画像引用元:Hanni Koroma公式様より
【北欧インテリアの作り方】:スカンディナヴィア・ハーモニー
おしゃれな
\ 北欧インテリア /



「北欧インテリアの作り方を解説します☆」
「ナチュラルにすれば北欧になります☆」

オールドインテリア情報ですね。

そんな時代区分はないよ。

……とはいえ!!
『北欧の家具』たちにはなんとなく!!

共通点というか、
『似通ったフンイキ』があるのもまた事実!!
なんとなく
\ 似てるかも /





ただしその類似点を、
ナチュラルだけで括ってしまうのも腑に落ちないでしょう。

『北欧以外』の国だって、
ナチュラルテイストが嫌いなわけないもんね。

北欧の国同士は『地理的』に近くて、
必要な家具が偶然似ちゃうこともあるのかもしれない。

……それはそうなんだけど、
でもそれだけじゃなくて、
\ 北欧諸国 /



北欧諸国同士って、
『言語』が近いから翻訳なしでお互いの言葉がわかりますし、

『行政』の面でも北欧全体での約束事を司る、
ノルディック・カウンシルという組織があります。

北欧諸国って、
けっこう一緒に行動してるのね。

その通り!!
国はバラバラでも『北欧同士』で団結しやすい基盤があるので、

ウワサ話はすぐ広まるし、
良いアイディアもみんなで共有したりします。
おしゃれな
\ 家具デザイン /





……その結果として、
『北欧全体』に共通する類似デザインが、

自然発生的に生まれることが多々あるんです。

おおおおおおお!?
話がつながってきた!!

『この現象』もしくは
『この現象で生まれたデザイン特性』のことを、

インテリアの専門用語で、
《スカンディナヴィア・ハーモニー》といいますよ。
▼参考文献▼
【スカンディナヴィア・ハーモニー】
『北欧の家具デザインを概観すると、それぞれの国の時代背景は、微妙な違いはあるものの、北欧全体に共通するものがある。』
『これが「スカンディナヴィア・ハーモニー」と呼ばれるものであり、家具においては機能的で美しく飽きのこないことが北欧家具のひとつの特長となっている。』
※※※
引用元
『北欧インテリア・デザイン』
P44 織田憲嗣 名作はリデザインから生まれる より
【北欧デザインの基本】:自然モチーフの色柄
北欧デザインの
\ 特徴? /




「北欧家具はナチュラルなデザイン。」

これだけではよく喋る寝言ですが、
ナチュラルというのは『自然のこと』ですね。

今回はちくちく言葉が多め。

北欧諸国は自然が豊かな国でございます。

森に湖にオーロラ、
羊にフクロウにヘラジカなどなど、
自然の豊かさは『自国のイメージ』として定着しているそうです。
自然は
\ トモダチ /



例えばフィンランドは、
国そのものが自然と触れ合うことを奨励してまして、

旅行者でも誰でも私有地のキノコとか採ったりできる、
『自然享受権』なんてものまでございます。

日本ではありえないルールですな。

フィンランドの国旗って
『青と白』の二色になってるんだけど、

あれだって、
『青は湖の色』
『白は雪の色』
……とどちらも自然の色を表現しておりますよ。
フィンランド国旗は
▼『湖の色』『雪の色』▼




ブランケットとかに描かれる
『北欧クラシック柄』なんかも、

『動物』だったり『植物』だったり、
自然モチーフを使った装飾が多いでしょ?

多い多い!!
『クリッパン』とか『ラプアンカンクリ』とか、まさにそんな感じ!!

子供の頃から
北欧の価値観で育ってきた北欧諸国の人々には、

『自然をデザインモチーフにする』
……という発想がなんとなく共有されているんですよ。

意識せずとも、
『当然の価値観』として自然を尊重してそうだよね。
『動物・植物』モチーフが多い
▼北欧クラシック柄▼




《アルヴァ・アアルト》もまさにこの影響下であり、
北欧の自然を参考にするデザイナーでしたね。

さっきからずっと、
アアルトの話と似てるなって思ってたんですよ。

アアルトが先陣を切ってナチュラルデザインを流行らせ、
スカンディアヴィア・ハーモニーで北欧全土に広がった面もあるし、

アアルトは北欧人だったから、
もともと自然を大事にする素養を持っていた面もあると思います。
北欧おじ
▼《アルヴァ・アアルト》▼



ちなみにフィンランド人の苗字って、
『島』とか『石』とか自然の何かを表していることが多いんだけど、

アアルトはフィンランド語で『波』ですよ。

インテリア雑学~。

逆に言うと、
北欧って自然しかないんです。

今でこそ良いイメージがあるけれど、
『ヨーロッパ列強国』から見ると基本的には田舎扱いです。
\ ア”ア”? /



『工業』も遅れていたし、
『輸出できる資源』だって少なかった、

だからこそ、
商品への付加価値としてデザインに力を入れたのが北欧なんですよ。

じゃあ北欧デザインがオシャレなのって、
『それしかないから』『仕方なく』やったんや!!

