【推しの子で学ぶインテリア。】:アイドルと偶像とインターナショナルデザインの話。|【モダンスタイル】

画像引用元:アニメ『【推しの子】』公式サイト様より

【推しの子で学ぶインテリア】:モダンデザイン豆知識

    

    

本日は!!

『アニメで学ぶ』インテリアでございます!!

注目の参戦タイトルは~~、

大人気の推しの子だあーーッッッ!!!

ウオオオオオオオオ!!!

ビッグタイトル!!!

今日は【推しの子】と関連の深い、

アイドルの世界を覗いてみましょう!!!

きらびやかなテーマですなあ!!

     

本日のテーマは
▼こちら!▼

       

題して!!!

……推しの子で覚える、

偶像崇拝|ぐうぞうすうはい》。

流れ変わったな……。

      

     

インテリアの世界ともアイドルの世界とも

関係が深い偶像崇拝につきまして!!!

今日はじっくり深掘りして参りましょう!!!

深掘れ☆ワンチャン!!

BOW!!

    

【推しの子で学ぶインテリア】:アイドルと偶像崇拝

    

さて、そもそも!!

偶像崇拝がどうとか以前に、

偶像って一体何のことなのか?

そこがもう分かんないです!!

実はですね。

idol(アイドル)を和訳すると『偶像』なんですよね。

【推しの子】本当に関係あったんや。

    

偶像
▼【idol|アイドル】▼

    

偶像の具体的な例として、

……狭義では、

『神様の像』とか『仏像』とか『神様の絵画』とかのことを指しています。

宗教用語じゃん!!!

ようするに神をかたどった像のような、

神様本人の代わりに

信仰の対象になっているもの

……のことを偶像と呼びますよ。

       

偶像とは
▼『神様の像』とか『仏様の像』とかのこと▼

      

転じて、

『熱狂的な信仰者』がいる人のことをアイドルと呼びます。

神様本人ではない』『信仰の対象だからね。

完璧で究極の『神様本人』ではなくて、

完璧で究極の『神様を演じる』のがアイドル!!

そゆこと、そゆこと!!

     

本当は人間だけど
▼『神様を演じている』▼

     

なので偶像ってさ。

見方によっては、

自分が神様だという嘘をついてるわけでもあるんです。

まあまあまあ、

『演じる』のも嘘といえば嘘ではあるしね。

ですので、

宗教の種類によっては……、

『神様の像』や『神様のアート』などの

偶像を崇拝することは禁止されることがありました。

    

ショック
▼受けちゃうもんね▼

   

『偶像は神様本人ではなく偽物だよ』

『神様だけが完璧で究極の存在だよ』

『ホンモノの神様だけを唯一信仰しなさいよ』

……ということですね。

『嘘はとびきりの愛』だと考える人もいれば、

『嘘なんて許せない』という人もいますわな。

偶像崇拝を禁止している文化圏では、

『神様そのもの』を描いたら偶像崇拝になっちゃうから、

具体的なモチーフを描かずに

神様の世界だけを表現する

……みたいなアプローチが発達することがありました。

   

嘘が許せるファンも
▼許せないファンもいます▼

    

そのテクニックの一つとして、

よく重宝されたのが幾何学模様なんですよね。

インテリアの話につながった!!!

たとえばイスラム教は偶像崇拝禁止です。

神様の代わりになるようなモチーフは使わず、

デザインの分野では『幾何学模様』『唐草模様』『アラビア書道』などが活躍しましたよ。

     

イスラム教の聖地
▼メッカにある『カアバ聖殿』▼

【カアバ聖殿】

 ムスリムは、写真中央の『カアバ聖殿』に向かって礼拝します。

 ただしイスラム教は偶像崇拝禁止のため、
 カアバ聖殿そのものに祈っているのではなく、四角い箱の『中身はカラッポ』です。

 カアバ聖殿は礼拝の方向を定めているだけの存在であり、ムスリムの皆さんはあくまで本物の神様に対して祈っているという作法になっています。

      

【推しの子で学ぶインテリア】:幾何学模様と地域性

   

『幾何学』って
▼そもそも何のこと?▼

       

そもそも『幾何学模様』とは何なのか?

