特別感を演出する【非日常感】|《ホテルライク・カフェ風の仕組み》

前回の続きです!!
本日は、インテリアにおける【ハレ】の概念について学んでいきましょう!!

ふぇぇ~~~~い!!!
▼前回記事▼


まずは復習から!!

お部屋は『適切な量だけモノがあると良い』!!
量が適正であれば『置いたモノがちゃんとお部屋のメインディッシュに見える』
……というお話でした!!

でも、だからといって、
量さえピッタリなら何でもかんでも置けばいいわけじゃないんですよね。

そのとおり!!

お部屋に配置するモノは、住まい手様の個性を表す大切な要素ですが!
『ダンボール』とか『ゴミ』とかまで個性で押し通すことは出来ません!



……余談ですが、インテリアの世界では
お部屋の住人様のことを『住まい手(すまいて)』と呼ぶ風習があるので覚えておくとよいでしょう。

業界用語ですね。



ラーメン二郎を好きな人が『ジロリアン』。
SAOをベータ版からプレイしてる人が『ベーター』。
カーディガンフェチの方が『ディガンズ』です。

なんの話だよ。

ピンク髪のショートカットで
かつメガネをかけているタイプの女性キャラが『メガショー』です。

ピンクどこいったの?



さて、例えば学生さんの初めての一人暮らし。
持ち物が少ないので、お部屋はカラッポ同然です。

備え付けのキッチンみたいな最低限の設備と、
とりあえずニトリで買ってきた『素朴なオフトン』が適当に並べられています。印象はいかがでしょうか。

モノが少ない分、それなりにプレッシャー率は低いのかもしれないけれど……。


ううーん、特別オシャレって感じじゃないですよね。
ニトリさんに怒られそうだけど。

まぁこの写真のオフトンは、別にニトリのやつじゃないですけどね。

なら純粋な営業妨害だよ。



さらに例えば、こんなイメージの実家の和室。
母ちゃんが片付けてくれるので、そこそこモノが少ないのが特徴です。

これ、オシャレな『和モダン』のお部屋でしょうか?

いや、ぜんぜんですね。
ワイんちよりはマシだけど、わざわざ『オシャレだからSNSにアップしよ~』とはならないですね。

そうですね。
よいですよ、この調子で参りましょう。

- お部屋の要素は『リラックスとプレッシャーの割合を2:1にする』
- その『プレッシャー1』は、『個性』と『ハレ』で表現する。

例に出した写真がいまいちイケてないのは、
【ハレ】の要素が足りていないことが原因の一つです。

リラックスとプレッシャーのバランスが
とれていたとしても、
【ハレ】の要素がないと
ザンネンなお部屋に見えてしまいます。
ここで言う【ハレ】とは、いったい何なのでしょうか。

ハレと言っても、
「今日はお日様が出ているね」という晴れではありません。

でしょうね。そんな気がしてました。



インテリアで活用するのは、
【ハレの日、ケの日】……という言葉で使われている『ハレ』になります。

もともとは民俗学の言葉ですね。あまり馴染みがないと思います。

ぬぬぬぬぬ、さっぱりピンときません。

昔の日本では、『人生の節目の行事』や『お祝い事』など、
パーティーでも開くような特別な日のことを【ハレの日】と表現しました。



ようは『晴れ舞台』の晴れのことです。
もうちょっと言うと【特別感・非日常感・お祭り感】のようなものを表現する言葉ですね。

ああ~。
言われてみればたしかに、そんな日本語ありましたね。

逆に【ケ】というのが、ハレと逆の概念です。
【普段着感・日常っぽさ・平日み】……このような感覚全般を表現しています。


そんな日常はねえよ!?

イメージ映像です。深い意味はありません。

そんなことより、【ハレ】と【ケ】の概念をざっくり覚えてくださいね。

う、うぃ。
ハレが『特別』で、ケが『普通』……。

むずかしく考えなくて大丈夫。
まずは、ざっくりとした理解でOKです。
■ハレ = 【特別感・非日常感・お祭り感】
■ケ = 【普段着感・日常っぽさ・平日み】
こんなイメージだけ頭に残しておきましょう。

インテリアでは、この【ハレ】の要素が大切な意味を持っています。

ヒトが【憧れの素敵な生活】に求めるのは、適度な非日常です。
みんな退屈な毎日を抜け出して、キラキラした生活に変わりたいんですよ。

こんなお部屋に住んでみたい。

『ホテルみたいなインテリアにしたい!』
『カフェみたいな内装が良い!』
『海外みたいなオシャレな家に住んでみたい!』

よく聞く要望ですが、
これら全部、ようするに【自分ちじゃないみたいな非日常感】を求めてます。

暴論!!
……と、言い切れないのが悔しい!!

