【FGOで覚えるインテリア】：インテリアの歴史は《描けば出る》｜Fate/Grand Orderとラグ・絨毯

というわけで！！

（※小声）

……「Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア-」の魅力が少しは伝わって頂けたかなと思います。

物語の舞台となった【古代メソポタミア文明】。

これが人類のインテリアの歴史の中で、

非っっ常に重要な意味合いを持っているんですよね。

インテリアの歴史を学ぶために、

『メソポタミア文明の勉強をしましょう！』つってもイヤでしょ？

だので『fate』を引き合いに出しつつ、

オイシイところだけでも学んで見聞を深めよう、

……というのが今回の趣旨ですね。

カタギが聞いても面白いところです。

さて、まずは人類の誕生です！！

『350万年前くらい』って言われてる説が多いかな。

まだウホウホしていたころの人類は、

動物を捕まえたり、樹の実を食べたりして暮らしていました。

そうそう。

順調に狩猟採集の生活で『人口数』を増やし続けていた人類なんですが、

途中で限界がきます。

動物を狩るには『動物の絶対数』が必要だし、

植物を採るにも『植物の絶対数』が必要なんですよ。

『生態系』を壊すくらい狩りをしちゃったら、

今日は良くても明日から困るんで。

狩猟採集の生活で暮らすには、

『人間ひとりにつき』『77.7平方キロメートルの土地』が必要だと言われています。

これを破っちゃうと、

『生態系のサイクル』よりも『狩猟採集のペース』が上回ってしまってジリ貧になる……というイメージですね。

『350万年前』の人類誕生からだいぶ経ち……

今から『1万年前』くらいに、

とうとう地球がいっぱいになりました。

いやここインテリア関係ないんで。

そこで！！

『狩猟採集の生活』が限界を迎えたそこで！！

とうとう人類は何を始めたのか！！！

……そう……農業の誕生です……。

米は力だ！！

農耕が始まると、人類の生活はいったいどう変わるのか！！

すなわち、【水のあるところに定住】する必要が生まれます。

『住む場所』が存在しなければ

インテリアもクソもないのでけっこう重要ですよ。

ただこの頃はまだ、

農業に目覚めた奴らもいれば、

気ままに遊牧民とかやってる奴らもいたんです。

ですが、

そうそう自由に生きさせてくれないのが神様です。

今から約5700年前くらいに、地球をすげえ乾燥が襲います。

地球が乾燥しまくるとどうなるか。

『遊牧民ルート』を選んだ奴らも、

水が足りなくて『水辺の農業チーム』と合流します。

定住の文化と羊毛の文化の合体ですね。

遊牧民と農耕民が合体したチームの中で、

特に栄えていたのが、いわゆる【世界四大文明】ね。

『①中国文明』『②インダス文明』『③エジプト文明』、

そして絶対魔獣戦線バビロニアの舞台『④メソポタミア文明』です。

インテリアっていうのは、

人間の歩んできた生活と密接に結びついています。

『何もないところ』から急にポンと生まれるわけじゃないんですよ。

歴史的文脈やルーツから、

『あまりにもかけ離れた装飾は好ましくない』

……みたいな話を以前にさせて頂きましたが。

歴史そのものをざっと把握しておかないと、

何がどんなルーツにつながっているのか分かんないんですよね。

で！！　メソポタミアエリア発祥のインテリアといえばこれ！！

【ペルシャ絨毯】です！！！

こいつを例に使いながら、

文化によってインテリアがどう変化するのかを追いかけていきましょう！！

日本のご家庭で人気の

【ギャッベ絨毯】もペルシャ絨毯の仲間ですよ。

↑こういうやつね。

よくぞそこまで成長した！！

それでは紐解いていきましょう！！

ペルシャ絨毯は、なぜ派手なのか！！

まず大前提として、

室内装飾は【人間の願い】から生まれる