そういえばよく分かんないね。

たとえば『三角形』とか『円』とか『直線』のような、

単純な図形の組み合わせ

……で出来ているデザインのことを幾何学模様と言いますよ。

       

六角形の幾何学模様
▼『ダビデの星』▼

           

幾何学デザインって、

『モダンインテリア』の解説のときにも触れたでしょ?

覚えてる覚えてる。

単純な図形そのものに国籍はないので、

『丸』とか『三角』とか『四角』とか、

そういうのは基本的にインターナショナルなデザインになるわけですね。

        

単純な図形は
▼『国籍がない』デザイン▼

画像引用元:オルネドフォイユ様より

            

なのだけど。

単純な図形の、

組み合わせ方は各人の自由なんだよね。

そりゃそうでしょ?

元となる図形自体はシンプルでも、

組み合わせ次第では超複雑になることがあるんですよ。

それこそイスラム教のモスクなんて、

すごく複雑で『クラシックな地域性』を感じるでしょ?

     

『すごく複雑』な
▼幾何学模様▼

           

↑これ、インターナショナルじゃねえな。

こまかいパーツ部分にも、

『経典の暗示』だったり、

『神様の世界の表現』だったり、

……文化的な意味が込められてるから、

ここまでくると、

もう完全に地域性のある装飾なんですよね。

となると、う~ん?

……どういうこと?

      

『とびきりの愛』に
▼騙されましたね▼

       

幾何学デザインはインターナショナルである、

……というのは厳密に言うとちょっと嘘で。

やりやがったな。

丸とか三角とか、

『単一の幾何学図形』なら地域らしさが入り込む余地はないんだけど、

たくさん組み合わせたり色をつけたり、

人が手を加えた部分が多くなるほど、

その地域の人ならではの考え方が反映されるんですよ。

            

シンプルほど
▼『国際性』が出る余地がない▼

       

複雑になるほど
▼『国籍』が出やすい▼

          

シンプルほど
▼『国際性』が出る余地がない▼

         

複雑になるほど
▼『国籍』が出やすい▼

     

ハイハイなるほど。

『白い三角』くらいなら全然インターナショナルだけど、

『どの図形を何色にするか』とか、

『どの図形にどの図形を組み合わせるか』とか、

……感情が入るほど国民性が出ちゃうわけだ。

ようするに、

幾何学デザインの『全てがインターナショナル』なんじゃなくて、

『シンプルな幾何学』ほどインターナショナルデザインに近づいて、

『複雑な幾何学』ほどヴァナキュラーデザインに近づく傾向がある、

……くらいがより正確な認識かな。

言われてみれば『ネイティブアメリカン柄』だって、

色も含めた『全体で見れば民族柄』だけど、

細かいパーツを見れば『一つ一つは単純な図形』ですな。

         

シンプルな図形も
▼『組み合わせ』で国籍が出る▼

        

となると、

それじゃあ幾何学模様って、

『ヴァナキュラーデザイン』として使うのか、

『インターナショナルデザイン』として使うのか、

……どっちとして扱えばいいのでしょうか?

ちょうど最近、そんな話しましたね。

これもYチェアと同じで、

どっちの要素も持っていると考えればOKです。

     

あくまで
▼『そう見えるだけ』▼

      

『元の地域らしさ』も、

『インターナショナルらしさ』も、

どちらも共存しているわけですな。

『ヴァナキュラーな地域デザイン』という前世を持っているけど、

『インターナショナルな無国籍デザイン』として生きていくこともできる、

2つの人生を持った子供みたいなモンですね。

寄せに行くねえ。

      

どちらの性質も
▼『共存している』状態です▼

     

ただし前述のとおり、

色柄が持っている、

『ヴァナキュラー度合い』と

『インターナショナル度合い』の割合は、

幾何学デザインの複雑さによって変わります。

幾何学柄は、

複雑なほど『地域らしさ』の割合が高くなって、

シンプルなほど『インターナショナルらしさ』の割合が高くなるってことですな。

そうそう。

『0か100か』じゃなくてグラデーションなんですよ。

厳密に言うなら、

『白い三角』だってそれをデザインした人の判断は入ってますからね。

      

デザインには
▼『デザイナーの意図』が込められます▼

    

デザイナーの意思と国籍は、

どんなデザインにでも多かれ少なかれ影響してるんだけれど、

インターナショナルっぽく、

見せかけやすいデザインがあるだけなんですよ。

『本当はヴァナキュラーデザイン』だけど

『インターナショナルとしても使えるぞ』っていう、

『演技が上手いやつ』もいれば

『演技が下手なやつ』もいるってことですな。

寄せに行くねえ。

     

インターナショナルの
▼『演技がうまい』デザインがあります▼

         

ですので実際問題インテリアの世界では、

シンプルな幾何学柄ほど、

便利な役者としていろんなスタイルに使われておりますよ。

かなちゃん!! かなちゃん!! 有馬かな!!

