【2022年~】インテリアの最新トレンドを《追いかけなくて良い理由》|初心者向け『ジャンルの歴史一覧』『流行解説』

【インテリアの歴史と最新トレンド】:今年は何が流行ってるの?

   

  

なんか『韓国インテリア』とかいうやつが流行ってるんですって?

きわめてザックリした問いかけだな……。

いっつも色んな家具とかオススメしてるけど、

……旬が過ぎたらダサくなっちゃうってこと?

ファーッ!!! 詐欺!! 詐欺ここに極まれりですなあ!!

なんでいきなりノーガードで全力突撃してくるんだ……。

もうちょっと慎重に攻める癖つけましょうよ……。

  

  

↑『韓国インテリア』って、いわゆるこういうやつのことでしょ?

……。

そう、なのかな。たぶん。

詳しい定義とかはよくわかりませんが、

そんな感じなのかもしれませんね。

やることなすこと無茶苦茶やで。

  

「トレンドやん!」と
▼感じたら上級者です▼

   

というわけで!!!

本日は《インテリアのトレンド》について理解を深めましょう!!

よろしくお願いしますっ!!!

『今年は〇〇色が気分!』

『今年は韓国インテリアがマスト!』……って。

いやそれ、毎年家具ぜんぶ買い替えるんかーい!!!

って思いますよね?

露骨な誘導が気になりますが、思うっちゃ思いますね。

   

「早く買い替えなきゃ……」

  

結論から言うと、毎年家具なんて買い替えなくて大丈夫です。

そもそもそんな人見たことないでしょ。

人生で一人も見たことないですね。

でも『今年のトレンドがコレだ』って言われると、

ついつい流行に後れないようにあせっちゃうのが人情です。

まあワイはそんなに流行とか気にしないタイプだけど、

ソワソワしちゃう気持ちは分かります。

     

「韓国ファッションはモテますよ?」

    

いい加減なトレンド情報に流されず、

かつ不安にもならないようにするためには、

『そもそもトレンドとは何なのか』という仕組みの理解が不可欠です。

なるべくカンタンに解説お願いします!!!

がんばります!!

   

※『韓国』のイメージです。

   

というか僕、相当な数のインテリア情報を見てきたんですけど、

そもそも『トレンドの構造』について解説してる文献を一個も見たことないんですよね。

カンタンに語るより、

じっくり語った方が『ありがたみ』があったりしませんか?

カンタンにお願いします!!!

ウッス!!!

  

【インテリアの歴史と最新トレンド】家具って毎年ぜんぶ買い替えるの?

「簡潔にお願いしますね」

  

ではまず、答えから。

トレンドの正体とは、

ようするに【ハレ感の変遷】のことです。

なんのこっちゃ。

   

【カジマグ理論】
  • お部屋の要素は『リラックスとプレッシャーの割合を2:1にする』
  • その『プレッシャー1』は、『個性』と『ハレ』で表現する。

   

↑ステキなお部屋には、

【ハレ感(非日常感)】の要素が必要です。

「カフェ風が好き~」とか、

「ホテルライクなお部屋に住みた~い」ってよく言われるのも、

ようするに

日常じゃない特別感』が味わいたい……ってのが根っこにあるんですよね。

そうそう。

詳しくは過去記事参照ですが、ざっくりはその理解でOKです。

  

《過去記事》

かっこいい部屋のバランスは『2:1』

『カフェ風』『ホテルライク』の正体は【ハレ感】

  

ほんでね、

じゃあどんな家具を選べば『ハレ感が強いの?』って疑問が出てくるんですが。

ハレ感っていうのは、

いつでも非日常を感じやすい要素』もあれば、

『状況によって非日常感が変動するタイプの要素』もあるんですね。

ういうい。

『ないはずのものがお部屋にあると非日常』とか、

『立体空間に抑揚を与える装飾は非日常』……とかが、変動しない要素ですね。

 

《過去記事:変動しない【ハレ感】》

『室外・一般家庭外』にあるはずの家具雑貨は【非日常】

【天空の城ラピュタ】で覚える:ヴォイド装飾

 

イエスイエース。

そんでもって、変動するのがアレだ。

『古いものは非日常』とか『見慣れない物は非日常』みたいなやつ。

その通り!!

パーフェクトです!!!

 

《過去記事:変動する【ハレ感】》

【時代が違う物】【見慣れない物】は非日常

  

令和に生まれた人間にとっては、【昭和の家具って非日常】だけど、

昭和に生まれた人間にとっては、【令和の最新家電は非日常】。

全く同じものでも、

観測する人の価値観や、時間の経過によって【ハレ感】が変動するわけですね。

昔はいかにも非日常だった『リサラーソン』も、

普及した今では『日常』に見えちゃうんですよね。

そう。

身もフタもない言い方をするなら、人間って『飽きる』と非日常感を感じなくなっちゃうんですよね。当たり前だけど。

 

「ぬいぐるみはもう大丈夫です」

 

この、

『非日常感を感じなくなったから』『もっと目新しい物を飾りたいな』という、

気持ちの変遷がようするにトレンドです。

まだマイナーだったころは、『リサラーソン』がトレンド。

リサラーソンに飽きたから、次は『カイボイスン』がトレンド。みたいな。

そういうこと、そういうこと。(※記事の後半参照

 

▼【カイボイスン】のモンキー▼

(画像引用元:【Rigna】おしゃれな家具通販・インテリアショップ リグナ
※当ブログが勝手に応援しているショップ様です。

   

とはいえ、

だれか一人が飽きたからといって、いきなりトレンドになったりはしません。

ふむ。

当時の『トレンド最先端の人』

リサラーソンに着目して、まず自分のお部屋に飾り始める。

それを見て誰かが真似をする。

インターネッツでも「これいいよね」と紹介される。

インテリア誌にも載る。

  

※『インテリア雑誌』のイメージ図です。

  

やがて、やっすい雑誌にリサラーソンの『付録』がつく。

ユニクロもリサラーソン柄の『Tシャツ』とか売り始める。

さらにそれを見たマス層が真似をして一般に普及する。

この頃になると、もう『特別感』がけっこう薄れていますから。

最初にリサラーソンを発掘したようなトレンド最先端の方は、『次』のアイテムに興味が移ってるんですね。

まだ普及してない『非日常』なアイテムってことですね。

そうそう。

  

マイナー期よりも
▼【日常】に定着したリサラーソン▼

(画像引用元:リサラーソン公式様より)

   

とはいえ、なんでもかんでも奇抜な物なら良いってわけではありません。

あまりにもマニアックなものを選ぶと、みんなが「いいね」と感じません。

みんなが「いいね」と思わないと、真似する人が増えません。

世界でたった一人だけ、

『コレめっちゃ珍しいから非日常を感じるぜ!』って主張してても、トレンドとは言いませんものね。

そゆことです。

  

「非日常なティッシュケース作ってやるからな!」

  

ようするに、

まだ普及していない【ハレ感(非日常感)】を感じられる新しい物で、

かつ、みんな「いいね」と思うくらいのちょうどいい奇抜さの物

これが、次に流行する物……すなわち【トレンド】です。

  

【trend/トレンド】

和訳すると『趨勢(すうせい)』。

趨勢の意味=現在から将来にかけての移り変わり』。

   

よくある勘違いが、

「流行ってるから真似してトレンド最先端になろ~」って考え方です。

『まだ流行ってなくて』『これから流行るもの』がトレンドですから、

すでに流行っちゃってるやつ真似してもトレンドにはなりません。

オウフ……。

『おは朝で紹介されたらオワコン』って、こういう意味だったのか……。

発言に気をつけなさいっっっ!!!!

