【懺悔回】:北欧インテリアは『北欧諸国』ではなく『スカンディナヴィア』のインテリアだった話。

※画像引用元:OKEA様より

【北欧インテリア】という言葉は間違ってる?

    

おしゃれな
\ 北欧インテリア /

画像引用元:イルムス様より

   

インテリア界隈では!!

北欧インテリアは大人気のキーワード!!

皆さん、

いろんなトピックスが気になると思います!!

北欧インテリアの『歴史』だったり、

北欧インテリアの『作り方』だったり、

北欧デザインの『おすすめ家具』だったりね!!

ここで、

さらにもう一歩理解を深めるために!!

    

おしゃれな
\ 北欧インテリア /

画像引用元:イルムス様より

     

北欧インテリアという

言葉そのものについても詳しく知っておきましょう!!

なんでそんなものを!!!

ひょっとして、

実はイメージと違う概念だったりする?

あんなに有名なのに、

実はめちゃくちゃねじくれた概念じゃよ。

    

北欧インテリアって
\ 『どういう意味』 /

画像引用元:イルムス様より

    

ちなみにこの話題、

『上級者向け』なので気にしすぎないように!!

ヘタすると頭がこんがらがるので、

むしろ覚えなくて良いくらいのスタンスでどうぞ!!!

フフフ!!

逆に気になってしまう怪しいテーマですなあ!!!

けっして無理せず深入りせず、

ユル~く聞いて頂けましたら幸いです!!!

     

《関連記事》

【アニメで学ぶ】:北欧モダン家具

    

北欧インテリアは【北欧諸国の】インテリアではなかった。

   

北欧は
▼『ノルディック』▼

      

まず英語では!!!

北欧のことを『ノルディック』と言います!!

ノースが語源で、北という意味ね。

へ~そうなんや。

なので、

ノルディックインテリアを和訳したのなら、

北欧インテリアになって当然のはずなんだけど。

     

『ノルディック』
\ インテリアが正解? /

画像引用元:イルムス様より

    

我々がよく言う北欧インテリアとは、

実際はスカンディナヴィアインテリアのこと。

『ノルディック』インテリアではなく、

『スカンディナヴィア』インテリアのことを、

『北欧インテリア』と呼称してしまったのが混乱の始まりなんです。

言われてみれば、

北欧インテリアのデザインの共通点って、

ノルディック・ハーモニーじゃなくて、

スカンディナヴィア・ハーモニーでしたな。

そうそう、まさにそれです!!

実際のところ、

『ノルディック地域』ではなく、

『スカンディナヴィア地域』のインテリアのことを、

……我々は北欧インテリアと呼称しているんですよね。

        

これが
▼『北欧諸国』▼

      

北欧諸国というのは本来、

『スウェーデン』

『ノルウェー』

『デンマーク』

『フィンランド』

『アイスランド』

……この五か国を指しています。

ふむふむ。

だけどスカンディナヴィアという言葉は、

『デンマーク』

『スウェーデン』

『ノルウェー』

……この三か国のエリアを指している言葉なんですよね。

二か国足りない!!!

   

『スカンディナヴィア』
▼三か国▼

      

じゃあ、

我々がイメージする《北欧インテリア》って、

五か国なのか三か国なのかどっちなのか?

北欧インテリアとは、

実は『スカンディナヴィア』インテリアのことなんだったら、

三か国が正解ってこと?

実はこれ、

どっちでもないんです

どないやねん。

   

北欧スタイルの特徴は
▼《スカンディナヴィア・ハーモニー》▼

画像引用元:greeniche様より

北欧インテリアの特徴
スカンディナヴィア・ハーモニー


ビーチ材・バーチ材のような
『淡色ナチュラルウッド』


家具の脚が、
『テーパー脚』『ハの字脚』『フロート脚』


北欧の自然に由来する
『グレイッシュ』なカラーパレット


北欧の自然に由来する
『ストライプ柄』および縦ラインの強調


コーア・クリント派の
『リ・デザイン思想』


アルヴァ・アアルトの
『ラメラ曲木』『L-レッグ』『フリーハンド曲線』


ポール・ヘニングセンの
『グレアフリー照明』

     

《スカンディナヴィア・ハーモニー》に

大きく影響を与えている国々は、

『スウェーデン』

『ノルウェー』

『デンマーク』

『フィンランド』

……この四か国なんですよね。

北欧諸国からアイスランドを抜いた4国というか、

スカンディナヴィア地域にフィンランドを足した4国というか、

よく分からんメンツですな!!!