本当は地域性のある柄なのに、

『インターナショナルデザイン』として使っちゃう。

……嘘と言えば嘘なんだけど、

インテリアの世界において嘘は武器でございます。

     

     

嘘こそがアイドルの本質であり、

嘘こそがとびきりの愛というのが【推しの子】の物語、

本当は地域性のある絵柄だったとしても、

インターナショナルデザインだという嘘を上手に操ってみて下さいませ!!

うえ~い!!

   

インターナショナルの演技が
▼『比較的ニガテな』幾何学柄▼

画像引用元:SATHI RUGS
画像引用元:SATHI RUGS

      

インターナショナルの演技が
▼『比較的うまい』幾何学柄▼

画像引用元:SATHI RUGS
画像引用元:SATHI RUGS

      

▼関連エピソード▼

模様と意味の本

【ドット柄に国籍をつけた例】

“『ワシントン・ポスト』紙は、ポルカドットに定冠詞の「the」をつけることによって、アメリカの国民的な模様としての価値付けをしました。”

“社会的に重要な模様とは、誰もがいつでも着られるものだ。ポルカドット模様の製品は、たとえ「リメンバー・パール・ハーバー」という愛国のスローガンがあしらわれていなくても、国民的な模様なのである。”

引用元
模様と意味の本 p55
『ポルカドット、ムーンビーム、そして愛国主義』より

      

【推しの子で学ぶインテリア】:幾何学模様の豆知識でした!

    

というわけで!!

幾何学柄はインターナショナルとは言いつつも!!

その『インターナショナル度合い』は、

モノによってグラデーションになっております!!

ういうい!!

基本的には、

『見て判断』するしかないのではありますが!!

   

先入観では
▼中身は分からないもんです▼

       

実用レベルで考えれば、

『シンプルな絵柄』ほど、

インターナショナルを演じることがうまい傾向はございます!!

名役者ですなあ!!

インタ-ナショナルデザインを使いたいときは、

『なるべくシンプル』な絵柄を活用するように、

ヴァナキュラーデザインを使いたいときは、

『なるべく複雑』な絵柄を活用するようにして頂けましたら幸いです。

       

       

ではでは本日はこんなところで!!

機会があったらまたお会いしましょう!!

黒川あかねちゃんファンサしてーッッッ!!

かなちゃん派じゃなかったっけ?

あかねちゃん見ているうちに、

かわいそ過ぎてファンになりました。

なんでオタクって

情緒終わってる人多いん?

          

【推しの子】
公式PV

    

【推しの子】
原作マンガ

【推しの子】

      

【推しの子】
アニメ版

【推しの子】

      

▼参考文献▼

ハサン中田考のマンガでわかるイスラーム入門

    

イスラム芸術の幾何学:天上の図形を描く

     

模様と意味の本

           

閲覧注意

ネタバレ注意

 以下は【推しの子】の全肯定オタクによる怪文書です。
 ひいき目に見て厄介ファンの妄言であり、多くの方にとって『解釈違い』だと予想しますので免疫のない方は何卒お引き返し下さいませ。

 また原作最終話の『重大なネタバレ』を含みます。
 未読の方もお引き返し下さいませ。立ち去れ……立ち去れ……。

 もう誰もいませんね。じゃあ話すね。

 推しの子!!!!!!
 完結おめでとうございます!!!!!!
 最終話、賛否両論だと風の噂に聞いておりますが僕は圧倒的に『賛』でございます。めちゃくちゃ面白かったよ~。

 ほんと最高のエンタメだったと思うのだけど、
 あまりにも『否』の連中がうるせえので応援の一票でも書けたらいいなと思って僭越ながら筆を執らせて頂きました。

 いや別にね、
 「不満を持つな」と言ってるわけじゃないのよ。
 「愚痴を言うな」と言ってるわけじゃないのよ。
 「みんなも不満だよなあ!」と扇動すんなっちゅってんの。