  

【2000年~2005年】:トレンド情報を誰も発信できなかった時代|『ナチュラル』『北欧インテリア』

 

※『韓国』のイメージです。

 

というわけで。

トレンドというのは普及率の変動による【ハレ感の変遷】のことなのですが。

ここからは、

インテリアの世界で、実際にどんな【ハレ感の変遷】があったのかを追っていきましょう。

なんか壮大な話になってきたぞ……。

大丈夫大丈夫。

実践レベルで意味がある『大まかな動き』だけを追うから。

ほんまかいな。

  

(※画像引用元:LAPUAN KANKURIT日本公式サイト様より)

  

↑まずはこちら【北欧インテリア】

これを抜きにしてインテリアは語れないでしょう。

インテリアと言えば『北欧』!!

ワイでも聞いたことあります!!

ざっと西暦2000年から2005年くらいにかけての間、

日本のインテリアトレンドを牽引し続けた【北欧インテリア】。

バブル期の終焉により「シンプルな家具アリなんじゃね?」という風潮が復活したムーブメントや、

2001年のIKEA日本進出などが重なり、北欧インテリアは一躍人気を博します。

   

【IKEAが2001年に日本進出】

実は1970年代に一度日本進出しているのですが、当時の日本人から『自分で組み立てるとかバカじゃねえの?』と一蹴されて全く売れずに撤退。

2001年に「いやこれ実はDIYっていう最新のインテリア概念なんですよ~」とリブランディングして再進出したところ大成功を収め、のちのDIYブームへつながるルーツの一つとなる。

  

北欧インテリア。

さぞかし人気だったんでしょうなあ。

とはいえ、こんなの取り入れているのは

ごく一部の『インテリアオタク』だけでございました。

そうなの? 猫もシャクシも『北欧インテリア』だったんじゃないの?

   

▼ガチの北欧グッズ▼

  

(※画像引用元:LAPUAN KANKURIT日本公式サイト様より)

  

実はですね。

2000年代初頭、当時はまだまだSNSが普及してなかったんですよね。

あ!!! そ、そういうこと!!!?

インスタやフェイスブックは言うに及ばず、

『ブログ』すらまともに存在してない時代です。

海にはアンモナイト、

陸にはティラノサウルスが跋扈しておりました。

まじめな話してるときにゴミみたいな嘘はやめろ。

   

※当ブログはおしゃれなインテリアブログです。

  

個人の日記サイト、

『ろじっくぱらだいす』が1999年1月開設。

『侍魂(さむらいだましい)』が2001年1月開設。

『ちゆ12歳』が2001年2月開設でございます。

ピンとこない方も多いと思いますが、

とにかく『SNSもブログも何もなかった時代』をイメージしてみてくださいね。

世代的によくわかんないんですが、

なんとなく凄みを感じる気がします。

   

【日記サイト(テキストサイト)】

当時のインターネット回線はクソ遅く、画像や音源などの重いデータをネットで公開するのが非常に難しかったため『文章ベースの表現サイト』が発達した。

『日記サイト』と言いつつ内容はあまり日記ではなく、文章でいかに訪問者を楽しませるかという点に注力したエンタメ&職人的要素の強い創作活動であった。

ただし簡単開設できるサービスが存在しなかったため、htmlタグ打ちの知識などが必要であり、サイトの管理人になるだけでも非常に狭き門だった。

昔ながらのテキストサイトはブログの発展とともに廃れたが、ごく一部の生き残りが後の《オモコロ》や《デイリーポータルZ》となる。

   

当時、ネットで情報を発信する人なんて、

ごくごく一部のきわめて特殊な変人のみ。

「個人でインテリア情報を発信しちゃお☆」

なんて奇特な人は、万に一人もおりませんでした。

そうなんだ……。

しかも日本には、欧米と違って

お客様を自宅に招く『ホームパーティー(House party)』の文化がありません。

  

※House partyのイメージです。

   

お洋服みたいに「アラその服いいわね」とウォッチすることもできませんから、

とにかくインテリアのオススメ情報が共有される機会がありませんでした。

ファッション好きな人は、よく駅のホームで

オシャレな人の服装をチェックしてるとか言いますもんね。

  

「このテーブルなかなか良いわね」

  

となると、

有志がインテリアの情報を知りたいときは、どうしても『インテリア誌』に頼るしかありません。

『わざわざインテリア誌を読む人』しか知識が増えないという、

今から考えると不思議な環境だったんですよ。

インテリアに限らず、メジャーじゃない趣味は

みんなそんな感じだったのかもねえ。

  

「これが、フェイクグリーンね……」

  

そして書籍は『買ってもらうため』に作られます。

当時、『わざわざインテリア誌を読む人』の99%は女性でした。

今こんな言い方したら完全にアウトですが、インテリアっていわゆる『女性の趣味』だったんですよね。

いやいや、99%は言い過ぎですって。

さすがにそんな極端じゃないでしょ。

当時、僕が家具屋さんに遊びに行くと

どこのお店でも恐ろしいくらい顔を覚えられました。

  

(画像引用元:a.depeche公式通販様より)

  

それも、通い詰めて常連になったからとかじゃなく、

2回目の来店で「あ、去年も来てくれてましたよね!?」みたいな感じ。

よっぽど挙動不審だったんじゃないですか。

一度、a.depeche某店の店長さんが教えてくださったことがあるんですが。

『インテリアショップのお客さんは、9割が女性。

 残りの1割は【嫌々付き合わされた旦那さん】。

 だから、家具に本当に興味がありそうな男性はめちゃくちゃ目立つ』

とのことでした。(※実話)

うわあ……。

  

(画像引用元:a.depeche公式通販様より)

  

となると、ですよ?

当時唯一の情報源である《インテリア誌》は。

発信者も女性』『読者も女性……の状態だったんですよ。

必然的にそうなりますよね。

  

この世に存在するインテリア情報が、

『女性による女性のための情報』しか無かったんです。

たま~にファッション誌とかで見かける男性向けのインテリア情報は、

『どう見てもクソダサイ』か『建築学生のパフォーマンス』の2択でした。

『建築学生のパフォーマンス』って何?