    

北欧インテリア
▼『四か国』▼

     

『アイスランド』は北欧諸国の一つだけど、

スカンディナヴィア地域には含まれていないため、

スカンディナヴィア・インテリアの話をするときに、

本当はアイスランドは入りません。

それはまあ分かりますよ。

地理的にも離れてるしね。

じゃあ『フィンランド』だって、

スカンディナヴィア地域じゃないだろという話なんですが。

現代のスカンディナヴィアデザインが確立するまで、

フィンランドは多大な貢献をしました。

   

『アルヴァ・アアルト』も
▼大活躍しました▼

画像引用元:Artek公式様より
画像引用元:Artek公式様より

     

アメリカに北欧デザインが知れ渡った、

デザイン・イン・スカンディナヴィア展にも、

フィンランドが、

スカンディナヴィア諸国ではないのにシレっと参加していたりします。

まぎらわしい!!

なので、

厳密に言うと『ちょっと仲間外れ』なんだけど、

スカンディナヴィアデザインの話をするときには、

あえてフィンランドを含めて考えることが多いんですよね。

     

▼『Design in Scandinavia』▼

画像引用元:organ様より
画像引用元:organ様より
画像引用元:organ様より

    

ですので、

いわゆる『北欧インテリア』というデザイン類型が指している、

北欧の範囲というのは。

ふむりふむり。

北欧諸国から『アイスランド』を抜いたものであり、

スカンディナヴィア諸国に『フィンランド』を足したものでもある、

ようするに、

スウェーデン

ノルウェー

デンマーク

フィンランド

……この四か国のことだったりするんです。

厳密に考えれば北欧インテリアって、

北欧五か国のインテリアとは限らないんですなあ。

      

▼参考文献▼

イケアとスウェーデン: 福祉国家イメージの文化史

【デザイン・イン・スカンディナヴィア展】

『この展示会にはフィンランドも出品していたが、フィンランドは厳密にはスカンジナヴィアの一部ではない。だが、それを気にする者などいなかった。』

『戦禍のあとのフィンランドにとって、ソビエト陣営からの独立をアピールすることには重要な意味があり、アメリカ市場に参入するにあたって、デザイン展示会はまたとない機会だった。』

※※※
引用元
《イケアとスウェーデン》
第3章 スウェーデンの物語 P131.P132より

      

じゃあノルウェーは何をやっていたんや。

画像引用元:イルムス様より

   

そういった経緯がありますので

ういうい。

スカンディナヴィア地域+フィンランドのインテリアのことを、

《北欧インテリア》という名前で、

呼称したところから微妙にズレているのでございました。

   

『スカンディナヴィア+α』
▼インテリア▼

画像引用元:イルムス様より
画像引用元:イルムス様より

   

ちなみにこの、

スカンディナヴィアデザイン四か国。

①デンマークではクリント派が、

②フィンランドではアアルトが、

③スウェーデンではIKEAが、

……それぞれ黎明期に活躍していたんだけれど。

あと一国どうしたの?

④ノルウェーはですね。

北欧諸国がデザインに力を入れようと盛り上がっていたときに、

海の中に『石油資源』が見つかったんですよ。

いわゆる北海油田ね。

     

▼北海油田▼

画像引用元:Wikipedia様『北海油田』より

   

海上の油田って、

スコップで掘って終わりじゃなくて、

巨大な『海上プラットフォーム』が必要になるから、

国を挙げて対応しないといけなくて大変だったのよ。

はえ~、そういうモンなんだ。

結果、無事に採掘できるようになって、

ノルウェーは世界有数の裕福な国になったんだけど、

そのぶん北欧諸国の中では、

デザインに力を入れるのが出遅れてしまったんですよ。

       

海上プラットフォームは
▼『作るのが超大変』▼

画像引用元:Wikipedia様『Draugen oil field』より

      

もともと北欧諸国って、

貧しい国だからこそデザインに付加価値を付けようとした国々なので、

石油が手に入っちゃった時点で、

デザインに力を入れるモチベも上げにくかったとは思います。

ふむふむ。

そのため北欧デザインの話をするときに

ノルウェーは今一つ影が薄いことが多いのですが。

スカンディナヴィア・インテリアの範囲に、

アイスランドは含まれてなくて

ノルウェーは印象は薄いけど含まれてる

……というのが比較的正しい北欧インテリアの解釈だと思いますよ。

たしかに、

頭がこんがらがるだけでオシャレの足しになりませんなあ!!

