※画像引用元:Artek公式様より
【北欧インテリアの重要人物】:アルヴァ・アアルト紹介
『国籍不明』が
\ モダンスタイル /
モダン家具の特徴は!!
《インターナショナルデザイン》!!
地域性によらない、
『世界共通』のデザインがモダンです!!
ういうい!!
だけど北欧モダンは例外で!!
ちょっとだけ『北欧らしさ』がある、
イレギュラーなモダンでございます!!
ちょっとだけ
\ 『北欧らしさ』があるよ /
ならば、
その『北欧らしさ』とはいったい何なのか!?
そうだそうだ!!!
北欧に生えてる『ビーチ材』を活用することや!!
クリント派による『昔ながらの家具』をリ・デザインする手法などが!!
北欧のモダン家具に、
『北欧ならではの独自性』を付加しているのでした!!!
中国クラシックの椅子
▼『クワン・イ』▼
ウェグナーがリデザイン
▼『CH24 Yチェア』▼
イエーイ!!
もう余裕で分かりますわ!!!
『北欧インテリア』完全に理解した!!!
馬鹿野郎!!!
なんでやねん。
前回は『北欧デンマーク』
▼今回は『北欧フィンランド』▼
クリント派とかビーチ材とかは、
北欧の中でも『デンマーク』のエピソードです。
野蛮なデーン人どもの話です。
ヴィンランド・サガ引きずってますよ。
北欧モダン家具を育てた
『重要人物』は実はデンマークだけでなく、
同じく北欧の国、
フィンランドにも居たんですよ……。
北欧の賢人
▼【アルヴァ・アアルト】▼
本日のお題は!!
フィンランド人デザイナー《アルヴァ・アアルト》!!
いわゆる『北欧インテリアっぽい』デザインは、
この人が発明したものも多いですよ。
知らない!!!
誰よその男!!!
『フィンランド紙幣』の
肖像になったこともある有名人やで。
アルヴァ・アアルト
▼『フィンランド紙幣』▼
《関連記事》
【北欧インテリアの特徴】:人間のためのモダニズム
アルヴァ・アアルト
▼ご本人です▼
アルヴァ・アアルトは
まさに『モダニズム時代』に大活躍した建築家なのですが、
バウハウス勢よりも、
ちょっとだけ若い世代でございます。
じゃあバウハウスのことを、
知ってる世代ってことね。
ですです!!
モダニズムの知識はあるけれど、
『納得いかん』と主張した男ですよ。
バウハウスの発想は
\ 『堅苦しすぎないか?』 /
モダニズムって、
『機能主義だ!』『機能主義だ!』と言うけれど、
アアルト的にはそうではなくて。
ヌーン?
合理性だけでなく、
『人間の心理』も要素としてちゃんと含めて考えて、
実際に人が暮らしたときに、
『居心地の良い家財』を作ってこそ本当の機能主義ではないか?
『人間の気持ち』だって
\ 大切でしょ /
……これがアアルトの主張であり、
従来型のモダニズムを『狭義の機能主義』とした上で、
人間のためのモダニズムを『大きな機能主義』と再定義しました。
いいじゃない!!
このアアルトの発想は、
インテリアの『歴史家さん』たちにも大人気でして、
『有機的モダニズム』
『新しいヒューマニズムの建築』
『人間中心のモダニズム』
『人間的機能主義』
『レスアンドモア』
……などなど、好き勝手に名付けられておりますよ。
それは混乱の元や。
『人間のための』
▼モダニズム▼
アアルトは、
この『人間のためのモダニズム』を実現するにあたって、
『自然のなかにある造形』をデザインに取り入れたり、
『自然のなかにある素材』を用いたりして家財や建築を作りました。
それだよ!!!
顧客が本当に必要だったモノは!!!
アアルトにとっての『自然』とは、
フィンランドの自然のことです。
『フィンランドの自然』と
▼共にあるアアルトの家具▼
彼のデザインした建築や家財は、
『フィンランドの風土』をたくさんインスピレーション元にしておりますよ。
完全に《ヴァナキュラーモダン》の発想ですな!!