「賃貸だけど天井剥がしてロフト作っちゃいましたドヤァ……」みたいなやつ。

参考にならねえーッ!!!!!

  

今日のお題は
▼「誰でも出来るロフトの作り方です!」▼

※大学生

  

当時、ちゃんとしたインテリア情報を手に入れたかったら、

『男性も女性も』『女性による女性のための情報』を見るしかなかったんです。

ううーむ。

雑誌とか買うの恥ずかしそう。

すると何が起こったか。

同じシンプル基調の《北欧インテリア》でも、全体的に『フェミニン(女性的)』な方向にブレた情報が普及していきました。

自然な流れとも言えますが。

   

※そこはかとなく女性っぽい

  

男子だろうが『女性による女性のための情報』しか参考にできない世界です。

世の中のインテリア男子たちはみんな、

『お部屋をおしゃれにしたいけど、刺繍のレースはちょっとなぁ……』

『家具の話が聞きたいけど、雑誌の半分はキッチングッズだなぁ……』

と悩みながらコソコソと情報収集をしていました。

密教みたいだな。

  

「僕もオシャレしたいな……」

  

ともあれ。

2000年から2005年くらいにかけて、

女性的な要素にブレた《北欧インテリア》が、徐々に、緩慢に蠢きながら波及していったのです。

邪教みたいだな。

  

《関連記事》

【北欧インテリアの作り方】:北欧要素『わからせアイコン』

     

【2006年~2010年】:トレンド情報を女性が発信した時代|『フェミニン』『カフェ風インテリア』

  

※『ファッション』のイメージです。

   

『ファッションの流行』って毎年のように変わりますが、

服って毎日着て出かけるからトレンドの変遷が早いんです。

「去年と同じ服なんて着れないわ!」の世界ですね。

  

   

それと比べると、先ほどお話させて頂いた通り、

『インテリアの流行』は日ごろからよそ様の家具をウォッチしたりしない分、トレンドの変遷が遅いです。

仮にウォッチしたとしても、

『あなたのお部屋の家具一式、マネして買っちゃお』ってなかなか出来ませんしね。

そうそう。

 

▼そう簡単にマネできません▼

  

お洋服と比べるとアイテム一点あたりの単価もお高いし、

『マネキン全身のお洋服』よりも『お部屋全部の家具』の方がアイテム総数も多いです。

どんだけトレンドっつっても、普及しようがないですね。

もともとインテリアの世界には、

《アンティーク》や《タイムレスデザイン》のような、時代に流されないアイテムを大切にする文化基盤もありますし、

そう簡単には《北欧インテリア》のトレンドは揺るぎませんでした。

というか名前ばっかり有名になって、べつに誰の家も言うほど《北欧インテリア》になってませんでした。

永遠に北欧トレンドのままやんけ。

   

※そこはかとない北欧テイスト

       

そんな牧歌的な歴史が長く続いたこと、およそ5年。

インテリアの世界に革命を起こす大事件が起こります。

なになに?

ネットインフラの普及です。

  

「書き込みしようぜ!」

   

『Yahoo!ブログ』や『アメブロ』などの

個人ブログを作れるサービスが急増し、2005年の流行語大賞に『ブログ』が選出されます。

現代の『インフルエンサー』みたいな感覚で、

『カリスマブロガー』なんて言葉もあったんですよ。

時代を感じるワードだなぁ……。

  

    

同時進行で《スマホ》も誕生。

2008年に『iPhone 3G』『Android搭載スマートフォンT-Mobile G1』が発売します。

急激にネット戦国時代になりましたね。

閑静なインテリアの村に、突然魔物が!!

やかましい。

  

※『ネットインフラ』のイメージです。

  

ここでようやく、

これまでマイノリティゆえに息をひそめてきた『おうち生活好き』な方たちが、個人的な情報発信を始めます。

個人ブログ、

山本ゆりさんの【含み笑いのカフェごはん『syunkon』】が2008年5月開設。

近藤麻理恵さんの【こんまりのときめき片付けDays】が2009年4月開設。

ERIさんの【ストウブ生活】、2009年6月開設。

ホホウ。

不勉強でどなたも存じてませんが、ホホウですね。

  

syunkonカフェごはん1 (e-MOOK)

【syunkonカフェごはん1(ムック本)】

含み笑いのカフェごはん『syunkon』さんの書籍化第1弾。

当時ブログの書籍化はかなりのシンデレラストーリーであり、ファンからも大喝采で受け入れられた。

ただし作者・山本ゆりさんの芸風が独特なため、

「おしゃれなカフェ飯の本に『グチャグチャ』とか書くのはマズイっすよ」などと校正されながら完成させたと当時ご本人が語っておられました。

   

あ、でも発信者さんはまだ女性ばっかりなんですね。

その通り!!

インテリアはやっと情報共有の場を見つけましたが、まだまだ男子が間に挟まっていい空気ではありませんでした。

すなわち、

『女性による女性のための情報』のまま、発信力だけ強化された時代なんです。

ふむ。

その影響で何が起こったか?

《北欧ブーム》の基盤に女性の発信力が上乗せされた世界では、いったいどんなトレンドが生まれたのか?

それこそが、一世を風靡した《カフェ風インテリア》でございます。

   

  

※《カフェ風インテリア》のイメージです。

   

ははあ、なるほど。

もっとわかりやすく可愛かったり、おしゃれなキッチングッズと連動してたりしますもんね。

これ、別に僕が

『女性は料理すべき』とか『女性はみんなカフェが好き』とか、決めつけの思想を持ってるわけじゃないですからね。

インテリア界隈の大きな気運の流れを俯瞰で解説するために、

フラットに事実を並べてるだけですからね。炎上させないでね。

わかってるわかってる。ビビリだなあ。

  

「別にカフェなんて好きじゃないんだから」

  

当時、ちまたで大流行していた”平成カフェブーム”とも相まり、

「自宅をカフェ風にしたい!」という需要は爆発的に加速しました。

そんなブームあったんだ……。

【含み笑いのカフェごはん『syunkon』】さんなんて、

モロにタイトルに『カフェ』って書いてるし、

【ストウブ生活】さんも、

内容は《北欧インテリア》なのにタイトルにお鍋のストウブを冠しているあたり、

トレンドの移り変わりの妙を感じますね。

  

【ストウブ生活】さんの
▼実際のお写真▼

(画像引用元:ストウブ生活様より)

    

これまで《北欧インテリア》を気に入ってた人たちが、

ほどよく【非日常】を感じて、ほどよく【次に真似したい】と思うのが、ちょうどカフェ風だったのかもですね。

そゆことです。

トレンドっていきなり生まれるんじゃなくて、脈々とつながった歴史があるんですよ。

    

《関連記事》

【ルール解説】:カフェ風インテリアの作り方

     

【2011年~2015年】:男女関係なくトレンドを楽しんだ時代|『男前インテリア』『インダストリアル』

  

  
「カフェ風たのしーっ!」

   

ところが、ここで問題が発生します。

どうした急に。

ここまで《北欧》→《カフェ風》とトレンドが変遷したのですが、

さらに『次なる非日常』を探しても、

どうにもうまくいかないという事実が判明したんです。

……そんなことある? なんで?