 さて。
 争点として多く見かけるのがツクヨミちゃんの存在かな。

 創作の世界には、
 『デウス・エクス・マキナ』という専門用語がありまして。

 おおざっぱに意訳すると『ご都合主義の神様』みたいなニュアンスですね。
 物語の後半にいきなり登場して、すべての悪を倒してくれたりすべての罪を赦してくれたりして「はいハッピーエンド」と言い出す便利な装置。

 基本的に現代では『上等ではない作劇の例』としてやり玉に挙げられることが多い概念なのですが、ツクヨミちゃんがコレなんではないかという指摘があるわけです。

 言いたいことはわかる。わかるよぉ〜。
 でも僕の感覚ではツクヨミちゃんは『デウス・エクス・マキナ』ではなく『狂言回し』の方が近いんじゃないかな~と思うんですよね。

 狂言回しというのは、
 観客が物語を理解することを助ける『サポート解説役』みたいなキャラクターのことで、作中の登場人物とお客さんとの中間みたいな微妙なポジションで活動する役割です。舞台には登らず、ちょっと外のスペースでマイク持って解説したりしてるイメージ。

 少々メタ的と言いますか、
 推しの子の作中で『板の上』という言葉が出てくるけれど、それで言うと『板の外』の存在。演劇用語でいうところの『第四の壁』のあたりの微妙な位置にいる存在ね。

 ネットではツクヨミちゃん不要説がまことしやかに囁かれているのを観測しているのですが、ツクヨミちゃんがいてくれたおかげで狂言回しの役割通り『観客が物語を理解すること』を助けてくれていたと思います。

 余計なノイズになる仮説をつぶしたり、
 調べ物をするシークエンスをすっ飛ばして次の展開に進んだり、

 作中に登場する『一般的な人間キャラクター』では知り得ない情報をツクヨミちゃんが補完してくれたことで、推しの子ならではのジェットコースターのようなドライブ感のある構成を支えていた……すなわち作品の面白さそのものに貢献してくれていたと思います。

 で、じゃあツクヨミちゃんは、
 一般的な人間じゃなかったら何なのか?

 ……答えは『どうでもいい』んですよ。

 ただのいち読者としての僕の想像ですと、
 『①カラスと縁がある神様』『②カラスを使役できる神様』『③カラスに憑依できる神様』あたりかな~。
 なんにせよ人知を越えた権能を持っている神様であり、アクアとルビーの転生という奇跡を実行した『張本人ではない』存在。

 物語の重要な根幹部分に関わるキーマンでないなら、
 ツクヨミちゃんは登場する必要がなかったのではないか?

 いやいやいやいや。
 物語スタート時点でのリアリティラインを超えた不思議能力を持つツクヨミちゃんが急に出てきて実は重要な犯人だったりしたら、それこそご都合主義の『デウス・エクス・マキナ』なんですよ。

 ツクヨミちゃんはストーリーを補助する狂言回しとして『物語の加速』の仕事に徹しており、決して謎の真相そのものではなく『デウス・エクス・マキナ』にはならなかった。事件は人間の能力によって実行されていて、真相は人間の能力でできる範囲で想像・解釈された。これは悪手ではなく上手いなあと感嘆する箇所です。


 いやほんと神がかってる展開だったって!!!!!!!

 あそこまで核心に迫っておいて、
 『アイドルもやっぱり人間でした』と断言しきれないギリギリのラインで星野アイの神秘性を残したあのハンドル捌きすごくない!!!!!!??????


 コホン。

 ……何にせよこういう前提の上で、
 ツクヨミちゃんの正体が『①カラスと縁がある神様』『②カラスを使役できる神様』『③カラスに憑依できる神様』……この①②③のどれだったのか、はたまた全く別の存在なのか?