……というのがそもそもの発祥です。

人類最古の『室内装飾』は、

洞窟の壁に描かれた壁画だと言われています。

初期の壁画のモチーフは、ほぼ『ケモノ』です。

これ、何のために描かれたかって、

そりゃあもう【狩りの成功を祈って】のことです。なんとなくわかりますよね。

その通り！！

当時の人類にとって『一番の願い』は狩りの成功。

この気持ちを込めて室内を装飾したわけですね。

ガチャで言うところの『描けば出る』です。

『メソポタミア』、

すなわち現在のイラン・イラクのあたりのエリア。

この地域の風土の特徴は、

なんと言っても植生が乏しいことでした。

年間降雨量が非常に少ない、荒涼とした土地なのです。

他の文明エリアでは、

木や木綿・亜麻など『ボタニカル系の素材』が活用されていましたが、

メソポタミアではそれが難しい。

そもそもの物語の元ネタである《ギルガメシュ叙事詩》だって、

『ギルガメッシュ王が立派な杉の木を手に入れるために』

『遠くの森にいる恐ろしい番人を倒しに行く』

……というお話がメインですからね。

木や森っていうのは、当時の人々にとって

ものすごく特別な存在だったんですよ。

ですので。

建材には『日干しレンガ』を使ったり、

読み書きには『粘土板』を使ったり。

まあ、植物よりも土的なものをメインに使用していたわけですね。

↑作中でも、

ギルガメッシュ王の居城『ジグラット』は日干しレンガで作られていますし。

ギルガメッシュ王が手に持っている『ディンギル』も粘土板デザインです。

こういう世界で生きている人たちにとって、

『一番の願い』はいったい何だったのか。

それこそ、『水』や『植物』の恵みだったんですよ。

ここで、

先ほどのペルシャ絨毯・ギャッベ絨毯を見ていきましょう。

まずどちらも鮮やかな色合いで作られている点。

これはすぐに見てとれますね。

お花だったり、木だったり、

そういうものが極めて少ない環境なわけですから。

荒涼としたエリアでは、色彩そのものが貴重です。

家財に華やかさを求めるのも自然な流れと言えましょう。

↑特に、この『ギャッベ絨毯』にご注目ください。

この複雑な柄には、一つ一つ意味があるんです。

↑まずこれ。

ヤジルシみたいな、トリの足みたいなこのモチーフ。

これ実は『花』なんです。

地面に咲いた小さなお花をイメージしたモチーフです。

↑お次がこちら。

ギザギザ模様を重ねたみたいな図柄。

これは『水の流れ』を表したモチーフです。

ものによって【川】だったり【泉】だったりしますよ。

↑最後がコレ。

……惜しいなぁ～。

これ『四角』だったら『窓・水場』を表すモチーフだったんですけど、

ひし形なんですよね。

そうなんですよ。

ひし形は『厄除け』とか『カシュガイ族の方が作ったシルシ』だったりします。

でもまあ、全体的な方向性は感じ取れるでしょ？

今回の例ではパーフェクトにはなりませんでしたが、

『植物＆水』ばっかりがモチーフのギャッベ絨毯なんてざらにあります。

少なくとも、当時の人々が

どんだけ【水】や【植物】【色彩】に飢えていたかは想像して頂けるかなと思います。

一つ一つの模様の意味を覚える必要はありませんが、

全体の流れをざっくりイメージできるとよろしいですよ。

というわけで！！

インテリアというのは、

気候や風土の必然から生まれるもの！！

荒涼としたメソポタミアエリアでは、

【華やかな植物や水のモチーフが好まれたんだよ】くらいがフーンと思えれば良いかなと思います！！

結果の丸暗記じゃなくて、

そこに至るメカニズムを知っていただくことが目的なのでね。

コレ覚えたからといって、

すぐお部屋をオシャレにできるわけではないので、ちょっと反響が心配なところですが！！

機会があれば、またお会いしましょう！！　

あるかな！　どうかな！！　バイバイ！！！