   

「北欧なんもわからん」

  

なぜなら。

ここまでの人気ジャンルである《北欧》と《カフェ風》が、

どちらも定義がフワッとしたまんまだったんです。

10年もかけて!?

  

『カフェ風インテリア』
▼……とタグ付けされた無料画像▼

(※エッセンスの汲み取りに悩まされる……)

   

当時、北欧インテリアの定義は

『白を基調とした、ナチュラルかつ華やかなテイスト』……みたいな怪しい占い師の寝言くらいの感じでしたし、

どうとでもとれる表現ですね。

カフェ風インテリアの定義は、

実際にカフェの店長100名とかにインタビューした上で、

ほぼ全員から

『定義なんて無い。自分の表現したいものを飾りなよ』と返されていました。

それでよく流行ったよね!?

  

「あなたの表現したいものが、あなただけのカフェ風なんです」

【カフェ風に定義なんてない】

マジで、どこの店長がどこの雑誌でインタビューされても全員同じこと言ってました。

   

ぶっちゃけ、

『読者もよくわかってないけど』『発信者もよくわかってない』状態だったんですよね。

無法地帯やな……。

今、自分が何にハマってるのかよく分かってないわけだから、

『次に何が流行るか』なんてわかるはずがないんです。

  

「カフェ風もなんもわからん」

  

《北欧》も《カフェ風》もそろそろ普及してきたけど、

『その反対が何なのかわからない』という自業自得な状況で、次に生まれたトレンドは何だったのか?

ゴクリ……。

ずばり。

《男前インテリア》《インダストリアル》です。

……あ?

ああっ、そういうっ!?

  

(引用元:【Rigna】おしゃれな家具通販・インテリアショップ リグナ
※当ブログが勝手に応援しているショップ様です。

  

《北欧》も《カフェ風》もフンイキばっかりでよくわからないけど、

どちらも『女性的』で『ナチュラル』という共通点があったんですよ。

2000年から2010年ごろまでの間、

圧倒的な女性主導で拡散されてきたインテリア情報は、ここにきて『女性っぽさ』そのものが飽きられてしまいます。

ホウホウホウ……。

そこで、

カウンターカルチャー的に生まれた《男前》と《インダストリアル》。

  

(引用元:【Rigna】おしゃれな家具通販・インテリアショップ リグナ
※当ブログが勝手に応援しているショップ様です。

【男前インテリア】

あえて『男子っぽい』要素を取り入れたインテリア。

女性がわざとメンズライクなお部屋を目指すことも多かったが、これまで虐げられてきたインテリア男子としても気楽に取り入れられるアイテムが多く大変ありがたかった。

オブジェ単品に目がいきがちだが、部屋全体に『黒』『直線』『硬い素材』などが多いことを汲み取れると大変よろしいです。

   

(引用元:【Rigna】おしゃれな家具通販・インテリアショップ リグナ
※当ブログが勝手に応援しているショップ様です。

【インダストリアルインテリア】

インダストリアルな(=工業的な)要素を取り入れたインテリア。

『男前インテリア』と同時多発的に流行った上に『工業的な要素』を男前だなぁと感じこともできるので、両者の区別はナアナアである。

アメリカンスタイルの文脈で組み立てるのが正調だが、『錆びたアイアン』さえ使っておけばとりあえずOKな風潮もあった。

   

積極的に『黒』や『硬質素材』を差していくこれらのスタイルは、

かつてのインテリア界では考えられないくらい爆発的な勢いで広まっていきます。

……んん? なんで?

言うても『新しいトレンドはコレだね』『ちょっとずつ取り入れていこ~』ってだけじゃないの?

2011年から2015年ごろにかけて、

《男前》と《インダストリアル》が急速に広まった理由は2つほど考えられます。

 

※『ソーシャルメディア』のイメージです。

  

一つ目はSNSの普及

フェイスブックが2008年5月に日本語版リリース、インスタが2010年10月サービス開始です。

例によって、マイナー趣味であるインテリアの話題が共有されるのは

『ちょい遅れ』が基本ですから、ちょうど《男前》《インダストリアル》の時代と重なります。

ふむ。まあ、そんなもんでしょうね。

理由二つ目。

《男前》と《インダストリアル》は、これまでのインテリアジャンルと比べて圧倒的に再現しやすかった

そうなの?

 

ギリギリ『男前』で通せなくもない
▼『北欧部屋』の無料画像▼

※でも画像タイトルは『カフェ風』でした。

  

《北欧》の定義があいまい過ぎたり、

《カフェ風》を目指してキッチングッズを買っても『リビングが』おしゃれにならなかったり、

何かとトラップが多くて、頑張ってもなかなか理想に近づけない先輩ジャンルたちと比べると、

《男前インテリア》と《インダストリアル》は……↓

  

 

    

『ナチュラルにする!』『アイアンを足す!』『コントラスト効果が発動する!』

『ナチュラルにする!』『アイアンを足す!』『コントラスト効果が発動する!』

これを繰り返すだけで成立する『近接パワー型』のインテリアだったんです。

男前インテリアたちのこと、そんな風に思ってたんだ……。

しかも、土台の『ナチュラル』はすでに普及してる状態ですからね。

  

「もうナチュラルにしちゃったよ……」

  

実感としては、

『北欧くずれ』『カフェ風くずれ』のお部屋に

『アイアンを足すだけで成立する』……くらいのノリでした。

うまく《北欧風》とか《カフェ風》が作れた人はそのままで良いけど、

微妙に失敗した人とかもアイアンで救済できそうですよね。

そういうお宅、実際は結構あったんじゃないかな~と見ています。

みんな自分じゃ言いだしにくいだろうけど、僕もそんな感じだったんで。

   

↑これくらいナチュラルな部屋に、
いきなりアイアンぶち込んでも成立します。

  

簡単に成立するということは、

簡単にSNS映えさせることができるということです。

これまでの《北欧》《カフェ風》は定義が無いゆえに、

よほどセンスに自信が無いと『ウチは北欧です』と言いながらSNSにお部屋の写真を載せるのが恥ずかしかった。

「普通っぽく見えるけどこれが北欧風なんですね!」

とか言われたら一生立ち直れないです。

『SNSへの載せやすさ』は、普及のスピードに直結しますしね。

  

(※画像引用元:TRUCK FURNITURE公式様より)

   