 繰り返しになりますが『どうでもいい』んですよ。

 狂言回しが狂言回しをするに至った事情なんて、
 話の本筋……『アクアたちの物語』をスピーディーに楽しむためにはノイズにしかならないんですよ。
 ①②③のどれなのか分かったからといって、ちょっとスッキリするだけでメインストーリー何も変わらないでしょ。(もちろん『カラスの転生体』だったとしても何も変わらないよ)

 どこまでいってもツクヨミちゃんの物語は、
 『すげー面白いサイドストーリー』に過ぎないのよ。

 すげー面白いサイドストーリーを削らないでほしい?
 すげー面白いサイドストーリーなんて、僕らが知らないところで既にいっぱい削られてるよフフフ……。

 というわけで、
 決して『投げっぱなし』や『伏線の未回収』などではなく『カットという判断』だと思います。東京ブレイド編を読んでいたら、なんとなく分かる方もいらっしゃるんじゃないかしら。ねえ?(※無茶ぶり)

 でね、でね。
 あの衝撃のラストシーンですよ。

 アクア~~!!!!
 不幸にならないで~~!!!!!
 めっちゃ思ったよね。星に願いをだよね。
 なのにあの結末を選ぶのがシブいよね。

 賛否両論の『否』の人。
 むしろあれ以上の結末あるぅ!!!!????

 クライマックスのルート分岐、
 単純化すれば何パターンか考えられるとは思います。でもそれ全部イマイチじゃね?

①【カミキヒカル生存・アクア生存】で、
カミキは悔いて反省してアクアは日常に戻るEND。

 ……ダルすぎるでしょ!!!!!
 いつものご都合主義じゃねえか!!!!!

 あんなに憎まれていたカミキが反省で済んじゃうような結末、
 いままで他の色んな作品で見てモヤモヤしてたでしょ!!!!???? 観客の僕だってモヤモヤする落としどころにアクアが納得するわけないでしょ!!!!!!!

②【カミキヒカル没・アクア生存】で、
アクアはなんかスッキリして日常に戻るEND。

 ……無責任だろ!!!!!!
 カミキに対して『アクアが手を下さず』没したとしてもご都合主義だし、カミキに対して『アクアが手を下して』没したのになんかスッキリして日常に戻るのも無責任でしょ!????? そんなことしたらむしろ凡百の結末だよ!!!!!!!

③【カミキヒカル生存・アクア没】END。
 このパターンを望んでる人は少数派だと思いますが、まあ『無し』じゃないでしょうか。これは本当のバッドエンドや。

 ……じゃあやっぱり、

④【カミキヒカル没・アクア没】END。
↑これしかないじゃないですか!!!!!(力説)

 他人の命を奪ったカミキには自分の命をもって償ってもらう。
 そしてそのカミキに手を下したアクア自身も同じ報いを受ける。
 社会通念的にアリかナシかは別として、挙げてきた中ではいちばん説得力がある結末なんじゃないかな~と思います。

 推しの子は最初っから、
 ラブコメじゃなくて復讐譚のプロットなんですよ。

 『ラブコメパートが面白い復讐譚』に対して、
 『ラブコメの結末として納得いかん』という不満は最初からナンセンスなんですよ。

 『動画編集がうまい役者』に対して、
 『動画編集の道に進んでほしかった』と言うくらい筋違いなことですよ。

 トータルで考えて、非常にベターな着地点だったと思います。

(※『ベスト』という言葉を軽々しく使うことを避けているだけで、僕の中では限りなくベストなラストシーンだったと思います)


 だけど。
 ……だけどこれじゃあ、アクアが報われないじゃないですか。

 いちばん説得力のある結末だけど、
 たくさん頑張ったアクアに『報われさせてあげる』ことがすごく難しい展開じゃないですか。

 ここから分かりやすいハッピーエンドにはもう持っていけない。
 だけどそれでも、少しでも良い終わり方をさせてあげたい。

 ビターエンドが確定しているアクアに対して、
 物語の中で、少しでも報われさせてあげようという形跡が随所にみられるんですよ。

 アクアのラストシーン。

 アクアは海の底で自分の最期に直面しながら、ルビーたちの歌を幻視することで安らかな表情になれていた。
 自身にとって大切なことを『リアルに天秤にかけられる』という段になって、やっぱり結論が間違っていなかったことを確認できた描写じゃないですか。よかったねアクア。

 黒川あかねちゃんもいます。

 あかねちゃんは結末の真相に気付いてあげています。あれは事故ではなくて、アクアの嘘……すなわちとびきりの愛なんだと。
 完全犯罪を目指すアクアからすれば失敗ともいえる状況かもしれませんが、誰にも知られずに没することと比べたらある種の『救い』になることではないでしょうか。よかったねアクア。

 そしてツクヨミちゃんですよ。

 いまわの際で、本当に最後の瞬間のアクアにひとこと声をかけてあげられるのは、超常の権能を持つツクヨミちゃんだけなんですよ。ホラやっぱりツクヨミちゃん必要じゃないですか!!!! シゴデキ!!!!