    

画像引用元:イルムス様より
画像引用元:イルムス様より

    

でもでも!!

近年人気の《ジャパンディスタイル》あるじゃん!!

ジャパンディの『ディ』はスカンディナヴィアのこと。

ようするにジャパン+スカンディナヴィアのことなんだけど!!

そうなんや。

『スカンディナヴィア』って何?

『北欧インテリア』とは別の物なの?

……とか悩まなくてOKです!!!

ジャパンディの『ディ』は、

けっきょく北欧インテリアのことを指していると思って大丈夫ですよ!!!

たったそれだけのために、

長い話であった。

      

《関連記事》

【アニメで学ぶ】:IKEAと北欧インテリア

        

誤った言葉遣いを懺悔いたします。

画像引用元:イルムス様より
画像引用元:イルムス様より

    

というわけで!!

北欧インテリアという言葉!!

僕自身も、

ずっと大雑把に使っていてごめんなさい!!

素直に謝れて偉い!!

そもそも北欧インテリアとは、

『北欧諸国すべて』のインテリアというより、

スカンディナヴィアデザインのインテリアという意味合いが強く!!

デンマーク・スウェーデン・ノルウェー・フィンランドの

四か国のインテリアというのが実態に近いです!!

    

おしゃれな
\ 『北欧四か国』のインテリア /

画像引用元:イルムス様より
画像引用元:イルムス様より

      

厳密に言うと《北欧インテリア》は、

北欧インテリアではありませんが!!

もっと厳密に言うと、

『アイスランドの影響』を1ミリも受けてないかというとそれも微妙だと思いますが!!

それはそう。

このあたり、

まじめに考えれば考えるほど超ややこしいので!!!

ぜんぶ忘れなさい。

というお話でしたーッ!!!

無茶苦茶やで。

    

おしゃれな
\ 『北欧四か国』のインテリア /

画像引用元:イルムス様より
画像引用元:イルムス様より

   

当ブログでは便宜的に!!

スカンディナヴィア・インテリアのことを北欧インテリアと呼称し続けますが!!

正確な言葉遣いじゃなくてすみません。

今ここで懺悔しておきます。

そういうのみんなずっと黙ってますよ。

以上!!! 解散!!!

自由すぎる。

   

   

▼参考文献▼

イケアとスウェーデン: 福祉国家イメージの文化史

        

イケアはなぜ「理念」で業績を伸ばせるのか

    

ノルウェーのデザイン

   

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5件のコメント

アイスランドの影が薄いのはしゃあないんすよね……稼ぎの多い土地柄じゃないし、1944年までデンマークの支配下だったし……(世界史好き並感)

ジャパンディってそういう由来だったんだ…「ジャパンでい」っていう偽物の江戸っ子だと思ってた
ジャパンディとかブルックリンとか、クラシックの色を残したスタイルが好きです

スウェーデンって家具というより雑貨のイメージが強いです
これまで記事にされてたリサ・ラーソン(亡くなられてたんですね、ご冥福)の他にはマリメッコとかmoz とか
普通に北欧=デンマーク(ただしアアルトを含む)ぐらいの感覚だったので、明確に言語化していただけたのは助かります、いつもありがとうございます
あ、関係ないですがデペシュさんが海老名にあったのでお邪魔してきました
応対していただいた方、元は神戸店にいらした方だそうでした
コスパすごいですね、実物見て納得

コメントありがとうございます~!!!!!
ウケないテーマだろうなと覚悟していたものでして、そうやって楽しんでいただけますと本当に助かります!!!

デペシュさんの魅力を分かって頂けたのもすごく嬉しいです~!!!! 実物チェックしてみてくださって感謝です!!!

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