人の視覚は、
『違い』や『変化』を敏感に察知するように出来ています。

「このお部屋ステキだな!」という感動を誘発するには、
普段から見飽きたものではない特別感が必要なんです。




これらのよろしくないお写真は、
配置されたモノがすべて【ケ】……日常の象徴なんですよ。

【日常の象徴】がお部屋のメインディッシュになっているから、
見る人に特別な感動を想起させないわけです。


例えばインテリアに気を遣う方は、
『トイレットペーパー』や『ティッシュ箱』を親のカタキのように憎むという統計データがあるのですが。

どこの統計だよ。
ソースを出せ、ソースを。

僕の体感です。何か?

何も!!!!!



これも『日常の象徴だから』という理由があるのですよね。

トイレットペーパーやティッシュ箱がそのまま置いてあると、
凄まじい日常臭がお部屋に充満してしまいます。

認めたくないけど、そうなんだろうなぁ~~~~!!!

こういった要素を丁寧に減らしていくことによって、
居心地の良い【非日常感】を演出してやることが大切なんですよ。
《関連記事》
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【インスタ映え】文化の功罪とデメリット|《ホテルライク・カフェ風の仕組み》



↑まずは、こちらの画像をご覧ください。

うおおお、SNS映えですね。

キレイですよね。
なんだかよくわかんないけど、キレイですよね。

騙されるな!!!

まだ何も言ってないのに!!



このお写真は、非常に【ハレ】感があります。
特別で、非日常で、非現実的な魅力にあふれています。

でも、大切なのは【適度な非日常】なんですよ!

はいはい! そうですね!



写真だけ見れば
「なんかよくわかんないけどステキ!」って感じられますけれど。

「ここに住んでる」って言われたら正気を疑うでしょ。

普通に暮らしてるだけで、なんとなく体力が消耗していきそうです。
非日常な世界は
▼『ステキ』と『疲れる』が表裏一体▼


ヒトは特別感のあるものをステキだと感じます。

だけど、
身の回りが【非日常】ばっかりだと疲れてしまいます。

道理ですわな。

だからバランスが必要なんです。
リラックスの中に、少しだけ非日常を混ぜてやるのがコツですよ。

- お部屋の要素は『リラックスとプレッシャーの割合を2:1にする』
- その『プレッシャー1』は、『個性』と『ハレ』で表現する。

そういう事情があるから【2:1】なんですねえ。

そのとおり。
どうか、プレッシャー過多にはご注意ください。
《関連記事》
▼【インテリアの最新トレンドを】:『追いかけなくていい』理由▼
▼【やりすぎ注意】:おしゃれな人は『変なオブジェ』をなぜ飾る?▼
【SNS映え】の仕組みとデメリット|《ホテルライク・カフェ風の仕組み》


but be careful.
だけど、ひとつだけ気をつけて。

その無意味な英語で、ワイの怒りメーターが少し上がりました。


↑このお写真。
住むのはイヤでも、SNSなら『いいね』押すでしょ?

ワイは押さないタイプだけど、言いたいことはわかります。

お部屋は、リラックスに寄せないと住み心地がよろしくありません。
冷静に考えれば
▼ぜったい不便ですが……▼


ですが、たとえプレッシャー寄りなお部屋でも、
【ハレ】感があるとSNS映えしてしまうんです。

あ、それ!!
なんだかちょっと! 根の深い問題な気がします!!



ここで例え話です。

ユニバーサルスタジオジャパンにある、
ハリーポッターをモチーフにしたレストランに行ったとします。

ああ、なんかありますよね。
なんだっけあれ、ハリーポッターキャッスルみたいなお城があるエリア。

『ホグワーツ魔法魔術学校』や。



ともあれレストラン。
内装は西洋ムード満点で、とびっきりの非日常を楽しむことが出来ます。

超楽しい。マジ最高。
ハーマイオニーはバージョン次第でめっちゃかわいい。

なんか余計なこと言わなかった?
あんまりハリポタ興味ないですけど、言いたいことは分かります。

エクスペクト・パトローナム!!