↑今でこそ大人気ブランドである

男前インテリアの雄【TRUCK FURNITURE】さんも、

《北欧》《カフェ風》の全盛期はもっとひっそりと営業されており、

特に2004年ごろまでは『レジ無しで現金をタッパーに入れてる』ような状態だったんですよ。

そんな時代があったんや……。

   

▼創業当初のTRUCKさん▼

  

(※画像引用元:TRUCK FURNITURE公式様より)

   

急激に脚光が当たったのが、

まさにこの《男前》《インダストリアル》時代。

もともと高品質の家具を作られていたTRUCKさんは、

地名度が上がるとグングン人気を伸ばしていき……、

 

※カジマグ私物です。

  

↑2013年には『カフェみたいな暮らしを楽しむ本』というムック本で、

【もっと知りたい! 憧れのTRUCK FURNITURE】という特集まで組まれます。

《カフェ風》の本で特集されてるのが面白いですね。

トレンドは、『まだ流行ってない』『これから流行るもの』ですからね。

まだ流行ってない内容の本作ったってどうせ売れないんで、

現時点で普及してるカフェ風の本に、次に来る男前インテリアを載せてるわけです。

すごいな。ホントに大きな流れがあるんやな。

  

《関連記事》

【弱点克服】:インダストリアルの落とし穴

        

【2016年~2020年】:多様化から過激派へ変化した時代|『西海岸風』『ミニマリスト』『無印良品』

  

「オレはやるぜ、オレはやるぜ」

  

《男前》《インダストリアル》で自信をつけたインテリア好きたちが、

一気に羽ばたき始めるのが次の時代です。

2016年から2020年にかけて、

SNSの浸透とも相まり『映えるインテリア』が急速に広がりを見せます。

インテリア華やかなりし時代ですね。

 

【映えるインテリアの波及

『インスタ映え』という言葉が流行語大賞に選ばれたのが2017年です。

  

同時に『個人での発信』が容易になったため、

インテリアジャンルの【多様性】も急拡大します。

『プチリゾート』だったり『大人ラグジュアリー』だったり、

『ゆるジャンク』だったり『ロハス』だったり『アジアンモダン』だったり『和モダン』だったり『サードウェーブ系』だったり。

 

おしゃれを
▼思いっきり楽しんだり▼

   

ときには《男前》の遺伝子を
▼受け継いだり▼

  

少しづつ
▼新しい時代のテイストへ▼

(画像引用元:【Rigna】おしゃれな家具通販・インテリアショップ リグナ
※当ブログが勝手に応援しているショップ様です。

  

ありとあらゆる『小さなムーブメント』が同時多発的に起こりました。

ネット繁栄期かくありきですね。

心持ち、西海岸風インテリアが勢力強めだったんですが、

   

《西海岸インテリア》の
▼イメージです▼

 

(※画像引用元:RoomClip『tak-ito』様より)

  

前時代《インダストリアル》からつながる『アメリカ文化いいよね』の系譜と、

《男前》で広がった『黒多めコーデ』へのカウンター、

そして、

とりあえずヒトデ置いとけばなんとかなるという『他ジャンルより真似しやすい』利点。

……このあたりの条件が複合した結果かな~と思います。

言い方に気を付けてください。

  

【西海岸風インテリア】

アメリカ西海岸をイメージしたインテリアで、『デニム地』『ヒトデモチーフ』『流木』などのビーチを連想させるアイコニックな小物使いをするのが特徴。

『白』と『青』を積極的に取り入れるスタイルで、インダストリアルに慣れた目で見ると恐ろしく爽やかだった。

とはいえ多様化した流派の一つに過ぎない……と思いきや、

2014年スタートのお洋服ブランド『BAYFLOW』が唐突にイオンで西海岸インテリアを販売し始めたり、

業界大手のunicoが2016年に『MANOA(マノア)』という西海岸テイスト全振りのシリーズ家具を発表したりして、その人気の高さをうかがわせた。

  

イオンモール内の
▼『BAYFLOW』店内▼

(※画像引用元:BAYFLOW公式ツイッターより)

 

UNICOの
▼『MANOA』シリーズ▼

(※画像引用元:UNICO公式様より『MANOAシリーズ』)

  

みんなが色んなインテリアを楽しめるようになったのは良いのですが、

ここでまた問題が起こります。

問題ばっかりやな。

個人の発信が増えた上に多様化していったから、

また『各ジャンルの定義』が曖昧になったんですよ。

すぐ曖昧になるぅ!!!

あ、いや厳密にはちょっと違います。

  

「けっきょくなんもわからん」

  

《北欧》《カフェ風》時代は、

誰も定義なんて気にしてなかったし、

読者も発信者も『なんとなく』でやってるおおらかな感じでした。

《男前》《インダストリアル》の時代は、

何も聞かなくてもマネできるので、理論化の必要がありませんでした。

そですね。

  

「それでもよかったんだけどね」

  

コーヒーを飲むな。↑

そのまま《多様化》の時代に突入、

2018年『副業元年』などもあり、読者サイドはインテリアに限らずノウハウ教材を求める風潮が強くなっていたんですが……

ここまでの歴史の通り、

インテリア業界は、これまで一度も『理論化』『定義づけ』の経験をしないまま多様化に進んでしまったんです。

センスに頼る業界の行く末やいかに。

 

【一度も理論化の経験がない】

ときおり『インテリアはセンスではなく理論です』みたいな書籍が発売されていましたが、

書いてある内容はぜんぶ占い師の寝言でした。

 

発信者さんたちは、ゲリラ的に『持論のマイルール』を広めます。

だけど経験不足が祟って内容はアヤフヤ、どの情報を比べても矛盾するような大惨事になりました。

SNSで紹介されるオシャ部屋はどんどん映え映えになっていくのに、

読者さんのお部屋はどれだけ『おすすめアイテム』を買っても素敵にならない!!

あせります!! 自己肯定感が奪われます!!!

  

「飲んでない飲んでない」

  

そんなインフレが加速していく世の中で

たった一つだけ『信じられる情報』がありました。

どんなジャンルだろうが関係なく、

誰が参考にしようとお部屋が素敵になって自己肯定感が回復する新トレンド。

   

(画像引用元:無印良品公式様より)

  

それこそが、

インテリア界の過激派《ミニマリストインテリア》です。

極端だなあ。

 

『捨て魔』と『ミニマリスト』の違いは過去記事にて

  

どんなお部屋であろうと、どんなジャンルであろうと、

『お片付け』をしたらお部屋は確実にオシャレになります。

また、お片付けの世界には

もともと『整理収納アドバイザー』などの体系化されたノウハウが存在し、わりとセンスより知識でイケる分野でありました。

ノウハウを求める需要とも相性が良かったんですね。

  

(※画像引用元:『ミニマリストしぶのブログ』公式様より)

   

手ぶらで生きる。見栄と財布を捨てて、自由になる50の方法

   

『ミニマリストしぶ』さんのYoutubeが2017年にスタート。

著書手ぶらで生きる。が2018年に発売、Amazonベストセラー1位へ。

『ミニマリストTakeru』さんのYoutubeも2018年にスタート。

メンタリストDaiGoさんが『片づけの心理学』『ミニマリスト入門』などの特化動画を公開されていたのも2018年です。

メンツがこの時代っぽいぃぃぃ!!!!

