【モダンなデザイン】:見た目で判断できますか?
『モダン』でおしゃれな
\ インテリア /
『ダサい家具はダメですよ~』
『モダンな家具を選びましょう~』
……モダンって何?
『知ってて当然』で通せるほど、
わかりやすい概念じゃないだろ!!
実際あなたにとって、
『モダンなインテリア』ってどんなイメージでしょうか?
ゼロベースのイシューが
\ コンセンサスなんだよね~ /
『ベンチャー社長』がイキりながら、
『タワマン』の偉そうな部屋に、
『銀色パイプ』のデカいソファを置いて、
『どーでもいい場所を』照明で照らしながら、
『大理石のキッチン』を磨いて生活するような、
下品なやつ。
オブラートに包め。
『モダンな家具』
『モダンじゃない家具』
▼見分けられますか?▼
え~~よく誤解されるんですが、
あれは下品ではなく『上品の究極系』です。
そんなワケあるか。
自分とは趣味の合わない
東京のモンスターが住んでるお部屋のことでは決してなく、
どんな部屋作りにも関わってくる、
めちゃくちゃ重要な『家具の基本形』がモダンなんですよ。
決して『マニアック』な
▼概念じゃないんです▼
本当は『インテリアの大原則』なのに!!
びっくりするくらい誰も教えてくれないアレのやつ!!
モダンとは何なのか?
誰でも説明できるように言語化して参りましょう!!
それこそセンスの領域なのでは……。
《関連記事》
【インテリアの歴史】:『クラシック』と『モダニズム』
『どんな特徴が』
▼モダンなのでしょう▼
世間一般では《モダン》と言いますと、
『今風の』とか
『現代的な』とか
『モードな』みたいな、
最先端でトレンディーなニュアンスを形容する言葉ですよね。
まあそのニュアンスもよく分かんないけど、
雰囲気的にはそんな感じですよね。
ですがインテリアの世界では、
『モダニズム』のことを指してモダンと言います。
いわゆる『最先端』を表す
▼モダンとは意図が違います▼
実は『インテリアのジャンル分け』って、
一番大きく分けると2種類しかありません。
《①クラシック》
《②モダン》
……この2種類ですね。
そうなの!?
この①②のうちの、
《②モダン》の方ですよ
ということを伝えるのが、
『インテリア業界』のモダンという言葉なんです。
語源は同じだけど
▼『伝えたい意図』が違うんです▼
人類は『紀元前』から
ウン千年の長い間ず~~~~っと、
『職人が作る』『格調高い』『伝統的な』
インテリアを楽しんで暮らしてきました。
『ゴシック様式』とか
『ロマネスク様式』とか
『バロック様式』とか、
オタクなので名前だけは聞いたことがあります!!
それそれ。
『歴史の教科書』に載ってるような、そういうやつね。
こういう
▼イメージです▼
そんな時代に『新しい建物』を建てたいときって、
『教会を建てよう!』『じゃあゴシック建築だな!』
『市庁舎を建てよう!』『じゃあ新古典主義様式だな!』
……みたいに、歴史の中から選んでスタイルを決めていたんです。
ほいほい。
過去に色んな建築様式があるから「どれにしよっかな~」って感じですね。
これが《①クラシック》。
長いインテリア史の『ほとんど全部の期間』がコレね。
こういうのが
▼《①クラシック》▼
んで『西暦1800年代』くらいまでは
ず~~っとクラシックの世界だったんだけど、
そこで《産業革命》が起こりました。
こないだ教わりましたね。
『鉄』とか『工場』とかが生まれて、生活が一変したとか。
産業革命で『大量生産』ができるようになって、
人々の暮らしは豊かになった面もあるのですが……、
人類はここで初めて、
量産による『チープな商品』『チープなデザイン』を目の当たりにしたんです。
20世紀中ごろまで
▼『チープ』が一世を風靡します▼
産業革命のおかげで、
『鉄・ガラス・コンクリート』が大量に使えるようになって!!
『鉄筋コンクリート造』も発明されて、
家具も建築も自由なデザインが作れるようになったのに!!
ふむふむ。
『木』とか『石』じゃ作れないデザインだってありますもんね。
――なのに!!
建築は『過去の様式』をマネするばかり!!!
世にあふれる商品は『チープな粗悪品』ばかり!!
このままで
\ いいのかしら /
ここで「ちょっと待てよ」という活動が
世界中で同時多発的に沸き上がったんです。
今こそ『デザインというもの』を、
ゼロから考え直してみるべきではないか?