殴りますよ。

ハリポタへの当たりがキツイな……。



ともあれ。
いくら最高と言っても……

そんなところで毎日暮らせと言われたら疲れちゃいますよね。
さっきの『和傘の部屋』と同じです。

心の病気になりそうです。

でもユニバはあれで良いんです。


テーマパークの演出は、
そもそも特別感を味わって頂くためにあるものなので、

【非日常の割合】がどれだけ高くても問題ありません。

CMでも、
「さあ、日常を抜け出そう!」みたいな煽り文句ありますもんね。


でもそれは、
『非日常を楽しむためのテーマパーク』というシチュエーションだからこそ成立するんです。

テーマパークに遊びに行くのは、そもそもハレの日、たまの休日なのでね。

ははあ、なるほど。それは確かに。

毎日住む『ご自宅』を同じ感覚で組み立てるとうまくいきません。
【非日常なプレッシャー】ばかりで疲れてしまいます。

世の中のインテリア情報は、
これらの考え方が整理されないまま
ご紹介されていることが多いです。
■オシャレなカフェの内装
■テーマパークの施設内装
■ブランドショップの店舗内装
上記の例3点、どれも【非日常】を
楽しんでもらうための施設です。
こういったものを、ひとくくりにして
『オシャレなインテリア』として紹介されても、
そのまま自宅のインテリアに
当てはめることが出来ません。

なのに【SNS映え】するから、真似したくなっちゃう。

『サムネで映える視覚効果』と、
『暮らしやすいリアルインテリア』には、どうしてもズレがあるのですけれど。

確かに、こうやって説明を聞いてみないと全部一緒にして考えちゃいます。

時はSNS戦国時代。
発信者としても【いいね】がつく情報のほうが発表しがいがありますしね。



先生みたいなネチっこい説明よりも、
素直に『カフェみたいでスゴイでしょ!』って写真をバンと見せたほうが人気出やすいと思います。

ワイにもSNS映えする美少女フィギュアとかあるんやで。

そんなだからずっとアクセス数増えないんですよ。
《関連記事》
▼【オタク部屋を楽しもう!】:美少女フィギュアのおしゃれな飾り方①▼
▼【オタク部屋を楽しもう!】:美少女フィギュアのおしゃれな飾り方②▼
【趣味部屋インテリア】は非日常を大切に|《ホテルライク・カフェ風の仕組み》
無理にこういうの目指さなくて
▼大丈夫です▼


というわけで!!
インテリアでは【リラックス感】と【ハレ感】のバランスを意識するよう気を付けてみましょう!!

最後に、ちょっとでも頭に残りやすいように、
まとめも兼ねて写真だけ見てからシメとしますね。
【ハレ(非日常)】だけど【プレッシャー】
▼……のイメージです▼


↑まずこれが、
【プレッシャー】かつ【ハレ(非日常)】のパターン。

「見栄えはするけど疲れちゃうから気をつけて」、ですね。
【リラックス】だけど【ケ(日常)】
▼……のイメージです▼



↑お次がこちら、
【リラックス】かつ【ケ(日常)】のパターン。

落ち着くかもしれないけど、オシャレっぽくは見えないやつですね。

そうそう。
ほんで理想が、【リラックス】かつ【ハレ(非日常)】のパターンになります。

わかりやすいように、
これまでの例と同じく、なるべく和風のイメージ画像を探してみますね。
【リラックス】できる【ハレ(非日常)】
▼……のイメージです▼




あ!!! 三枚目のやつ『自在鉤(じざいかぎ)』やん!

よくご存知ですね。

お前が教えるからだよ!! 余計な知識をよ!!
『リラックスできる非日常』を
▼目指しましょう!▼


細かい再現方法などは、おいおいご説明させて頂きますが。
今日のところは【ハレ感】ってたしかに意味がありそうやねくらいの手ざわりを感じて頂けたら十分かなと思います。

がんばって、【リラックスできる非日常】を目指しましょう!