ただしコレ、
自分達だけ「斬新でイイネ」と思っていても仕方ありません。
アアルトは『専門家』と『一般人』との間に、
意識のズレがあることを問題視しておりました。
北欧家具ブランド
▼《アルテック》▼
↑そこで彼は、
北欧家具ブランド《Artek|アルテック》を創業。
『家具を販売するだけではなく』
『展示会や啓蒙活動によってモダニズム文化を促進すること』
……という目的を掲げましたよ。
うおおおおお良い奴じゃん!!
その調子で頑張りたまえよキミィ!!
誰相手にモノ言うとんねん。
『高い理想』を掲げた
▼家具会社でした▼
【アアルトのデザイン】:バーチ材・ラメラ曲げ木・フリーフォーム
『アート+テクノロジー』で
▼アルテック▼
そんなアアルトが作った家具には、
どんな特徴があったのでしょうか?
その特徴が、
イコール『北欧家具の特徴』でもあるってこと?
そうそう!!
彼の作品は『のちの北欧デザイン群』にも大きな影響を与えたので、
『アアルトらしさ』は、
『北欧インテリアらしさ』とすごく連動してますよ。
『アアルト』らしくて
\ 『北欧』らしい /
アアルト家具の特徴、『1つ目』!!
家具の材料に、
バーチ材をたくさん使ったこと。
バーチ材って何だっけ。
ようするに白樺(シラカバ)のことです。
『フィンランドの国樹』ですよ。
あの白樺!?
『北欧アイコン』をそのまま家具に使ったの!?
北欧アイコン
▼『シラカバの木』▼
アルテックの創業当時、
『バウハウスには産業基盤で勝てないし』
『材料を輸入するのも高価になるし』
『そもそもモダン素材って好きじゃねえし』
……と色んな問題にぶつかったアアルトですが、
彼はそこであきらめず、
「じゃあ、地元の素材でいいよね」と判断しました。
普通そうなるかな?
フィンランドは『森の国』、
デンマークと違って国土の7割が森林なので資源はたっぷりです。
特に白樺は自国のアイデンティティでもあるため、
これを活用することを『アルテック社の方針』として定めます。
\ まあ使うか /
ようするにアアルトは、
モダニズムの時代に、
『うちの国の森でよくとれる木』を使った男ですよ。
アアルト氏、
バウハウスの言うこと全然聞かねえな。
アルテック社が使うバーチ材は、
まさに北欧インテリアの地域性『ヴァナキュラー要素』そのもの。
白樺って実際は、
『細長かったり』
『節が多かったり』
あんまり家具には向いてないんだけど、なんとか技術を開発して活用しました。
『大きな板』が取りにくくて
▼苦労も多い木材です▼
アアルト家具の特徴!!
2つ目……《ラメラ曲げ木》!!
白樺を活用するために生まれた、
アルテック社ならではの『曲げ木技術』ですね。
ほーんほーん!!
ここでも曲げ木が開発されてたんや!!
アアルトは1928年に
バウハウスの家具を研究するべく、
マルセル・ブロイヤーの名作、
『カンチレバーチェア』などのスチールパイプ系の家財を取り寄せたのですが……、
マルセル・ブロイヤー
▼『カンチレバーチェア』▼
実物を見て、
「スチールパイプって冷たい印象だよ!」
「革新性はあるけど機能主義すぎるよ!」
……とハッキリ難色を示したうえで、
じゃあスチールパイプじゃなくて、
「バーチ材でこれを作ればいいよね」と結論付けました。
普通そうなるかな?
元ネタ丸出しの『モデル21』を経て、
なんやかんやでラメラ曲げ木という新技術を開発、
白樺のループ脚を使った
名作椅子『パイミオチェア』を完成させました。
元ネタの
▼『カンチレバーチェア』を…▼
まずは軽く
▼真似しつつ…▼
ラメラ曲げ木
▼『パイミオチェア』を完成▼
↑こんな北欧家具、見たことあるかも!!