 最期の最期でアクアに寄り添ってあげたこと、すごくすごくありがたく思っていますよ。よかったねアクア。

 ストーリー展開のためとはいえ、
 安易にキャラクターの心情は捻じ曲げられない。

 彼ら彼女らの気持ちは裏切れない上で、
 だけど精一杯アクアに救いを与えてあげた超絶優しいストーリーなのだと思います。

 少なくとも僕は、安易なハッピーエンドよりもずっとファンになったよ。

 まあウチ考察チャンネルとかじゃなくて、
 ただのインテリアブログなんですけど!!

 この記事の本題は『インテリアの話』で、
 これは勢いに任せてワーッと書いた読書感想文にすぎないんだけど!!

 でもさあ~~!!!!!!

 推しの子は作中で、
 一見ワルモノ扱いされそうなキャラクターにも人生はあり、おのおの色んな努力をしたり苦しんだりコミュニケーションの失敗も泥臭く解決したりしながら精一杯生きているんだよという描写をたくさん重ねていたじゃないですか。

 だけどその中で、
 SNSに安易なディスを書き込み、恋リアの黒川あかねちゃんを追い込んだような『インターネット害悪モブ』のことは徹頭徹尾ず~っと醜悪に描いていたのがすごく印象的だったんですよ。

 あの物語を読んだうえで、
 みずから進んで『ネット上でクリエイターさんを叩こう』とする人の気持ちって個人的には本当によく分からないんですけど、それはそれとして絶対いるんですよこういう人。

 大好きだったキャラクターと
 お別れになってしまったときに浮かぶ感情は『悲しい』『さびしい』でしょ~。

 大好きだったキャラクターと
 お別れになってしまったときに浮かぶ感情が『作者をネットリンチしよう』になっちゃうの認知ズレてるでしょ~。

 物語ともっと真剣に向き合えよ!!!!!!(豹変)

 あのラストなら叩く奴はいるだろうなと、
 誰よりも分かっていたであろう赤坂アカ先生・横槍メンゴ先生・そのほか関係者様が、物語のテーマを曲げずに芯のブレないラストシーンを描き切って下さったことはこのご時世とんでもなく尊いことだと思います。

 僕なんてただの一読者に過ぎないけれど、
 「あのラストすごく良かった!」と感じている人間が少なくてもここに一人いるよ……ということだけでもお気持ちを書き残しておきたかった次第でございます。

 超面白かった!!!!! 推しの子大好き!!!!!!
 SNSでケチつけられてるせいで本当は好きなのに好きって言いにくくなってる読者さんも安心して!!! 少なくとも僕は大好きです!!!!!!

 じゃあの。(完)

    

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7件のコメント

あらま、推しの子完結したんですね。。ここ1年ほど週刊誌も月刊誌もほとんど読まなくなり、単行本も買わなくなり、、生活が激変しました。。。
好きな漫画家さんのチェックはしておこうと思います。。!

作中のネットリンチに憤慨してた奴らが作者を叩いてるのほんと滑稽ですよね。この問題は嫌な気分にしかならないとわかっていたので見ないようにしていたのですが、こうして賛同者の意見が聞けたのはすごくありがたいです。世の中ご都合主義に毒されすぎではないでしょうか。

幾何学模様といえば炭治郎の市松模様をヴィトンが訴えていたのを思い出します。あれは商標どうのを抜きにして見ると、ヴィトンは世界に通じるインターナショナルなデザインとして、鬼滅では伝統的な和柄として全く違う意味が込められてるのが面白いですよね。レジメンタルタイやタータンなども元の意味を飛び越えてインターナショナルな使われ方をしてますし、そのうち日本の家紋が世界に飛び出すかもしれませんね。

ありがとうございます~~!!!!!!!!!!!
実はこの記事投稿した途端Youtubeもツイッターもフォロワー様がゴソッと減ったんですけど、
そうやって分かって下さる方がいらっしゃるなら書いたかいがありました!!!!!!!!

