ような常識っぽいルールだったとしても!!

インテリアの世界では、

普通に疑ってかからないといけないので注意してね。

それを読むこっちの身にもなってくれ。

    

『インダストリアル』
\ インテリア /

画像引用元:ディグ・イット様より
画像引用元:ディグ・イット様より
画像引用元:ディグ・イット様より

   

以上!!!

気をつけなはれや!!!

量産型インフルエンサーさんが、

みんなコピペみたいな解説をしてるのってさあ。

ひょっとして、

YouTubeで情報収集して、

YouTubeで情報発信してるんじゃないの?

いやいや!!

そんなまさか、ハハッ!!

……まさかね。

     

▼参考文献▼

インダストリアル・デザインの歴史

  

プロダクトデザイン[改訂版]

  

デザインのデザイン|原 研哉

   

インダストリアルデザイナーになるには

  

インダストリアル・スタイル

  

ウェアハウススタイル

   

WAREHOUSE HOME

   

Brooklyn INTERIOR

   

BEACH HOUSE

        

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3件のコメント

例えばゲーム界隈では、宮本茂さんがインダストリアルデザイン畑なんですよね。
ファミコンのマリオが、帽子があって髭が生えていて、オーバーオールなのは、提供したい機能が先にあって、そこから逆算されたデザインだと。
…というようなことをどこかで目にしたことがあったので、インテリア界隈でのインダストリアルデザインという言葉の使われ方、めちゃ違和感ありました。言語化していただいてスッキリしました。ありがとうございました。

インダストリアル界隈、モダンだと思ってたけれど、心惹かれる理由が「クラシックだから」というのがわかり腹落ちしました。
個人的にクラシックが好みなので、サ○ダーバードは素敵だけどちょっと違う。良いなと思う要素がラスティックだったんだなと気づきました。
そちら方面で考えた方が好きなインテリアにできそうで勉強になりました。

料理動画も好きでよく見るのですが、数ヶ月周期で同じレシピを違うYouTuber発信で見かけるんですよね。出典元つけるこちらの記事はエビデンスをきちんとされてて良心的だと感じます。
いつも良コンテンツをありがとうございます。

youtubeからやってきました。

「スタイル」を「デザイン」って言っちゃうやつがここにも。
インテリア以外でも方々で見かける誤用スタイル。

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