他にも、各媒体でご活躍されていた

お片付けアカウントさんはおられるのですが、

 

当ブログいち押しの
▼『片付太郎』も2017年発売です▼

マンガでわかる 片付太郎と汚部屋乱子のお片づけレッスン
すぐできる! 続けられる! 整理収納のコツ教えます

  

……とはいえ、この時期の爆発的なミニマリズムの普及は、

Youtubeに代表される動画系SNSの影響が大きいように感じますね。

例の『わざわざ書籍を買って読まない層』にも届きますもんね。

まあ、言うてもお片付けって難しいので、

『ちゃんと成功した人』も『聴くだけ聴いてウンウン言ってた人』もいるんですが、

『お部屋を素敵にしたい』『豊かな暮らしをしたい』と思ったときに、

比較的たくさんの人が参考にしたのがミニマリスト情報だったわけですよ。

まあ、役に立つしお部屋も良い感じになりますしね。ちゃんとやれば。

  

《関連記事》

お片付けは自力で頑張ると『経験値』になるよ

 

めんどくさいお片付けは『ながら作業』で終わらせたい

  

ともあれ。

この時代のポイントは、

発信者さんが誰もインテリアアカウントじゃないという点です。

……あ!! ほんまや!!

 

(※画像引用元:『ミニマリストしぶのブログ』公式様より)

  

インテリア雑誌が語る『これを買うとオシャレになれますよ』よりも、

ミニマリストYoutuberさんが語る『片付けるとオシャレになりますよ』の方が支持を得ちゃったんですよね。

フンイキだけでは通用しない世の中になっちゃったんですねえ。

ちょうど同じくらいの時期に、

なんとなく《無印良品インテリア》が流行ったように感じる方もおられると思いますが、

  

(画像引用元:無印良品公式様より)

  

これも、

『インテリアアカウントじゃない人たち』がインテリアトレンドを牽引していたことに由来します。

うわ、なんとなく納得できる。

家具のブランド知らなくても、

インテリアロジックの知識がなくても、

無印良品なら紹介しやすいでしょ。

実際、無印良品ってミニマルなデザインですしねえ。

  

(画像引用元:無印良品公式様より)

【無印良品ばかり拡散】

先述の『副業元年』『ノウハウ教材ブーム』の影響で、アクセスが稼ぎやすい《無印良品》というキーワードが乱用されたことも一因と思われます。

この時期ミニマリストさんだけでなく、副業ブロガーさん達もこぞって無印良品のアイテムを紹介しました。

  

《多様化》《SNS映え》に進み続けていたインテリアバブルは、

ここでハジケて装飾性の少ない《ミニマル》《無印良品》に回帰します。

今でもこの風潮、けっこう色濃く残ってる気がします。

本来なら、この『引き算』系のトレンドは、

このまましばらく長続きする見込みでした。

ん? あれ?

もう次の動きが出てきてるの?

そう。

みんな仲良く『お片付け』をして無印良品を揃えていく、

そんな平和も長くは続かなかった……。

  

▼長くは続かなかった……▼

(画像引用元:無印良品公式様より)

  

というかまあ、

《ミニマル》《無印良品》の人気は今も続いてるんですけれど、それだけで満足していられなくなる事件が起こったんですね。

それって、まさか……。

全世界・全家庭の『おうち生活』に甚大な影響を与える、大・大・大事件。

2020年初頭、『COVID-19』新型コロナウイルスの流行です。

   

《関連記事》

【ルール解説】:ブルックリンスタイルの作り方

  

【2021年~】:自然な装飾を楽しみたいコロナ渦|『ボタニカル』『アウトドア』『BOHO』

  

インテリアの『発祥』『成り立ち』にまつわるお話って、

覚えていますでしょうか?

 

<過去記事>

FGOで覚える:インテリアの発祥は『描けば出る』

無職転生で覚える:『日本インテリア』と『西洋インテリア』

 

↑ヒトはインテリアに『ないものねだり』をする!!

お外が華やかなら、自宅はシンプルにしたくなる!!

お外が寂れていたら、自宅は華やかにしたくなる!!

その通り!!

華やかなSNS疲れ

《ミニマル》《無印良品》に回帰していたはずのシンプルな自宅に!!

  

※『COVID-19』新型コロナウイルスのイメージです。

  

2020年!!

突如『外出自粛』『緊急事態宣言』が襲い掛かります!!

おちおち買い物も行けませんでした。

SNSで発信されるインテリア情報はシンプル路線ばかりなのに、

『お外へのお出かけ』が華やかではなくなってしまったんですよね。

お外はコロナ自宅も質素新手の修行かな。

  

※お外が『華やか』ではなくなりました。

  

そのうえ、肝心の『無印インフルエンサー』さんは

インテリア界の情報をあまり持ってらっしゃらないですからね。

無印良品のオススメアイテムを紹介しきったら、

ネタ切れを起こすこともあったりします。

『無印良品の隠れた名品』を

水増しするしかない人いますよね。

それはもっと小声で言って……っ!!!!

  

「隠れた名品を探さなきゃ……」

   

ともあれ、歴史的に見ても非常に特殊なこの環境が、

現代『2020年代前半』のインテリアトレンドのベースなわけです。

最旬トレンド情報お願いします!!!

切り替えが早いな……。

まあいいや、とっとと言っちゃいましょう。

お出かけできなくなっちゃった現代人が『おうち生活』に求めた最新トレンド!! それは!!!

  

(引用元:【Rigna】おしゃれな家具通販・インテリアショップ リグナ
※当ブログが勝手に応援しているショップ様です。

  

自然を感じる』『装飾性!!

言い換えるならば、『華やかな』『癒し』です!!

世相を反映してるなぁ……。

消費の需要は世相を反映するもんです。

社会が暗いときほど、明るいアイテムに人気が集まるのですよ。

 

(引用元:【Rigna】おしゃれな家具通販・インテリアショップ リグナ
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ていうかこれ、

インテリア業界に『トレンドのバトン』が返ってきた重要な転換期ですからね。甘く見るんじゃないわよ。

そんな語尾のキャラでしたっけ。

引き算一辺倒だった《ミニマル》《無印良品》トレンドに、

急に『華やかさ』や『エンタメ性』が求められるようになりました!! が!! しかし!!

  

いきなり
▼『アクセル全開』にはできません▼

  

かと言って、そう簡単にお祭りムードにはなれません!!

コロナ禍に疲れた人々は、自宅というプライベートスペースに

『華やかさ』と同時に『癒し』も求めたのです!!

