どうして金持ちは【誰も居ない庭を】明るく照らすのか。｜照明の視点で考えるガーデニングとは？

ごめん！！　もっかい照明です！！

前回、《照明のその他コラム》みたいなやつ書いて

第一部・完みたいなフンイキ出してたんですけれど。

出してたんですけれど、ウッカリ忘れがありました。

もうひとつ要素を思い出したので、これ片付けてから次の話題に移りたいなぁと思ったりなんかして。

いやはや。超かっこわるい。

というわけで、エクストラステージのお題はこちら！！

『どうして金持ちは【誰もいない庭を】明るく照らすのか』！

我々はその謎を探るべく、アマゾンの奥地へと向かった……。

ハイ帰国しました。

えー、お庭の照明。

……これ、そもそも何のためにあると思います？

よいですよよいですよ。その通りです。

ハイそこコラーっっ！！！！　

ピィーッ！！　ピピピィーッッ！！（※ホイッスル）

お庭が豪華なお宅がうらやましいからって、

ついついジェラシーしてしまうお気持ちは確かにわかります。

確かにわかります。

ですが！　我々はインテリアの道を進む者！！

思考停止して『金持ちの道楽』で片づけないで、きちんと効果を分析してみましょう！！

コロボックルは照明関係ないでしょ。

ドサクサでなに羨ましがってるんですか。

まず大前提。

『お庭を素敵に照らしましょう』というのは、エクステリアの領域・考え方です。

外観のことです。

インテリアが内観、エクステリアが外観です。

インテリアとエクステリアとは、根本的に別のもの。

他ジャンルの学問ってことです。

ですので、

『どんな風に花壇を照らしたら、オシャレなお庭になるの？』という視点はいったん忘れてください。

それはガーデニングの専門家に聞いてくれ。

バカ野郎！！

だからこそ、今回の主題は

『インテリアの視点で考えた、庭を明るく照らす意味』なんだよっ！！

よしいくぞ！！

今回の主題に、関係のある理論はコレだっっっ！！！！

↑『お部屋は、広々としているほどリラックス』

……この仕組みが関係しています！！

おとなしく聞くのです。

ガーデニングの世界には、

『借景（しゃっけい）』という上級テクニックがあります。

借景とは、自宅のお庭を

『遠くに見える風景もコミコミでコーディネート』することです。

庭から見える方角に富士山があるならば。

富士山のある風景を計算に入れて、富士山がよく引き立つようにお庭をコーディネートするのです。

『風景を』『借りて』、コーディネートに活用するから『借景』です。

遠くに【怪獣】の見える風景ならば、もちろん怪獣を意識して。

【ＵＦＯ】が見えるならば、それもＵＦＯを主役にして。

でっかい【アイロン】が見える街ならば、アイロンありきの庭を造るのです。

でな。

お庭と遠景がゆるやかにつながっているのと同様に、

お部屋とお庭も、窓越しにゆるやかにつながっているんじゃよ。

『遠景を庭の一部』として活用することができるのならば、

ひるがえって『庭もインテリアの一部』として活用することができるのですよ。

庭が、遠くの風景を借りてコーディネートに利用できるのと同じで、

お部屋も、庭の風景を借りてコーディネートに利用できるわけです。

室内の窓から、お庭を借景するわけですね。

違わい。

今回の主題を思い出してください。

インテリアの視点で考える、

『どうして金持ちは【誰もいない庭を】明るく照らすのか』です。

もちろん、

まったく一切、１ミリたりとも見栄の感情が皆無とは言いませんけれど。

少なくとも何かしらの目に見える効果もあるから

施工会社さんもお勧めするし、お客さんも採用するわけです。

惜しい！！！

今回は照明の話だっ！！！

答えはこちら！！

窓の外まで視線が抜けると、実際よりもお部屋が広く感じられる！！

でも、お庭を照らしておかないと外が見えないんだ！！

違う！！

窓越しに空間を見るとき！！

暗い場所から明るい空間は見えるけど！！

明るい場所から暗い空間は見えないんだ！！

朝起きて窓の外を見ると、

太陽サンサンの明るいお庭を見渡すことができます。

ですが、夜寝る前に窓を見ると、

窓ガラスが鏡みたいになって、庭ではなく自分の顔が映ります。

これ、なんでかっていうと、単純に窓ガラスの反射が原因です。

人間の目は、光を頼りに視覚情報を集めていますので、

『お外の明るさ』より、

『窓ガラスが反射した室内の明かり』のほうが強かったら、そっちが見えてしまうのです。

お庭に照明がないと、

夕方以降ずっと『外より室内の方が明るい状態』が続くので、せっかくのお庭が見えなくなります。

これだと『お部屋を広々と見せる効果』を享受できないわけですね。

これをちょっと乱暴にまとめますと。

『金持ちが【誰もいない庭】を明るく照らす理由』は、

室内を広々と見せてリラックスに寄せられるから。

という見方ができるわけです。

きらびやかな庭を

通行人に見せびらかしてるように感じるかもしれませんが、

お部屋でくつろいでいる住まい手様ご自身にとって、

ちゃんと意味のあるリラックス効果が得られているわけですよ。

まあ、半分は本当に見栄でしょうけどね。

ちょっとだけオマケです。

エクステリアは専門外ですが、ひとつだけコツをお話しておきます。

やめろ。マジでやめろ。

えー、インテリアの視点で考える限り、

『窓から見えるお庭の風景』を有効活用できればできるほどよろしいのですが。

何も考えずにお庭を作ったら、

お部屋と全く関係のない庭ができあがります。

それはそれで良いんですけど、

これだと窓ガラスを境界にして無関係の世界が広がっているように見える状態ですので。

『広々とした部屋』というより、

『お外キレイだね』という印象になりやすいです。

いいんですけど！！

別に全くいいんですけれど！！

でも！！　お庭に！！

最後の一滴までインテリアの役に立ってもらうためには、一工夫したいところです！！

そのためには、

室内とお庭との関係に、『連続性を持たせる』ということを意識してみましょう！

お部屋とお庭との両方に、

何かしらの共通の要素を入れてやるのです！

室内とお庭に、

同じ色味の木材を使ってやる、同じ種類の観葉植物を置いてやる、同じ電球色の照明を使ってやる……みたいなことです！

『北欧風』や『西海岸風』みたいにジャンルを統一してもいいし、

アクセントカラーとして『部屋も庭もちょっとだけ赤を使おう』みたいな合わせ方も面白い。

あと上級テクにはなるんですが、

室内に等間隔にモノを配置して、

庭にも同じ等間隔でモノを配置すると、めちゃめちゃ関連性を感じさせることができます。

こういう小細工をすることによって、

なんとなく『この部屋と庭はトータルでコーディネートされてるんだな』という印象を生み出しましょう！

すなわちこれが、

『お部屋と庭がつながっているような感覚』……つまり部屋と庭との連続性です。

お部屋をすっきりさせたいときの優先順位的には、

まあ、ちょっと後回しにしたくなる部分だと思いますけれど。

気が向いたときに！

いざチャレンジしてみたくなったときに！

「そういや、そんな要素あったなぁ」と思い出してみてくださいませ。

やめろ。だからマジでとにかくやめろ。