アアルトは『バーチ材』を活用したけれど、
フィンランドが輸出できる資源は木くらいしかなかったんです。

アアルトの狙いの一つとして、
『木材そのまま』として売る以外に、
『木製家具』としても売れるようになったらいいな、
……というのは事前に構想しておりましたよ。
『輸出品目』
▼としての木製家具▼



なんにせよ、
自然に囲まれた国土だから、

良くも悪くも、
意識的にも無意識的にも、
『自然を活用』しようとする。

気候風土に根付いた、
北欧の国民性みたいなもんですな。

これぞまさしく、
《スカンディナヴィア・ハーモニー》の一つであり、

家具だけに限らず、
この意識が『北欧デザイン全般』にもあらわれておりますよ。
▼参考文献▼
【自然をルーツにする北欧家具】
「アアルト夫妻は一貫して自然のなかに見られる造形から影響を受け、ほとんどの場合、自然素材を用いたものづくりを行っていた。」
「アルテックが扱う素材は、基本的に自然界にあるものだ。創業時の1930年代、フィンランドは産業基盤が十分に整っておらず、輸入が高価だったこともあり、アルテックは地元の素材を調達することを会社の方針として固める。」
※※※
引用元
フィンランドを知るためのキーワード A to Z
p28~31『Artek』より
【北欧デザインの基本】:グレイッシュ仮説とストライプ柄



北欧人は自然をモチーフにするのが大好き。

じゃあ、
『北欧の自然』ってどんな感じなのか?

少なくとも『日本の自然』とは違うわけでしょ?

その通り!!

『照明の話』でも触れたけど、
日本と北欧では気候風土が異なります。


『日光の拡散』だったり、
『天気の悪さ』だったり、
『冬期の長さ』だったり、
……とにかく光がぼんやりしているのが北欧諸国です。

光がぼんやりしているとどうなるか?
北欧の自然もぼんやりして見えるんですよね。

ああ、言われてみればそうなのかも。

北欧について書かれた『関連書籍』を読んでいると、

『気の滅入るような灰色の初冬』、
……のような灰色という表現が頻出するんですよね。
北欧インテリアは
▼『グレイッシュ』▼






『北欧インテリアの作り方』として、
グレイッシュな色使いをするという法則、

あれってビーチ材のような、
淡色の木材との相性が良いんじゃないかみたいな話をしたけれど。

ほいほい、ウチなりの仮説ですな。

さらに加えて、

北欧人が『北欧の自然』から体得した、
『ぼんやりした色合い』の色彩感覚、
……は多かれ少なかれ関係してるんじゃないかな。
家具デザイナー
▼Hanni Koromaさん▼





↑実際に、
北欧の家具デザイナー『ハンニ・コロマ』さんは、

『北欧の冬の空はグレーがかっており』
『その色にインスパイアされて棚を作った』
……という証言をされていますよ。

ああ、本当にそう言ってるんや!!

また似たような傾向として
たとえば『ストライプ柄』なんかも、

ありふれた基本デザインの一つだけど、
北欧インテリアでは積極的に使うことが多いです。
地味に『ストライプ』が多い
▼北欧インテリア▼




これも現地の方がよく言うんですが、

北欧に住む人にとって、
延々と『細い樹木が並んだ森』は心の原風景だそうでして。

有名なシラカバも細い樹木ですもんね。

いろんな幾何学デザインがある中で、
特に『ストライプ柄』が好まれやすいのは、

ひょっとしたら、
この原風景が関係しているのかもしれません。

それだけが『決定的要因』とは言いにくいけど、
たくさんあるルーツの一つなのかもしれませんな。
窓の外には
▼『細い樹木』がある風景▼


ちょっと
▼『細い樹木』っぽい?▼




なんにせよ、
『北欧同士での情報共有』が盛んで、
『自然を活用する国民性』が元々あって、
『その価値観をもとに』インテリアスタイルが作られて、
『そんな北欧人のクリントが』昔ながらの家具をリデザインして、
『そんな北欧人のアアルトが』ナチュラルなモダンを流行させて、
『そんな北欧人のヘニングセンが』照明をグレアフリーにして、
『それをまた北欧諸国で参考にして』といった具合に、

人と環境とがお互いに影響を与え合いながら、
徐々に『北欧らしさ』というものを醸成させていった。

うむりうむり!!

『デザイナー個人』のアイディアも共有して、
『北欧全体のテイスト』につながりやすいんですな!!