その結果が『自然を感じる』『装飾性』だったんですか。

まあ納得感はありますね。

  

▼『自然を感じる』『装飾性』▼

(引用元:【Rigna】おしゃれな家具通販・インテリアショップ リグナ
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そんでもって、

具体的にスポットが当たったジャンルが主に3つ。

《①BOHO》

《②アウトドアスタイル》

……そして例の《③韓国インテリア》になります。

辿り着いたーッッッ!!!!!!

  

「おかえりなさい……」

  

一つずつ見ていきましょう。

《①BOHO(ボーホー)》ってのは、

『ボヘミアン』と『ニューヨークSOHO地区』を合わせた言葉。

 

▼《BOHO》インテリア▼

(引用元:【Rigna】おしゃれな家具通販・インテリアショップ リグナ
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『民族柄』や『素材感の強いファブリック』、

『動物モチーフ』なんかを使うのが特徴で、

見た瞬間に「BOHOやん!」ってわかる感じの個性の強いインテリアです。

  

▼《BOHO》インテリア▼

(引用元:【Rigna】おしゃれな家具通販・インテリアショップ リグナ
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たしかに、めっちゃ癖が強い!!!!

でもなんか、コロナ禍で体が求める要素が全部入ってますね。

自然素材で、装飾的で、動物モチーフまであるとかねえ。

ですよね。

これはもうドンズバの分かりやすいトレンドだと思います。

うむり、うむり。

  

▼《アウトドア》インテリア▼

(引用元:【Rigna】おしゃれな家具通販・インテリアショップ リグナ
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お次は《②アウトドアスタイル》

『おうちキャンプ』に代表されるような、

自宅にアウトドアギアを持ち込んで楽しもうというムーブですね。

コロナ禍だから『アウトドアっぽい』インテリアが流行るって、

なんかもう、言われてみればそのまんまですな。

  

 
(引用元:【Rigna】おしゃれな家具通販・インテリアショップ リグナ
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(引用元:【Rigna】おしゃれな家具通販・インテリアショップ リグナ
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持ち運びに便利な『折り畳み椅子』をあえて室内で使ったり、

ガーデン家具の『アカプルコチェア』が人気再燃した……なんてのも面白い動きです。

それそれ。

基礎ルールに忠実だと理解しやすいでしょ。

 

(画像引用元:スノーピーク公式様より)

   

アウトドアというより『キャンプ用品』のブランドであるスノーピークが脚光を浴びたことや、

バルミューダのランタンが2020年にグッドデザイン賞を受賞したのも興味深い点でございます。

全然知らんかったけど、そうなんや。

  

バルミューダ ザ・ランタン

  

ゆるキャン△の2期も、2021年スタートですしね。

あえて言わなかったのに…

  

(画像引用元:TVアニメ『ゆるキャン△ SEASON2』公式様より)

  

コールマン ルミエールランタン

   

まあ具体的なブランドやアイテムはともあれ、

『自然を感じる』『華やかさ』を楽しむのに、『キャンプ風』というアプローチがウケるのは違和感ないんじゃないかな。

大自然アクティビティですもんね。

めちゃめちゃ連動してるやんって感じですね。

  

(引用元:【Rigna】おしゃれな家具通販・インテリアショップ リグナ
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ほんでもって、最後が《③韓国インテリア》

いちおう注釈しておくと、

《韓国インテリア》っていうのは、古来から韓国全土に広がってる韓国文化の象徴みたいなインテリアではありません。

あ、そうなの?

チャングムの宮廷みたいなインテリアではないぞよ。

うるせえな。

  

※ちがいますよ。

 

日本国内には日本独自のトレンドの流れがあるのと同じで、

韓国にも韓国の中でのトレンドの動きがあります。

ちょうどこのタイミングで

韓国内でのオシャレトレンドが『ミニマル + 北欧っぽい装飾性』くらいの感じだったんですよ。

あ、ちょうど日本人の欲しいものと一致してる。

そうでしょ。

  

(引用元:【Rigna】おしゃれな家具通販・インテリアショップ リグナ
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日本人が

ミニマルに『ナチュラルな華やかさ』を追加したい気分のときに、

ちょうど韓国が

『ミニマル + 北欧っぽい装飾性』でブイブイいわしてたんですよね。

それは。

……真似しちゃいますわな。

でしょ?

ちょうどナチュラルな装飾性のトレンドに合わせて

『北欧名作アイテムの見直し』もされている頃でしたので、まさに相性ピッタリなのでございました。

  

時には《BOHO》のテイストも
▼取り入れつつ▼

(引用元:【Rigna】おしゃれな家具通販・インテリアショップ リグナ
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かくして、コロナ禍に端を発した

『自宅にナチュラルな装飾性が欲しい』という需要は、

まんまナチュラルな装飾を足しまくる《①BOHO》

自宅でキャンプ気分を味わう《②アウトドアスタイル》

ミニマルに北欧っぽい華やかさを足す《③韓国風インテリア》と、

様々なアプローチで表現されていったわけですね。

へぇーへぇーへぇー!!

   

▼《BOHO》▼

(引用元:【Rigna】おしゃれな家具通販・インテリアショップ リグナ
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▼《アウトドア》▼

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▼《韓国風》▼

(引用元:【Rigna】おしゃれな家具通販・インテリアショップ リグナ
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お買い物をするときは、

『今年の流行は室内テントだ!』みたいなアイテム単品を見るのではなく、

あくまで自然を感じる装飾性トレンドだという、

一歩引いた視点で検討してやると息の長いアイテム選びができますよ。

なるほどねえ。

それはそれとして、『次に来るアイテム』とかありますかっ!!

貪欲よのう……。

    

ナチュラルな装飾性を

コントラスト効果で引き立てる『金属』は来るでしょうね。

ていうか、ナチュラルと親和性の高い金属として、

『真鍮』とか『銅』とかすでに出回り始めてますよ。

そういやアイテム紹介でチョコチョコ聞いたな……。

  

《過去記事:アイテム紹介シリーズ》

『真鍮』を使った『キャンドル風』のランプ

『最高級ルンバs9+』はデザインに『銅』を採用

  

ていうか、『ナチュラルブーム』からの『金属ブーム』って聞き覚えありません?

さっき話した内容ですよ。

……うーん。

  

  

《北欧・カフェ風》からの、《男前・インダストリアル》?

YES……歴史は繰り返す……。

言い方が腹立ちます。

  

https://twitter.com/ribukahashimoto/status/1420362792536666118

      

【歴史で学ぶ】インテリアの最旬トレンドを『追いかけなくても良い理由』

※『歴史』のイメージです。

  

というわけで!!

インテリア界のトレンドの変遷についてざっと見てきましたが!!

今から一番大事なことを言って終わりますのでよく聞いて下さい。

一番大事なことは最初に言おうな……。

  

「最初に言おうな?」

  

ここまで見てきたトレンドすべてには、

一つの大きな共通点があります。

え、そんなのある?