ようやく気付きましたか。
過去のことはいったん全部忘れましょう。
『産業革命の技術がある前提で』
『この文明にふさわしい新様式を』
『ゼロから考えなおしてみましょう』
これがモダニズム運動。
この思想で生まれた家具が《②モダン》の家具ね。
《関連記事》
【モダンはどんなデザイン?】:『新技術』と『装飾の否定』
こういうのが
▼《②モダン》▼
……という経緯により、
『家具・インテリア』を大きく分けると2種類になるんです。
『モダニズム以前』のものがクラシック家具、
『モダニズム以降』のものがモダン家具ね。
それって、
デザイン的には何が違うの?
モダニズムのデザイン、
一番大きな特徴は『伝統的な装飾』の否定です。
『伝統の抹消』が
▼モダンの大きな特徴です▼
クラシックの時代って、
『装飾こそが美しさ』という考え方だったんです。
足し算の美学ですね。
『リボンを足した方がかわいい』みたいな。
食器は『金銀細工で飾りましょう』
家具は『柄物ファブリックで覆いましょう』
壁や天井は『彫刻でデコボコにしましょう』
『素材そのまま』の状態が一番ダサい。
『装飾の追加』をすればするほど美しい。
……そういう価値観が当たり前だったわけね。
クラシックは
▼『装飾』大好き▼
手前の『ドア1枚』に
▼どれだけ加飾あるねん▼
そこへ流星のごとく現れたモダニズム。
『形態は機能に従う』……機能主義を提唱しました。
デザインは『機能のため』にあってこそ美しく、
意味のない装飾は不要だと考えたわけですね。
その発想、
このとき初めて生まれたの!?
ビックリしちゃうでしょ。
実は『機能美』って、
最初からみんなが持っていた感性ではないんですよ。
『足すことが美しさ』だと
▼ずっと思ってました▼
『足すことが美しさ』だと
▼ずっと思ってました▼
クラシックの時代だって、
『装飾ハデハデ』なクラシックが流行したり、
『装飾控えめ』なクラシックが人気になったり、
……ハレ感を求めるトレンドの変遷はあったんだけど、
ここまで極端に
『機能のない装飾が否定された』のは人類史初なんです。
完全に真逆の判断基準が生まれたわけね。
かくして!!
過去の『インテリアの歴史』を全部ひっくり返した、
モダンの新世界が生まれたのでした。
『機能に従わない』
▼『伝統的な装飾』はナシ▼
家具や調度品は、
『機能に従って』『余計な加飾はナシ』!!
建築もシンプルに、
鉄・ガラス・コンクリートで作った『四角い箱』に住みましょう!!
ほへぇ~~、そうなったんや!!
極端な話ですなあ!!
《①クラシック》は装飾を尊重する価値観
《②モダン》は装飾を否定する価値観
……これが一番大きな違いですので覚えておきましょうね。
『上品の究極系』が
▼モダンです▼
食器に『絵柄』が描いてあるのが当然だった時代、
柳宗理が問屋さんに『無地の陶器』を持ち込んだら、
「絵付けはこれからするのか?」
という質問をされてしまった、なんてエピソードまでありますよ。
そりゃそうなるよね!!
建築家アドルフ・ロースの名言
▼『装飾は犯罪である』▼
【モダンの意味を理解して】:素敵なインテリア生活を!
伝統的で装飾的
▼《①クラシック》▼
というわけで!!
『家具・インテリア』は大きく分けて2種類!!
《①クラシック》《②モダン》の2種類ですな!!
よく言われるモダンという言葉は、
このカテゴリー分けの《②モダン》を指しています!!
『なんか都会的な雰囲気』
……という意味ではないから勘違いしないように!!
新技術で無装飾
▼《②モダン》▼
『加飾こそ美しさ』がクラシックの価値観!!
『機能美こそ本質』がモダンの価値観!!
とかくミニマリズムがもてはやされる昨今ですが、
『足し算』の美学も、
『引き算』の美学も、
人類史にはどっちもあるんだよ!!
ニトリで『柄物カーテン』選んじゃうのは、
人間の本能みたいなモンなんですね。
せっかくだから『カーテンは柄物』!!
せっかくだから『ボディバッグはツートンカラー』!!
せっかくだから『ガンプラは両手に武器』!!
オシャレしたくて足し算しちゃうのは、
わりと『人類普遍の感覚』です!!