このような北欧全般で共有される類似デザイン群を
《スカンディナヴィア・ハーモニー》と呼び、

これこそが
『北欧インテリアらしさ』の本質部分でもあり、
『北欧インテリアはナチュラル』と言われる理由の一つでもありますよ。
ハンニ・コロマ氏が『北欧の空』に
▼インスパイアされた棚の色▼


ラインデザインを強調する
▼『アアルト・マイレア邸』▼






▼参考文献▼
アアルトの元で実際に働いた
【日本人 武藤章さんによるマイレア邸の考察】
『ここに再現されたのは夏のフィンランドの自然である。熱帯や亜熱帯の自然と違う北方の自然である。』
『多種の常緑樹がそれぞれ個性を持って群生している自然ではなくて、真直ぐな細い幹の落葉樹が整然と群生した自然である。』
※※※
引用元
アルヴァ・アアルト (SD選書 34)
p93『5章 自然の感触』より
【北欧デザイン】:スカンディナヴィア・ハーモニーでした!


というわけで!!
『北欧インテリア』の世界には!!

《スカンディナヴィア・ハーモニー》という、
超重要な概念がございます!!

正直、初めて聞いた単語でしたわ!!

まあ『ハーモニーという言葉』を、
そのまま使うかどうかは説明の仕方にもよるんだけど!!

このような『概念自体』は、
北欧インテリアの根底に確実に埋まっておりますので!!



「北欧インテリアはナチュラル」
という言説の全てが間違いとは言えないけれど!!

『それだけが特徴の全てではないし』
『ハーモニー全体の中の一要素がナチュラルやで』
ということはなんとなく頭の端に置いて頂けましたら幸いです!!

量産型のインテリア情報は、
何も知らずにナチュラルって言ってる気がして怖いぜ!!

北欧インテリアを作りたいとき!!
北欧インテリアっぽくしたくないとき!!
北欧インテリアを誰かに説明したいとき!!

よかったら、
指針の一つにしてみて頂けましたら幸いです。
ハーモニー
\ 出てる出てる /




ではでは本日はこんなところで!!
素敵な『北欧インテリア生活』をお楽しみくださいませ!!

《スカンディナヴィア・ハーモニー》って言葉を、
知ってるだけでも格好良いですよ。

それは分かる。
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今回も他では聞いたことのない情報でした。
ありがとうございます。
うおおおお!!! こちらこそ見て下さってありがとうございます~!!!!
本日も大変勉強になりました!
3ヶ月間、カジマク先生の記事や動画で猛勉強し、1月から家具ゼロからトンマナを守り家具を買い漁り、ようやく最近憧れの北欧風の部屋のベースが整いました。
これからちょっとずつお部屋に彩りを与えていく楽しい時間になりますが、この記事を見て、ウッドののっぺりとしたテレビボードの前面に角材を縦に貼り付けまくって縦格子にすることを決意しました!
猛勉強によりブランケットとぽれぽれ動物の収集癖が付いてしまったのがたまにキズですが、毎日部屋を良くしようと試行錯誤する時間がとても楽しいです。
毎度勉強になる記事ありがとうございます!
わ~~!!! ご参考にして下さってありがとうございます~~!!!!
なんて楽しそうなお部屋の試行錯誤!!! とっっっても素敵だと思います!!!!
北欧系でしたらシリーズ記事まだ続きますので、
少しでもお役に立てるように更新がんばりますね!!!!
(収集癖は完全に怪しいブログのせいですね!!!!笑)
毎回ためになるお話ありがとうございます
どんな部屋にするか考えていますが、あれこれ考えてばかりでちっとも進まないのでジプトーンの天井を白く塗るとこからスタートぅしてみます
天井DIY楽しそう~~!!!!!!!
僕もそのうち壁・床いじりたいと思ってるんですがなかなか手が回らないものでして!! いいないいな!!
今回もためになるお話をありがとうございます。
クラシックインテリアは彫刻!天井画!ステンドグラス!諸々足し算の様式だから、お金と人材が豊富な英仏独墺伊などの主要国が主流になるのは当然ですよね。
近代化でモダンインテリア誕生&環境保護やオーガニック志向の高まりによって、シンプル&自然派な北欧インテリアの評価が高まったんだろうなと感じます。知識とテクニック次第で素敵なインテリアを作りやすいので、クラシックインテリアに比べて経済格差を感じにくいのも魅力的ですね。
前近代から侘び寂びやもののあはれ的なシンプル&自然派志向が確立されていた日本の住居と相性が良いのは納得です。千利休もヴェルサイユ宮殿は駄目でも、Japandiなら受け入れてくれるかも?と想像します。
人気はあるけど今いち全体像が掴みにくかった北欧インテリアを丁寧に紐解いてくださってとても助かります。
今年も先生のブログで少しでもインテリア偏差値を上げられるよう頑張りますので宜しくお願いいたします!!
ウオオオオオオ!!!!
ガッツリ考察ありがとうございます~~!!!!
もうゆうさんのコメント自体が記事の副読本や……笑
(まさに千利休は和風インテリアのお話をするときに触れる可能性ありますフフフ…)