毎日が日曜日が良いです。

誰しもが、ステキな環境で生活したい。
けれど、毎日が舞踏会では疲れてしまう。
そのバランスを整えるのが、
インテリアの基礎ルールなんです。

- お部屋の要素は『リラックスとプレッシャーの割合を2:1にする』
- その『プレッシャー1』は、『個性』と『ハレ』で表現する。
目立つ部分だけに
【ハレ感(特別感)】を配置して、
疲れない範囲で
ステキな部屋の旨味だけを頂いちゃおう
……というのが、インテリアの基礎ロジックです。
インテリアにおける『ハレとケ』の考え方。
よろしければご参考にしてみてください。
《関連記事》
▼【目立つ場所】にオタクグッズを飾ろう:『萌えタペストリー』▼
▼【目立つ場所】にオタクグッズを飾ろう:『パソゲーの空き箱』▼
インテリアコーディネーターさんの考え方|ホテルライク・カフェ風の仕組み


以前、インテリアコーディネーターさんが
こんなことを仰っていました。

「ワンルームに、ソファがあって、テーブルがあって、その向こうにテレビがある配置」
「あれは皆、あまりにも見慣れすぎているので、わざと崩してやりたい」

あ、なんかピンときたかも。
今回の話を聞いた後だと、なんとなくわかるような気がします。

でしょでしょ。

発言だけを切り取ると「ちょっと芸術家肌の方かしら」って印象ですけど、
この考え方はインテリアの基礎そのものなんです。



ようは、家具の配置でハレ(非日常)を表現できないかと
模索されているコメントなわけですね。

おおお、わかる、微妙に理解できる。

はじめてカジマグ先生のことを
『ホントにインテリアの人なんだ』って感じました。

今まで何だと思っていたんですか。

え?

さあ?

マジでひどい!!!!!!
参考文献

↑いちおうコレ、【ハレとケ】の参考文献をお出しときますけれど。

「インテリアの情報が知りたい!」という方が読んでも、
たぶん期待している内容じゃないと思うので買わないでくださいね。

じゃあ誰用の本なんですか。

民俗学に興味があるひとが読み物として楽しむなら、とてもアリです。

『妖怪』という概念のルーツを辿ると
必ず【柳田國男】先生の著作にたどり着くので、そっち方面のご趣味の方はぜひ。

そっち方面の方は、そうそうこのブログに来ませんて。
《続きの記事》
▼『要素分析』ルート▼
▼『照明』ルート▼
ごたくはいいから
【実例】を見せて!
ブログ参考記事
【非日常感】
▼スタジオジブリ『天空の城ラピュタ』で勉強する【ヴォイド装飾】▼
▼インテリア個人ブログの視点で選ぶ『無印良品おすすめ3選』▼
インテリアにおける《非日常感》ってこんなにもしっくり来る言葉なのに、今まで全然思い浮かびませんでした!
この概念を『ハレ』と表現するのもいいですね!
いままで実用性やそれをどうシンプルに見せるかばかりを気にしていた気がします。
どこかしらに非日常感を入れられるよう、今後の家具選びや小物選びの参考にしますね!
(もっとマイナーなネタ入れても)ええんやで
ウオーッ!
いつもお読み頂いて本当にありがとうございます!
感謝してます……とっても感謝してます……
【ハレ】を意識すると、
インテリアの工夫のしがいが増えて楽しくなりますので、
ぜひいろいろ妄想しながらウインドウショッピングしてみてください!
(これ以上マイナーに寄せたら)たいへんなことになるで……
【ハレ】の概念がようやく理解できました〜! 眺めてみたら、うちリラックスばっかりやん……?ってなったけど、リラックス+ハレになってるからええんや〜!よかったぁ〜ꪔ̤̮
これから物を買い足したり、手放す時の基準にしますね!
あとね、ハリポタキャッスルのレストランのハーマイオニーが気になりすぎて、後半あんま入ってこなかったんです…どうしましょう。←
ウボワァーッッッ!!
お忙しい中、本日もお読み頂いてありがとうございますーッッッ!!!
うれしい! うれしい! 本当に感謝です!
インテリアの【ハレ】の視点、少しでもご参考になれば幸いです!
具体的に言うと
【グレー地のソファ】なんて
最高に落ち着けるリラックスで、
【華やかなカーテン】【かわいらしいクッション】なんて
とっても素敵な『個性かつハレ』でございます!
ぜひぜひ素敵なインテリアライフを!
あ、ハーマイオニーは唐突に差し込んだ僕に問題がありますね!
でもくわしくはナイショです!(※唐突なイケズ)