鬼滅のエピソードも良い例ですねえ。
おっしゃる通り幾何学柄って『受け取る側』の認知次第でいかようにも印象が変わるので、
そのファジーさそのものを上手く操ったり愛したりして頂けたら嬉しいなあと思っております~。

別記事ではご丁寧な返信ありがとうございました。

「推しの子」、最終盤の時期に「話題だしちょっと読んでみるか」で手を出した結果、
あれよあれよと先が気になり買い進め、少し前に読了した作品です。
そこからインテリアのネタに繋げて記事一本書きあげてしまうのは流石だなぁと。
まさか「アイドル」の話が「幾何学デザイン」の話になるとは。

読み切った個人的な感想ですが、先生の意見と同じ賛成側です。
「結末としては確かに悲しいが、アクア君や周りの他の言動を考慮した上で”あれ以上に
納得できるマシな結末があったか?”と考えてみると、やっぱり”無い”よな」と。

特に最近のSNSは本当に煽りが酷いな、とは正直思います。
読み切った後で当時の最終盤のコメントやら見ていて、
「作中まさに”恋愛リアリティショー”の件とか有ったろうに何を見てきたんだ?」とか、
「アクア君らの頭の良さならどうとでもなっただろ、とは言うけど、
 相手も同等以上に頭が切れるし権力も持ってる手合いだって忘れてないか?」
とか、どうにも否定側の論調にモヤモヤしてたことを覚えています。
※余談ですが、別記事で挙げた某ゲームも、昔のいざこざもあってか先発の作品の
 (一部、と信じたいですが……)ユーザとの罵り合いやらが酷かったりします。
「世の中にはどちらも好きな人間もいるんだけど?」と両方プレイしてる自分と
 しては見るたびにどす黒い気持ちが浮かんで来たり……。

ともあれ、好きなら好きで一向に問題ないと思いますし、むしろ、別記事でも
他の読者の方も仰っていますがそれでこそ本ブログ、だと思っております。

また長くなってしまいましたが、応援しております。

わ~~!!!!!!!
こちらにも暖かいメッセージをありがとうございます~~!!!

どうにもSNSは声の大きい意見が目立ってしまう性質があるので、
おおざっぱな否定意見に目がいってしまいがちではありますが、

実際のところは『否定意見に否定だよ』という派閥も大きなサイレントマジョリティなのではないかと思っておりまして、
大声は出さないけれど否定側の論調にモヤモヤしていた…という方々がネットを反面教師にすることで、静かに水面下で次の世代に優しいインターネットをバトンタッチしてくれる土壌になった部分もあるのではないかな~と希望的観測をしていたりします!!(そういう方々を応援したくて読書感想文を書いた面もあったりします 笑)

なんにせよ肯定派のお言葉が聞けてホッとしております!!
いつも励みになるお声がけ本当にありがとうございます~~!!!

ほんっと毎回漫画アニメのカジュアルな例えに絡めながら、
新しい気付きとか知見を分けていただけるの、
大学の時の毎週楽しみだった講義を思い出して、
いい時代に生まれたな〜ってしみじみ思います笑

ずっと前から気になってたんですけど、
先生のインテリアに対する『独自の視点』とか『捉え方』って、
どこでどう学んだらそんな博識になれるのか想像もつかなくて、
いつか気が向いた時に、先生の昔の話とか記事にしていただけたらめちゃくちゃ嬉しいです☺️

昔の記事でさらっと当然のように民俗学の知識とか出てきてたし、説明が悉くわかりやすいし、
『めちゃくちゃ頭良くてインテリア大好きな人なんだろうな〜』ってずっと思ってるんですけど、
そういう人がどういう風にインテリアを勉強してるのか、すごく興味があります!

ヒエー!!!!!!!!!
光栄すぎて恐縮なお言葉ありがとうございます!!!!!

むしろ逆に、
『このブログ大したことないぜ!』
『インテリアの世界にはすごい人がいっぱいいるよ!』
みたいな記事を書こうと計画しているくらいのものでして!!!
ほんとうに恐れ多い限りなのですが、いつか良いテーマとして使えそうなら何かしら記事にできないか考えてみます~!!!(あまりご期待なさらず…)

妙な知識をいっぱい知っているのはアレですね。
むかし趣味でいろんなWEBラノベを書いてたので、そのときに参考として勉強したせいですたぶん。
(妖怪のラノベを書くために妖怪の勉強をして、乗り物のラノベを書くために乗り物の勉強をして…みたいなことを何年も繰り返していたら妙な知識がいっぱいつきました!!!)

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