パイミオチェアは、
現代における『北欧インテリアらしさ』の代名詞のようなデザインですね。
似てる家具もいっぱいあるけど、
『全てアアルトのオマージュ』と言っても過言ではないと思いますよ。
色んなブランドでパクられてそう!!
アルヴァ・アアルト
▼『スツール60』▼
↑パクリといえばこちら、
世界で最もコピーされた椅子『スツール60』。
これもアアルトが作った、
北欧らしい名作家具でございます。
スツール60も『ラメラ曲げ木』?
厳密に言うなら、
成形合板を曲げる『ラメラ曲げ木』に対して、
無垢材を曲げる『L-レッグ』という別の技術が使われているのですが、
趣味のレベルでしたら、
あんな感じの曲げ木がアアルトだくらいの認識でも全然OKですよ。
『かさねた薄い板』を曲げるのが
▼ラメラ曲げ木▼
『ラメラ曲げ木』を活用した
▼色んなアアルト製品▼
『無垢材の一部だけ』に
薄い板をかさねて曲げるのが
▼L-レッグ▼
『L-レッグ』を活用した
▼色んなアアルト製品▼
アアルトらしい家具デザイン、
ラスト3つ目……《フリーフォーム》!!
フリーフォームというのは、
ウチ用語でいうところの『フリーハンド曲線』のことですよ。
ほいほい、
手描きみたいなグニャグニャの線のことね。
モダニズムの『幾何学デザイン』と真逆やないか。
お部屋の『天井』が
▼フリーハンド曲線です▼
アアルトの美学としては、
幾何学デザインって堅苦しくてイマイチだったんですよね。
ようするに、
『タテ線・ヨコ線』『丸・三角・四角』ばかりのモダニズムに、
『フリーハンド曲線』を持ち込んだのがアアルトなんです。
『人間のためのモダニズム』として、
『自然の中にある造形』を取り入れた人なら、
……まあ~順当な結論ですかねえ。
アアルトのノリ、
だんだん慣れてきたかもしれません。
フリーハンド曲線
▼『アアルトベース』▼
アアルトは、
『モダニズム』と『ナチュラルさ』との共存を目指し、
幾何学にひずみを加えていった結果として、
最終的に《フリーフォーム》を会得しておりますよ。
ああ、
いちおう幾何学スタートでの結論なんだ、
湖に浮かぶ島がモチーフの『アアルトベース』、
まるでオーロラのような『うねる木製の壁』、
自由に角度が付けられる『パーテーション』などなど、
……色んな作品にフリーフォームが採用されています。
アルヴァ・アアルト
▼『パーテーション 100』▼
↑特に『パーテーション』!!!
アルテック製の40万円くらいする仕切り板!!!
嘘でしょッ!!?
あれがどうして人気なのかというと、
あの有名なアアルトのフリーフォームを自宅に取り入れられるからなんですよ。
ただのお風呂のフタじゃないぞ!!!
言ってない言ってない!!
アルヴァ・アアルト
▼『シエナ柄』▼
【シエナ柄】
北欧アイコンとしてご紹介した
『シエナ柄』も
アアルトのデザインです。
一見すると
『幾何学デザイン』っぽいですが、
機械的に引いた線ではなく
手描きされており、
柔らかい印象を持ってますよ。
【特徴を覚えて】:おしゃれな北欧スタイルを楽しんで。
北欧デザイナー
▼『アルヴァ・アアルト』でした!▼
というわけで!!!
フィンランドの奇才《アルヴァ・アアルト》!!
うむりうむり!!!
機能主義に偏ったモダニズムに対して、
『人間のためのモダニズム』を提唱した人物であり!!
そのデザインの特徴として、
フィンランド土着の『バーチ材の活用』!!
スチールを使わない『ラメラ曲げ木』!!
手描きのような曲線『フリーフォーム』!!
……などなどが有名なのでした!!
『北欧デザイン』の
▼金字塔なのです▼
これらに似たアイテムを選ぶことで、
『北欧インテリアらしさ』を表現することもできますし!!
これらに似たアイテムを見つけることで、
『北欧インテリアらしさ』を見抜くこともできますよ!!