『モダン』という価値観は
▼昔はありませんでした▼
装飾を『足す方が豊かなのか』
装飾を『引く方が豊かなのか』
……これはインテリアの歴史で数々の偉人たちが議論してきた難題であり、
そう簡単に『どちらが正解』と割り切れる話ではありません。
『機能美』なんて価値観が生まれてから、
まだまだ歴史が浅いんですものね。
少なくともその辺にいる
量産型インフルエンサーさんが、
『レスイズモア(少ない方が豊か)』
などと軽々しく断言できるものではありません!!
モダンだけが正義
▼『ではありません』▼
でも、だからこそ、
『クラシック』と『モダン』のどちらの価値観で今は話をしているのか、
……という意図を伝えるために、
モダンという言葉が役に立つわけですね。
『両方ごちゃまぜ』で考えてるせいで
インテリア分かんなくなってる人も多そうですね。
そゆことでございます!!
それでは最後に!!
モダンを見分けられるかクイズをして終わりましょう!!
↑こちらのお部屋はどうでしょう!!
めっちゃ伝統的な装飾~~!!!
これは《①クラシック》の世界観です!!
OKオーケー、ばっちりです!!
↑では、こちらは如何でしょう!!
『説明』を聞いた後だとめっちゃ分かるわ。
『伝統的な装飾』が無くなってるので、
こちらは《②モダン》の写真ですね。
良い調子です、大正解!!!
それでは『ラスト』参りましょう!!
↑こちらのお宅はどうでしょう!!!
ん? え? あれ?
ひょっとしてこれ、
……日本のクラシック?
パーフェクト!!!
素敵な『モダンインテリア』生活をお過ごしください!!
▼まとめ▼
【まとめ】
■
インテリアの様式は、
大きく『2種類』に分けられます。
■
《①クラシック》
昔ながらの技術を使った
伝統的な様式。
『装飾』大好き。
■
《②モダン》
産業革命の技術を使った
新様式。
『機能美』大好き。
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望まれない方はサイト外でお買い物を楽しんで下さいませ~。
モダンの記事ありがとうございました!!
インテリア以外のオシャレ分野におけるモダンと、インテリアにおける表現がなんで違うのかなーとぼんやり思っていたのですが、単に1ジャンルだからというわけではなく、歴史的な意味だったのだとよく分かりました。引用されている文献面白そうです。こちらのブログは参考文献をよく載せて下さっていてそれがとてもありがたいです。半分教養目的なのですが、専門外すぎて全然文献が探せないので。ありがとうございます。
こちらこそ、いつもご参考にして頂いてありがとうございます!!!
モダンは超巨大概念なので、引き続きガシガシ話題にして参りますね!!!
参考文献、探すのほんと難しいですよね……。
ご興味ある方もいらっしゃると思うので、落ち着いたら『おすすめ書籍』をまとめた記事を作りたいな~と思ってます。
ほんとにね……インテリアの資料は当たり外れが激しいものでね……自力で探すと心が折れるのが普通だと思います 笑
モダンとクラシックのお話大変勉強になりました。
私は、この春から上京し一人暮らしを始めた新社会人で少しずつカジキさんの記事を参考に自分好みの部屋を作っていこうと思っています。
そこで質問なのですが、インテリアコーディネートを行う際、モダンとクラシックの統一及びジャンル(北欧,インダストリアルetc)の統一も意識した方がまとまりのある(統一感がリラックスにも影響する?)部屋になりやすいのでしょうか?
ご参考にしてくださってありがとうございます!!
今回まだモダンシリーズの第一話でして、これから順々に詳細や具体例のお話に入って参ります!!
気長にお待ち頂けましたら該当の話題が出てくると思いますが、お急ぎでしたら『クラシックの国は統一する』だけでも意識しておくと後で困ることが減ると思います~。
YouTubeから来ました!
インテリアのモダニズム、なんとなーく感覚はありましたが、生まれた背景から説明して頂くととても分かりやすかったです。
そこでひとつ疑問があるのですが、時代的にクラシックになるんだろうな、と思うんですが、日本の茶室などはどちらの方に近いんでしょうか。
生まれた時代や、そもそも実用目的ではない部屋(生活する為の部屋ではない)であることを考えると「クラシック」ではありますが、装飾もかなり抑え目で目的に忠実な部屋でもあると思います。
かなり特殊な例ではあると思いますが、見解をお伺いできれば嬉しいです。
日本の茶室は『クラシック』です!!!
なのですが、そのあたり実は込み入った事情が沢山ありまして、おいおい記事にして解説させて頂く予定なので気長~にお待ち頂けましたら幸いです。
めちゃめちゃ良いところに目をつけて頂いてドキッとしました 笑
ありがとうございます!
『クラシック』ですが色々と事情があるようで、他の記事を読みながら気長に楽しみにお待ちしています!