日本には、

最初から最後まで自宅訪問の文化が根付いていません。

インテリアのトレンドは全部、

メディア上・SNS上だけの《仮想トレンド》なんですよ。

最後にめちゃくちゃ問題発言ぶっこんできた。

   

「これが、インテリアのトレンド……!!」

 

自宅を実際に《北欧》《カフェ風》にして飽きて、

今度は《男前》《インダストリアル》にして飽きて、

《ミニマリスト》《無印良品》にしてまた飽きて、

今は《BOHO》や《アウトドア》なんかのスタイルにして満足してる人。

そんな人、いるわけないでしょうが!!!

た、たしかにっ!!!

   

『自分ちのインテリア』をちゃんと見ましょうね。

  

ていうかそもそも、

《北欧》でも《インダストリアル》でも何でもいいんですけど、

自分のお部屋を「〇〇インテリアです」って

一式コーディネートできたこと人生で一回もないでしょ?

無いデェェ――――ース!!!!

1回もコーデしたことないのに、

飽きるはずないんですよ。

インテリア業界とお客さん、全員敵に回してません?

  

「オイオイ俺を怒らせるなよ」

  

トレンドアイテムは、

お店での品ぞろえも良いし、ロットの関係でリーズナブルなこともあります。

ですがそのトレンドは、

あなた自身の気持ちに完全に連動しているわけではないことは覚えておきましょう。

サンマが旬だから安くておいしいけど、

「今日はどうしてもカレーライス」って日があります。

  

ゆるキャン△ SEASON2 カレー

   

ましてや、自分の住む家のことです!!

これまでに何度も『インテリアには自己分析が大切』というお話をさせてもらっていますが!!

本当に自分は『メディアのトレンド』を追いたいのか

十分検討してからお買い物してくださいませ!!

どんだけトレンド最先端でも、

下手すりゃ家族と友達くらいしかお披露目する機会ないですしね。

  

本当に自分が『盛り』を必要としているのか
▼自己分析しましょう!▼

 

以前にもお話しましたが、

日本人のインテリア平均点は非常~~にオソマツです!!

ういうい、実感として分かります。

誰もまともに勉強してないよね。

今の日本なら、

《北欧風》だろうが《男前》だろうが関係なく、

ちょっとそれなりに整ってれば「うわすげえっ!!」ってなりますよ。

それもわかる。

ワイのオタ部屋も、友達から十分すごいって言ってもらえてます。

  

(過去記事):オタク部屋の『趣味を活かして』劇的ビフォーアフター

  

人の部屋を見て「トレンド感あるじゃん!」って感想言えるの

マジで業界人くらいなんで。

本当の本当~~に、自分の暮らしを最優先してね。

すげえ……。

こんだけ盛大なトレンドの歴史を語ったあとに、

自分で全部ドブに捨てるインテリアマンすげえ……。

誉め言葉と受け取っておきましょう。

 

ケチつけましたが
友達の家がコレだったら普通にすごいです▼

  

というわけで!!!

インテリアのトレンドって、旬が過ぎても

わりと『時代遅れ』にならずに『定番ジャンルのひとつ』になりますんで。

ん、ん。

  

※「時代遅れだな!」とは感じないと思います。

  

お洋服のトレンドみたいな感覚で慌てなくて大丈夫ですんで、

じっくり腰を据えて、

自分にとっての豊かな暮らしを模索していってくださいませ。

ふぁーい!!!

カジマグ先生みたいなネチっこい解説より、

「最新トレンドのおすすめアイテムはコレだ!」って言っちゃう人の方がウケると思います。

わかっとるわい。

   

《北欧インテリア》
《カフェ風インテリア》

(※画像引用元:LAPUAN KANKURIT日本公式サイト様より)

       







  

《男前インテリア》
《インダストリアルインテリア》

(引用元:【Rigna】おしゃれな家具通販・インテリアショップ リグナ
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《ミニマリストインテリア》
《無印良品インテリア》

(※画像引用元:『ミニマリストしぶのブログ』公式様より)

   

   

めんどくさいお片付けは『ながら作業』で終わらせたい

 

   

《自然を感じる》《装飾性》のインテリア

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《自然を感じる》《装飾性》のインテリア

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関係ありそうな
記事

【北欧インテリアの作り方】:歴史と成り立ちも解説

【インダストリアルの作り方】:歴史と成り立ちも解説

【カフェ風インテリアの作り方】:歴史と成り立ちも解説

4件のコメント

大変楽しく読ませて頂きました(実際に笑い声上げながら読んでました)。
時代背景やインテリアの変遷がわかりやすく書かれており、俯瞰して理解しやすかったです。

そんな私は、世の中のインテリアトレンドに踊らされている一人なのですが、
最後の「自己分析」の重要性が刺さりました。
また、ズラッと各テイストのインテリア情報が最後に並べて載せられているのを眺めるのも、「あ、自分、どれも”素敵だな〜”って思ってる。本当はどれか自分にとって心地よいんだろう?」と考えるきっかけになりました。

その「自己分析」について詳しく書かれておられる記事がもしあるのでしたら、読んでみたいです(探してみます)。

リンクが貼ってあった過去記事も、読ませて頂きますね。

それでは、楽しく学べる記事をありがとうございました。

お読み頂いてありがとうございますーッッ!!

インテリアの『楽しさ』そのものを普及できたらな~と思って運営してまして、
少しでも笑顔で記事に触れて頂けたのならとっても報われます!!!

そして『自己分析』!! お目が高い!!

自己分析については超重要な課題と考えてまして、
一つの記事だけでなく色~んな話題に絡めて何度もお話させて頂いている状態です。

《趣味人のミニマリズム》について考察した下記の記事でしたら、
比較的『肝』がたくさん詰まっていますので、ご無理のない範囲でお試しいただけましたら幸いです~。
https://kajikissa.com/minimalism/

なんにせよ、たくさんインテリアの話題にふれて頂けてとっても嬉しいです!!
コメント本当に励みになります、ありがとうございます~~!!!

今、リノベーション中です。
非常に楽しく読ませていただきました!

家って長い期間使うものなので、インテリア飽きたらどうしよう、
気軽に変えられるものではないし、と考えていました。
じっくり考えて自分の好きなものなら、落ち着いて過ごせそうです!
ありがとうございました。

ご参考にして下さってありがとうございます~~!!
リノベーション素敵ですね!!

ご自身の好みをじっくり考えていく方向性、素晴らしいと思います!!
『トレンド気にしすぎなくていいよ』というのは僕だけの持論ではなく、インテリア界のちゃんとした大御所様たちは揃って仰っておられる基本の考え方でございます。
あせらなくて大丈夫ですので、ぜひぜひ納得いくまで試行錯誤を楽しんで下さいませ~~。

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