なんにせよ、
「北欧はイレギュラーなんだねえ」という気持ちと、
「ちゃんとモダン文脈なんだねえ」という気持ちと、
……どっちの感覚も味わえましたな。
ヴァナキュラーだけど
▼『モダンの文脈』▼
ヴァナキュラーだけど
▼『モダンの文脈』▼
てゆーかさ。
アルヴァ・アアルト氏、
すごいのは分かったけど変人すぎない?
アルテックの仕事場で、
才能あるデザイナーさんたちが忙しく働いてるところに、
下ネタソングを歌いながら
入ってくるオッサンだったらしいです。
妙なエピソードを増やすな。
▼メンタルが強すぎる▼
FLYMEeで『北欧家具ばっかり』
▼表示できる便利機能▼
楽天市場で検索
▼『Artek』▼
今回使った
▼《参考文献》▼
アールトの住宅 AALTO:10 Selected Houses
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望まれない方はサイト外でお買い物を楽しんで下さいませ~。
今年最後の記事、ありがたく読ませて頂きました。
なぜ有名な北欧インテリアはモダンデザインばかりなのか?なぜ白っぽい木材が多いのか?北欧の国それぞれにデザインの違いはあるのか?
個人的な北欧インテリアの疑問が色々と解決いたしました。
確かに北欧はクロンボー城など一部を除き、あまりクラシックな建築やインテリアは有名ではありませんよね。英仏独伊など主要国が有名すぎるのも大きいでしょうが。しかし安易な主要国の模倣に留まらず、試行錯誤を繰り返してモダンデザインを大きく発展させた功績は素晴らしいと思います(バウアウスの言うこと全然聞かねえアアルト氏には笑ってしまいましたが)。
またアアルトベースの食器で日本の織部焼を思い出しましたが、人種や民族に関係なくフリーハンド曲線には人をリラックスさせる効果があるのかも?と感じました。
単なる印象論や経験談に終始せず、客観的・論理的な説明をしてくださるカジマグ先生のブログにいつも感謝しております。
今年もあと数日となりましたが、先生もオタ君氏も素敵な年末年始をお過ごしくださいませ。
年明けにまた元気なお二人の掛け合いを拝見できることを楽しみにしております。
うおおお嬉しい!!!!!
北欧シリーズすごく気合入れて書いてまして、楽しんで頂けるととっても報われます!!!!
そして良い着眼点~~!!!!!
英仏独伊などはかなり強国でして、
北欧はそれと比べると国力が弱かったため、
なんとかして挽回するため『産業の付加価値として』モダンデザインに力を入れた歴史があったりしますよフフフ……。
お気遣いもありがとうございます!!!
こちらこそいつも見てくださる皆様のおかげで今ここに立っております!!!
感謝の気持ちを忘れぬように、気を引き締めて来年も頑張って参りますね。大感謝&良いお年をでございます!!!
家具屋さんのサイト巡回をしていたらyoutubeに先生の動画がサジェストされ、その後なんやかんやで全ての記事を拝見致しました。
好きじゃないテイストというだけでダサく見えたり、偏向的な情報に辟易していたり、うちのインテリアはこれ本当に大丈夫か?など、限られた知識で暗中模索する日々を過ごしておりました。そんな折に先生の論理的な説明を受け、視界が開けた様な、そんな思いでおります。
国内メーカーの最近のプロダクトも、幾何学的な美しさはありつつ人体工学的に~みたいな、大きな機能主義に影響を受けているっぽい印象を受けますし、モダン建築でも木材を積極的に使ったり、モルタルの使い方ひとつとってもなんとなくぬくもり重視みたいなのが多い気がする…アールト御大って、ひょっとしなくても偉人なんですかね!?
わあ~~~~!!!
嬉しいコメントをありがとうございます~!!!!
すごく前向きに記事たちの趣旨を吸収して下さっていて、とっても作者冥利に尽きます!!!
少しでもご参考の足しになれておりましたら何よりでございます!!!!
アアルトの偉人っぷりも気づいてしまわれましたか……!!!!笑
国内ブランド様のお話もそのうち話題にしていきたいですねえ~!!!